仙ノ倉山BC  新潟・群馬 2016m       二百名山
   

20174月5日(水)

 この日は群馬のKさんと谷川岳茂倉沢の滑降を計画。ところが予報に依れば、急な気温上昇に伴う雪庇崩壊やブロック雪崩に厳重警戒とのこと。相談の結果、万が一ということもあるので、比較的リスクの低いクラシックルート、仙ノ倉山シッケイ沢に転進することにした。私にとっては二度目となるシッケイ沢。奇しくもKさんと知り合うきっかけとなった沢だ。

 午前
3時半に湯沢IC近くのコンビニで落ち合い、車を連ねて下山予定の毛渡橋へ。私の車を関越自動車道の高架下にデポし、Kさんの車で平標山の登山口へと向かう。いつも車を置かせてもらうトンネル脇のスペースは駐車禁止。その代わり登山者用の駐車場がすっかり除雪されて使用可能となっていた。

 午前
445分ヘッデンを点けてスタート。岩魚沢林道はシートラーゲン、除雪最終地点からシール登行に切り替える。雪面は良く締まっており、とても歩き易い。


松手山方面 雪庇はまだ残っている



苗場山をバックにしたKさん



ヤカイ沢左岸を登る私


 いつものようにヤカイ沢左岸を進み、クトーを効かせながら尾根へと登り上げた。眼下には半ば雪に埋もれた平標山の家が見えている。笹穴沢の源頭部は、まるでピステンがかかったかのようなスベスベお肌だ。ここに来るといつもこの天然のゲレンデに寄り道したい誘惑に駆られてしまう。


直登するKさん クトー(3Dアセント)が良く効いている



仙ノ倉山をバックにKさん


 シッケイ沢は今回で
12回目というKさんは、流石に完璧なルート取り。無駄にUps & Downsすることなく平標山山頂直下や稜線上のピークを巻いて仙ノ倉山の頂に立った。写真撮影で度々足を止めたにも関わらず、ここまで4時間ちょうど。今日は至って好調、殆ど疲労感も無い。つい先日越駒で暑さにやられ、ヨレヨレになってしてしまったのが嘘のようだ。


平標山直下の雪庇



平標山をトラバースする私



風の強さを物語る仙ノ倉山と平標山の鞍部



地面がむき出しになっている



絶妙なコース取りをするKさん



同上



仙ノ倉山山頂



万太郎山が圧巻の迫力


 記念撮影を終えたら早速滑降の準備。午前
9時ちょうどに山頂を後にする。北尾根を少し進んで、ドロップポイントに立つと、そこは圧巻のロケーションだ。無木立の大バーンと正面に聳える万太郎山。とても日本とは思えないアルペンチックなパノラマが目の前に広がっている。


ドロップインするKさん


 例によって
Kさんが滑降の皮切り。規則正しい見事なシュプールを描きながら谷底に吸い込まれていく。遥か下にKさんが停止したのを見届け、私も続く。滑りだすと足下の雪質は何とも不思議な感じ。パウダーでもなければ、ザラメでもない。かと言ってモナカにも非ず。ねっとりと足にまとわりつく雪だ。


Kさん



Kさん



悪雪にもめげず規則正しいシュプールを刻むKさん





同上



同上


 
400mほど降りたところで、少し右にトラバース。この辺から正真正銘のモナカ雪が登場した。ままならないターンに2回立て続けに転んでしまい、修行不足を痛感。腰引けまくりながら、何とかターンを繋げて滑降を続ける。その後は、デブリの散乱する沢床には下りず、右岸を延々とトラバース。急な上にカリカリの斜面が不意に現れるので心臓に悪い。


シッケイ沢右岸をトラバース


 右岸の台地に乗り上げ、支尾根のツリーラン。雪質はまた変わり典型的な春の重雪となる。ターンの都度、ゴロゴロと転がり落ちる雪玉と競争しながら毛渡沢との出合まで滑り降りた。山頂から出合まで、標高差
1000m弱を40分で滑走したことになる。


毛渡沢出合までツリーラン



出合からシッケイ沢(左手)を振り返る


 ここでまったりとランチタイム。お腹を満たした後は、仙ノ倉山や万太郎山に別れを告げ下山続行。毛渡沢右岸を滑り降りる。先行トレースも無く多少の起伏もあるので、残念ながら自動運転という訳にはいかない。手漕ぎの連続する腕力勝負だ。


かなり降りてきた 標高10000mを切ると流石に暑い



カモシカ君と遭遇 意外に可愛い顔をしている



また来る日まで


 沢は寡雪だった昨年とは比較にならないほど雪に埋まっている。スノーブリッジもそこかしこにあるのでブーツを濡らす渡渉の心配も無い。群大仙ノ倉山荘を過ぎれば、後は消化試合。ヒールフリーで黙々と歩く。毛渡橋が近くなると突然うなりを上げるショベルカーが前に立ちふさがった。ハイピッチで林道の除雪作業が進んでいるのだ。作業を一旦止めて頂き、道路に降り立った。


群大仙ノ倉山荘前の橋を渡るKさん


 幸い除雪区間はそれほどでもなかった。僅かな歩きだけで、正午前、
1145分に車に帰着。今回は頑張って早出したのが功奏したのか、天気、眺望、滑走、体調、どれをとっても文句なし、大満足のBCだった。越駒で凹んだ自信とモチベーションは、おかげで随分と取り戻せた。Kさん、今回も深謝です。


行動時間  
7時間5


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