2013年10月17日(木)
前回の山歩きから早くも半月が過ぎた。秋晴れの日に限って野暮用があったり、台風が来たり、風邪をひいて体調を崩したりで気がつけば、10月も後半に入ってしまった。
台風一過、GPV気象予報によれば中部山岳では雪になるらしい。今シーズン初の雪景色とあわよくば紅葉も楽しもうということで日光白根山に行くことにした。この山は還暦を目前にして山歩きを再開するきっかけになった特別に思い入れのある山だ。過去3回、秋と冬に訪れているが一度も期待を裏切られたことがない。いずれもお手軽な菅沼登山口を利用していたのだが、今回は趣向を変えてちょっと標高の低い湯元を起点にしてみた。それともう一つの試み。雪道を歩けそうなので、新調した冬靴の慣らし運転も行うつもり。
午前6時半過ぎに湯元に到着。雨上がりの公営駐車場に車を駐めた。紅葉シーズン真っ盛りの観光地なのに時間が早いせいか、閑散としている。
身支度とトイレを済ませて6時50分に出発。温泉街を抜けて山道へ入る。この中ツ曽根コースは少々荒れ気味。人気が無くて余り踏まれていないのか、それとも前日の台風の影響があるのだろうか。
登山道入口 紅葉は完全に期待はずれ
最初はだらだらした登りが続くが、そのうちこれでもかという急登になった。雨で所々ひどく泥濘んでいるし、濡れた根っこが滑りやすいので気を抜けない。背丈ほどもある段差がいくつもあって、乗り越えるのに一苦労する。
尾根筋に出るとさしもの急登も一段落。それまで、ちらほら舞う程度だったあられ混じりの雪が時折激しくなる。周囲の景色も最初のうちはまだら模様の雪化粧だったのが、そのうち白一色となった。
白いものがチラホラが、、、 すぐにこんな状態に
登山道を覆い隠すほどに茂った笹の葉にたっぷり雪が乗って、まるでラッセル状態。ストックで雪を叩き落としながら前進するが、べたべたの湿雪なので身にまとわりついて始末に悪い。それでも久しぶりに眺める雪景色に気分は最高。氷の衣装をまといガラス細工と化した草木が何とも美しい。
ここを通り抜けるのだ すっかり冬景色
これまで誰とも出会うことがなかったが、国境平に着くと、金精峠からと思われる先行者の足跡が付いていた。この足跡を追って黙々と登り続け、ほどなく標高2379mの五色山に到着。
ガスで展望ゼロの山頂は素通りして阿弥陀ヶ池へと向かう。この辺りから天候が徐々に好転、ガスの切れ目から青空が覗くようになった。眼下に五色沼が見え隠れするようになったのと同時に、ガスのなかから突如薄く雪化粧した白根山が浮かび上がってきた。この小にくい演出に大感激。今回もまたお山は期待に応えてくれたのだ。
いきなりガスが切れて白根山が姿を現した
五色沼 全貌が見えた
阿弥陀ヶ池からはいきなり人の気配が濃厚になる。菅沼登山口からの沢山の足跡を追って残り300mの急登。かつて歩いた冬のルートをチェックしながらゆっくり登り、11時30分に山頂に着いた。山頂は、どこから湧き出てきたかと思う程人で一杯だった。これまで人っ子一人会うことがなかったのが嘘のようだ。
寒々とした阿弥陀ヶ池 紅葉が終わる前に冠雪
もはや芸術の域と言いたい見事な樹氷
山頂を望む
阿弥陀ヶ池が小さくなって、、、 山頂に到着
人ごみの山頂を少し外して景色を眺めながらのランチタイムとする。雲が多くて眺望は女峰山や男体山など近場に限られているが、それでも十分やって来た甲斐があった。
目と腹が満足したところで下山開始。帰路は前白根山経由にするつもりなので避難小屋に向かって下る。10月の雪はやはり儚くも淡い。南東を向いた斜面の雪は殆ど残っていない。
下山開始 秋へと季節は逆戻り
赤く熟した実をつけたナナカマドに本来の季節を感じながら避難小屋に到着。ここから150mほど登り返して前白根山山頂へ。このルートもいたって静か。出会ったのは犬連れのハイカー一人だけだ。
雪の消えた五色沼 避難小屋
男体山と中禅寺湖
女峰山
しばらく晩秋の雰囲気の漂う尾根をのんびり下っていくが、外山との鞍部を過ぎると中ツ曽根ルートに輪をかけた激下りが始まる。
雰囲気の良い尾根道が終わると、、、 激下りの始まり
北面で雪が残っているのでさらに始末が悪い。大きな段差にアスレチックを強いられたり、尻餅をついたりしながら、急下降を続ける。いい加減勘弁してくれと音を上げたくなる頃、治山工事中の堰堤が見えてきて激下りもカウントダウン。最後は湯元スキー場のゲレンデを通り抜けて、2時40分に駐車場に無事帰着した。
湯元スキー場 今回テストした冬靴(Spantik)
ちょっと不安だった冬靴の試し履きの成果もまずまず。下りで右の足指が痛くなる問題はあるものの、靴擦れに悩まされることもなく一応使えることがわかって一安心。完全に足に馴染むよう、もうひと工夫してみよう。
行動時間 7時間50分
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