大室山  神奈川・山梨県 1588m   
   
  
 

201053

こも混雑するゴールデンウィークであるが、トレーニングがてら近場の山に出かけることにした。選んだ先は西丹沢の大室山。若かりし頃、毎月のように通った丹沢なのに、この山だけは訪れたことがない。顔とも言える丹沢山よりも標高が高いにも関わらず、である。奥箒沢から犬越路経由で大室山に登り、そのまま尾根道を周遊して40年ぶりの畦ヶ丸に寄ってみることにした。

東名高速の渋滞を避けるため未明の3時に自宅を出たが、流石にゴールデンウィーク、この時間帯でも多くの車が下り方面に向かっている。大井松田ICで高速を降りてからは、行きかう車もなくスムーズに奥箒沢の西丹沢事前観察センターに到着できた。この調子なら、流石は西丹沢、連休中でも静かだと期待したが甘かった。5時に林道を歩き始めたとたん、いきなり谷合を埋め尽くすテントの大群を目の当たりにすることに。昨冬檜洞に登ったので、この辺りにキャンプ場があることは承知していたが、かくも盛況とは。40年前にはオートキャンプという言葉すらなかったっけ、隔世の感がある。



こんな感じで車とテントが延々と続く


用木沢出会いでようやくキャンプ地を離れ、東海自然歩道へと入り登山道らしくなる。期待していた新緑は今ひとつ時期的に早いようで、木々の芽吹きは標高が上がるにつれて蕾となり冬景色に戻ってしまった。沢沿いの歩きやすい路の勾配が次第にきつくなると犬越路はまもなくである。避難小屋の脇を通り、さらに緩やかに登り続っていくと左手に春霞のなかから白く浮び上った富士山が見える。ここで避難小屋に泊ったらしい3人のハイカーを追い越したが、「カメラを落としましたよ」とすぐに呼び止められた。カメラケースのふたの締め方が甘かったらしい。



               新緑が現れたところ

jこ       この後カメラを落とす

単独のハイカーをさらに2人追い抜いたところで大室山への分岐に到着する。ここから大室山へはピストンで5分ほど。頂上には着替えの最中のご仁がいた。頂上周辺はフナ林で展望がない、せめて頂上の標識でもカメラに収めてと思うが、標識にはタオルがかけられている。失礼ながら撮影のためどけてもらう。聞けば頂上にテントを張って夕日と日の出を楽しんだ由。ここから分岐へ引き返して尾根道の縦走を続けた。一旦大きく下るが、後は細かなアップダウンを繰り返しつつ高度を下げていく。この辺り一帯はバイケイソウの群生があって植生保護の桟橋がかけられている。バイケイソウは芽吹いたばかりでまだ30cm程度であるが6月過ぎには1mほどにもなって白い花を咲かせるらしい。



大室山山頂(ザックはテントの人)



バイケイソウの群落

しかし、お楽しみはここまで、ここから先は味もそっけもない地味な尾根道となる。クマザサのなかの路は極めて単調、左手には鹿の防護フェンスが延々と張られていて檻の中を歩かされているような錯覚に陥る。繰り返し出てくる標識の「モロクボ沢の頭」はなかなか近づいてこない。正面に富士山が、右手の木々の合間に南アルプスらしき白い峰々が垣間見えるのが唯一の気休めか。時折高校生らしい団体さんや単独のハイカーとすれ違う。それでもゴールデンウィークにしては静かな山と言えるかもしれない。後で見たニュースによれば高尾山や筑波山は人の背中しか見えなかったらしい。富士山が正面から次第に右手に展望できるようになった頃、避難小屋が見えた。ここから畦ヶ丸まではもう一息。展望のきく頂上ではないが、木々の間から歩いてきた峰々が垣間見えている。ここで簡単な昼食をとった後、西沢出会いに向けていっきに下る。オートキャンパーが足を延ばしているのか、続々とハイカーとすれ違うようになった。標高が下がってくると緑が復活してくる。沢沿いの路沿いに陽光に輝くせせらぎと新緑の組み合わせが素晴らしい。





これが見たかった

最後に吊り橋を渡って本日のハイキングは無事終了。午後を回ったばかりの早い時間帯で渋滞に巻き込まれることもなく夕方前には自宅に帰着することが出来た。

行動時間              7時間
実歩行時間           6時間半
標準CT             9時間25分(昭文社)


Map     Track
  トップ     山歩き 
inserted by FC2 system