赤石岳  大沢岳   中盛丸山    兎岳      百名山
百高山 
百高山
百高山
 

 未踏の日本百高山は残すところあと4座。そのうち3座は大沢岳、中盛丸山と兎岳。いずれも南アルプスの最深部にあり、最低2泊は必要なアプローチの悪さから最後まで手付かずに残ってしまった山々だ。この攻略にあたり次の計画を立ててみた。

 初日、朝一番の東海フォレストのバスで椹島入り。標高差2000mを頑張り、赤石岳避難小屋に宿泊。翌日、課題の3山をクリアし聖平小屋泊まり。最終日、余裕をもって椹島へ下山。この計画を台風一過の天候が安定する時期を狙って実行することにした。ところが、、、

 結論から言うと課題は全てクリアできたものの、様々な不測の事態が起きて計画変更を余儀なくされた。

 その一、土砂崩れによる交通止めの影響で、始発のバスに間に合わなかったこと。
 その二、この出遅れが響いて避難小屋まで行きつけず、赤石小屋止まりになったこと。
 その三、雨で翌日も出遅れ、兎岳から百間洞山の家に引き返えさざるを得なかったこと。
 その四、最終日は午前中に椹島に下山する必要があったため、往路を戻り再び赤石岳越えをする強行軍になったこと。

 結局最初の躓きが全行程に影響を及ぼした訳だが、結果オーライで当初の目的を果たせたのは何よりだった。


2017年8月10日(木)

 台風一過の晴れ間を狙い、9日に出発する予定だったが、前日に確認したところ畑薙ダムから先の東俣林道が不通とのこと。念のため一日遅らせ10日出発とした。

 午前7時30分発の始発送迎バスに間に合うよう深夜に自宅を後にする。東名高速を走行中、「最新の交通情報をキャッチしたのでルートを変更します」とのナビからのアナウンス。島田金谷ICから大井川鉄道沿いのルートに変更となって50Km近く遠回りになるが仕方ない。こちらの方が道幅は広いし快適ではある。それに途中の停車場でトーマス号など子供たちに人気のSLを垣間見るおまけもあった。


大井川鐡道HPより

 ところがそんな物見遊山の気分は、接岨峡温泉まで来たところ吹っ飛んでしまった。井川湖は目前なのに、あろうことか、土砂崩れにより通行止めとのこと。最新の交通情報とはいったい何だったのかと問い質したいが阿保ナビ相手ではどうにもならない。

 今度は自前の勘ナビを駆使して、すっかり明るくなった362号線を静岡に向けてひた走りに走る。途中から60号線を北上するが、幅員は狭くヘアピンカーブが延々と続く剣呑な山道だ。それに台風の置き土産の枝や石などがゴロゴロ散乱しているので一時も気が抜けない。

 やっとのことで井川湖を通過、畑薙ダムの臨時駐車場に辿り着いたのは8時過ぎ。残念ながら始発バスは逃してしまった。400Km近く、それも半分は山道でハンドルを握り続け、肩はバリバリ、目はしょぼしょぼのグロッキー状態だった。山に入る前に、この日一日分のエネルギーを使い切ってしまったようだ。


畑薙の臨時駐車場はガラガラ


 9時の送迎バスに乗り込み椹島には定刻通り一時間で到着。少しでも遅れを取り戻そうと、手早く支度して歩き始めた。時刻は10時15分。林道をショートカットし登山口へ。鉄製の階段を上ると、のっけから杉林の急登だ。高い気温に大汗をかきながら2時間近く歩き続け、やっと樺段に着いた。感覚的には半分くらいは消化したつもりだったが、5万分の1地図を見れば歩いた距離はたったの2センチでがっくり。まだまだ先は長い。


赤石岳への登山口



のっけから急登


 さらに1時間15分汗をかくと、突如、椹島4/5赤石小屋の標識が出てきた。1/5~3/5の標識もあったはずだが、見逃したらしい。ホームグランドの丹沢大倉尾根(別称馬鹿尾根)もそうだが、この大倉尾根も至って単調、愚直に高度を稼がせてくれる。樹林帯の中で景観が望めるわけでもなく、奇岩巨石の類があるわけでもない。ひたすら足元を見つめながら一歩一歩足を前に進めるだけだ。その代り、苔むした木々や岩が、日本庭園のような趣で目を癒してくれる。


日本庭園を散策


 午後2時45分、赤石小屋に到着。ここから赤石岳避難小屋までは更に3時間を見込まなくてはならない。午後3時前には目的地到着という夏山の行動原則を守り、本日の行動はここで打ち切ることに決めた。


赤石小屋に到着


 小屋前のベンチに座りお決まりのビールを飲みながら、翌日の行程を考えたりしてまったり過ごした。夕食は避難小屋泊まりのつもりだったので担いできた火を使わない調理器。モーリアンヒートパックでレトルト食品を加熱する。水に反応する発熱材で高温の蒸気を発生させる仕組み。お手軽の上、とても軽量で年寄に優しい調理器なのだ。居合わせた他の登山者も物珍し気に観察している。


これは実用的だった 災害時にも十分使える


 夕食の後もウイスキーをちびちびやりながら外で過ごし、早々と就寝した。


行動時間  4時間30分


翌日へ


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