乗鞍岳BC               百名山
 


2016
1月21日(木)


 山を歩く前にはインターネット自然研究所のライブ映像を必ずチェックしている。そのうちの一つが「乗鞍高原から見た乗鞍岳」。この映像からBCエリアにおける凡その積雪や藪の状況が推定できる。左下にある案内板が一つの目安。見る限り足元がすっかり埋まっているので、ようやく例年並みの積雪量になったようだ。他地域よりも比較的天気が良さそうなので、2年ぶりに乗鞍岳を歩くことに。

 いつものように
Mt.乗鞍スキー場のやまぼうしリフト前の駐車場に車をとめる。平日のせいか先着の車は数台だけと閑散としたもの。午前830分きっかりに稼働を始めたリフト3本を乗り継いでスキー場最上部へと移動する。


新雪で真っ新なツアーコース


 期待していた通り、ツアーコースはここ一両日の降雪ですっかりリセットされていた。正面奥に見える壁の藪も殆ど気にならない。早速シールを貼ってハイクアップスタート。もちろん自作のヒールリフターも忘れない。



 雪面は強い風にパックされ、せいぜい足首程度の軽いラッセル。アイスバーン状態だと苦労する壁も新雪のお陰で難なく越えることができた。その後は気楽な一人旅。後続者もおらず、振り返ってみればツアーコースの切り開きには自分がつけたトレースが一本、くっきりと続いているだけだ。


帰路はこのトレース上をボブスレー



山頂付近には雪煙が舞い風が強そう



雪が深くなってきた


 青空の下に姿を現した剣ヶ峰をモチベーションに、黙々と足首から脛ラッセルに励む。位ヶ原との分岐を過ぎるとツアーコース最後の急斜面。ジグザグに登って位ヶ原へ出るとそこは毎度お馴染み、強風吹き荒れるウインドクラストとシュカブラの世界だ。


位ヶ原までもう一息



 西風は摩利支天岳と朝日岳の鞍部で増幅されたかのように、盛大に雪礫を巻き上げながら襲いかかってくる。そんな時は視界もゼロ。立ち止まり耐風姿勢を取らされることもしばしばだ。



 そんな爆風に抗いつつハイクアップを続け、肩の口小屋に着いたのは
1225分。ここで正午を回ってしまっては、安全登山の目安にしている午後1時までの登頂は100%不可能だ。単独ラッセルに思いのほか手間取ったのが敗因。マイ・ルールに従い、迷わず今日の登行はここまでとする。


 小屋の風下でシールオフし滑降準備。それにしても凄まじい寒気だ。グローブをしていても手がかじかんでもたついてしまう。いざ滑降を始めると推進力は重力よりむしろ背後からの風力と言った感じ。

 途中で摩利支天岳方面に向かっている単独スキーヤーの姿が見えた。彼も時々立ち止まっては強風に耐えている。そんなことに気を取られたせいか、往路を辿るつもりなのに気が付くとかなり北に逸れていた。

 スマホ
GPSで位置確認をしようと取り出すと、開けたのは初期画面だけ。体温で温めていたはずが、余りの寒気にその後は機能停止してうんともすんとも言わない。

 凡その位置関係はわかっていたのでトラバース気味に滑降してツアーコースに戻ろうかと思ったが、酷い藪漕ぎを強いられ断念。結局シールオンして登り返し自分のつけたトレースに戻る羽目になってしまった。


U字溝と化したトレースを滑降


 先ほどのスキーヤーは早々と下ってしまったようだ。ツアーコースにはシュプールが一本残されていた。再びシールオフし下山開始。ウインドパック、パウダーと雪面の微妙な変化に戸惑いつつも滑降を楽しみ、午後
2時、無事スキー場に帰着した。


行動時間  
5時間


後記 

 スマホ
GPS(DIY GPS)は大画面で見やすく便利だが、動作保証は0℃以上。懐で多少温めた程度では、厳冬期の凍てついた環境下で使用するのはやはり無理のようだ。それとタッチパネル方式は指先に導電性を持たせたグローブであっても操作性に難があるし、ましてやかじかんで感覚の無くなった指先には全く馴染まない。

 やはりアウトドアに特化したボタン式
GPSでなければ使い物にならないということか。またなけなしの諭吉さんに羽が生えてしまいそう。。。


  
Map
 Track Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system