白鳥山BC  1286m 富山・新潟県             
 


2022年3月13日(土)

 3年前の秋に踏破した栂海新道は、忘れがたい私の山歩記の一頁。点在する池塘の美しさや歩くほどに日本海が目前に迫って来る感動もさること、英国人宣教師ウオルター・ウエストンが看破した「北アルプスの北端は親不知」の言葉を、身をもって実感した山歩きだった。その栂海新道の朝日岳から続く長い縦走路の終点にある山が白鳥山。ともかく長丁場の栂海新道、白鳥山には、もう二度と訪れることは無いだろうと思っていたが、群馬のKさんからBCのお誘いがあり、図らずも再訪の機会に恵まれた。

 例によって群馬からKさんの車に便乗させてもらい、自宅からは遥か遠隔の地、富山県上路地区に到着。早速身支度を整えて6時55分、ハイクアップを開始する。雪面はザラメ、その上には落ち葉が多数散乱しておりすっかり春山の風情だ。

 暫く続く杉林を抜けた後は、藪が煩い細かなピークを越えながら標高を上げていく。春霞に煙る日本海が望めるようになると、右手には北西尾根、その先には目指す白鳥山が姿を現した。ところが、振り返ると、背後にはいつの間にか薄気味悪いガスが沸き上がって来ている。海辺に近く西風に晒される山の宿命だろうか、そこうするうちに山頂方面もすっかりガスに覆われてしまった。雪景色の栂海新道を眺めることを楽しみにしていたのに残念と気落ちしていると、切なる願いが通じたのか、下界に雲海を残して山頂付近のガスは雲散霧消。北アルプス北部の大展望を目の当たりにすることができた。

 予定通りの11時きっかりに白鳥山山頂に到着。一階がすっかり雪の下になった白鳥小屋の周りには、驚くほど大勢の老若男女で賑わっていた。山頂のみならず、広々した北西尾根にも続々と山頂を目指す登山者の姿。ここは地元に方々にとっては、東京で言えば高尾山のような存在なのだろうか。

 大パノラマを満喫したら早速滑降準備。11時25分ドロップイン。雪質はまずまずながら、熟成ザラメとも違い、ややパック気味でちょっと引っかかる。どんどん下ってやがて雲海に突入するとグサグサの悪雪となり、ルーファイに加えてスキーの取り回しにも苦労するようになった。登りで苦労した藪の濃いピークを右手から巻いていくが、雪解けであちこち剣吞な穴だらけ。それに何故かターンがままならない。見れば兼用靴の滑降モードがいつの間にか歩行モードに切り替わっている。道理でこけまくるわけだ。かくして登り以上に汗まみれとなって、12時50分、上路に帰着。

 先週までパウダーだのフェースショットだのと有頂天になっていたのが一転して、聖水ならぬ悪雪で春山の洗礼を受ける羽目になった白鳥山BC。しかし、K師匠にとっては、こんな雪はアトラクション。悪雪ほど燃えると宣うK師匠には脱帽するばかり。。。


上路の除雪最終地点に続々と集合する車



すっかり春山の風情



藪の濃いピークを幾つも越えていく



地形は複雑



栂海新道の尾根だろうか その向こうには日本海



先行者のトレースが一本



日本海を背にハイクアップ




次第にいい雰囲気になってきた



栂海新道の稜線 その向こうに春霞に煙る日本海



ハーフパイプ



山頂が垣間見えたのも束の間、、、



どんどんとガスが、、、




湧きたってきたが、、、



幸い雲海の上に出た



山頂までもう一息




山頂到着 白鳥小屋周辺には人また人



記念撮影 避難小屋の一階は完全に埋没




栂海新道と朝日岳



ギャラリーの見守る中滑降する私



これぞ山スキーの醍醐味



私 雪が重くなってきた




Kさん



同上



同上



グサグサ雪に足を取られる私




ルーファイするKさん



藪ピークを巻くKさん



私も続く



ヘロヘロ状態で帰還した私



Activity 5hrs55min
Gear   Supercharger Woman161cm、ScarpaF1、BD Black Diamond Ultralite Mohair Mix


  
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