両神山    1723m 山梨県  百名山      
      


2019年6月18日(火)

 歳をとると本来あるべきところに体のパーツが納まらなくなってくる。このところ歩行に支障を来すほど腰から左足にかけて痛みや足の痺れが日常化してきた。病院で行ったMRI検査の結果は椎間板ヘルニア。第五腰椎の椎間板(椎骨間のクッション)が飛び出し足の神経を圧迫しているのだそうな。

 2年前には内蔵が腹腔内からはみ出る鼠経ヘルニアを患っているので、ヘルニア(語源はラテン語で「脱出」の意味とか)二兄弟を経験したことになる。取りあえず保存療法で様子見ということだが、自宅で引きこもっていると今度は運動機能が衰えてロコモティブシンドロームに陥ってしまいそうだ。

 というわけで山を再開。とは言え、余りハードな山で歩行不能になると命にもかかわる。今回は半日程度のお手軽ハイキングで山脚を維持することに努めることにした。向かう先は近場の百名山、両神山。百名山のピークハントに血道をあげていた頃は、どの山も最短コースを選択していたため、初登頂は八丁峠からのアプローチだった。今回はオーソドックスに日向大谷から表参道を歩いてみた。

 平地を歩くと尻から左足にかけて重苦しい鈍痛と痺れがあるが、不思議なことに山道ではそうした不快感は何処かに消え去ってしまう。まるで森の精気フィトンチッドが、痛みや痺れを「麻痺」させてくれていたかのようだ。足の具合が思ったより良いので表参道を止めて七滝沢コースに入ってみると、鎖場や胸を突く急登続き。それでも全く不調は感じられず、足は快調に前に出た。

 帰路は石碑や石仏が数多く残る表参道を小走りで下山。幸い最後まで足腰に不調をきたすことは無かった。展望は山頂周辺のみ、花はアカヤシオの散り花だけという普通であれば寂しいハイキングのはずが、長いリハビリを経て歩行を取り戻した障害者の気持ちの一端を共有したかのような不思議な満足感に包まれた山歩きとなった。


行動時間 6時間



日向大谷からハイク開始



七滝沢コースに転進



苔むした岩々



見応えのある養老の滝



産体尾根に合流 ここから山頂を目指す



両神御嶽神社本社



展望の無い稜線を行く



10年ぶりの頂



秩父の山々



手前のピークは三笠山だろうか



登山道脇にはこうした仏像が多数ある



立派なログハウスの清滝小屋


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