新潟・群馬県 2026m | |
20111年4月6日 このところ高気圧に覆われて安定した好天が続いている。前日の天気予報では日本国中が晴マークになっていた。この好天を逃す手はないのだ。二百名山のガイドブックをぱらぱらとめくり、眺望が素晴らしいと言われる仙ノ倉山を目指すことに決めた。中央分水嶺にあって多量の降雪を見る山だが、4月に入ったので雪も落ち着き締まっていることを期待しよう。 例によって夜半に自宅を後にする。苗場の平標山登山口には、ほぼ予定通り午前6時に到着できた。駐車スペースを探してうろうろする。登山者用駐車場は除雪されておらず使えないので、隣の別荘管理事務所の空きスペースに車をとめさせてもらった。身支度を手早く済ませ、しっかりと腹ごしらえもしてガス欠に備えた。雪山は消耗が激しいのだ。6時10分に出発。万一に備えてピッケル、スノーシュー、アイゼン、ツエルトなど冬山装備一式を入れたザックは結構肩にズッシリくる。二居川の橋を渡ってすぐに登山道の入り口があるはずだが、別荘へ向かう道路の山側は雪の壁になっていて、それらしき案内は見つからない。しばらく道路沿いに進むが、このままではどんどん登山道から遠ざかってしまう。別荘の立ち並ぶなか、適当なところで山に分け入った。まだ気温は零下であり、雪はしっかりと締まっている。林が疎になっている谷間を選んで登って行くと、次第に傾斜がきつくなってきた。夏道方向へとトラバース気味に進む。尾根筋に出ると、下方には苗場のスキー場、上方にはランドマークの送電線鉄塔が見えた。ここでアイゼンを装着。これで格段に歩きやすくなった。 駐車場は深い雪で埋もれている 別荘地内の道路
景色を十二分に堪能した後、下山にかかる。疲れた足には平標山への登り返しは結構きつい。それに雪が緩んで踏み抜きが多くなってきた。予告なしに膝や太腿まで嵌るので敵わない。雪に隠れた木段の間に落ちこむらしい。持参したスノーシューに履き替えて見たが、もぐらない代わりに木段が引っかかって返って具合が悪い。結局またアイゼンに換えて歩き続けた。振り返るとヤカイ沢に向かって滑り降りるボーダーの姿が見える。腐った雪に足を取られることもなく下りを楽しむ彼らが羨ましい。踏み抜きに苦しみながらも下り続けていくと、やがて鉄塔が見えてきた。早朝にはあれほど締まっていた雪が嘘のように腐っている。一歩一歩膝まで嵌るのでかなわない。傾斜が急なので尻セードを試みたところスピードもコントロールできるし非常に具合がいい。立ち木と衝突しながらも別荘近くまで一気に滑り降りることができた。下着まで濡れてしまったが。車への帰着は1時25分、素晴らしい天気のもとで無事に春山をエンジョイすることが出来た。満足感の余韻に浸りつつ帰途に着いたのだった。
行動時間 7時間15分
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