奥白根山  栃木・群馬県 2578m    百名山
 

  
 
2008年10月12日

 
かつて日光を訪れた際にあまりに紅葉が見事だったので、頭のどこかでこの記憶が完全に焼きついてしまったらしい。10月を過ぎると矢も盾もなく日光詣でをしたくなってしまう。何年か前、登山から離れて久しいのに、こうした固定観念に突き動かされて秋の奥白根山に登ったことがある。久しぶりの山歩きにすっかりヘロヘロになってしまったが、素晴らしい紅葉を思い切り堪能することが出来た。こうした思い入れがあるので、百名山を目指すにあたり迷わずこの山からスタートすることにした。

 
阿弥陀池
(カメラの日付設定が誤って1年前になっている)



 週間天気予報をチェックして週末の晴れ間を確認、前の晩は早めに就寝する。朝4時前に自宅を出発、東北自動車道、日光道とスムーズに乗り継いで菅沼の登山口には6時に到着した。まだ薄暗いというのに、すでに多数の車がとまっている。菅沼新道の登山口に近い奥のスペースは満杯なので、茶屋の近くに車をとめた。新調したばかりの登山靴を履いて歩きだす。しばらくはまばらな林のなかの緩い登りである。 ところどころ紅葉が見られるものの、あまりぱっとしない。それでも高度を上げるにつれて時折見事な紅葉が現れてきた。素晴らしい四季の移ろいに恵まれた日本に生まれて良かったとつくづく思う瞬間だ。




 


頂上より

  樹林帯のなかのジグザグの登りは長くは続かない。道は次第に緩やかになり、奥白根山のごつごつした岩肌を映す弥陀ヶ池が現れてくる。まだ朝日が差さないせいか寒々とした印象である。畔の紅葉を楽しみつつ勾配のきつくなった道を進む。 天気は最高だが、強い北風が背後から吹きつけてくるので寒い。 足元には霜柱もあって流石2500mを越える山だ。下界はまだ夏の気配が残っているのに。砂礫や歩き辛い岩場が連続する道を進み9時に奥白根山頂に立った。眺望は文句なしに素晴らしい。残念なことに目に入る山々にまだ馴染みがないので近くの男体山くらいしか同定はできない。眼下にたたずむ五色沼や阿弥陀池や紅葉が目を楽しませてくれる。



 景色を堪能しながら、コンビニのお握りで簡単な昼食を摂る。そのうちに続々と登山者が上がって来て山頂が騒がしくなってきたので、そろそろ退散しよう。下山ルートは前回と同様に五色沼から金精峠を経由して菅沼に戻る周回コースとした。 そのまま額に入れれば絵になるような五色沼の景観は相変わらずで、あらためて感激する。黄色をベースにした紅葉が格別に見事だった。



五色沼の紅葉



 湖畔でしばらく佇み景色を目に焼きつけた後、再び尾根筋へと戻る。急坂を五色山へと上り返し、金精山へと向かう。前回はこの下りで完全に足が棒になってしまった。今回はダイエットによる減量が功奏したのか、朝のウオーキングの効果か、足取りは軽い。右手に時折見える金精道路を眺めながら樹林のなかの単調な道をひたすら下ると、やがて金精峠に着いた。ここからまたしばらく下っていくとやがて道は国道120号と平行するようになる。しばらく笹の生い茂る道を進み、出発点の菅沼茶屋に帰着した。車のなかで着替えた後、みやげ物を物色し筍の漬物とメンタイコウ入りのチーズを買って一路東京へと帰途に就く。自宅には日暮れ前に帰着することが出来た。久しぶりの紅葉に気分も高揚の山歩きだった。

 
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