根子岳BC  長野県 2207m         


2012
313

 前回の四阿山BCでは、スキー操作がままならない雪質に手も足も出なかった。これは偏にスキー技術が未熟なためだろうか。悔しいので31日から3日まで菅平の気温変化をちょっと調べてみた。使用したツールはTenki.jpの過去天気。12ともに、昼間の気温は零度を上回っている。なかでも1日午後の気温は5度近い。これに対して、登山当日の3は終日零度以下であることがわかった。もちろん山頂近くとの標高差を考慮に入れなければならないが、前日、前々日の陽気で一旦融けた雪の表面が再凍結した可能性が大きい。俗にモナカ雪と称されるベテランも苦戦する悪雪、私ごとき下手くそは転びまくる訳だ。

 それならば違う気象条件を選んで再チャレンジしてみようと、前回あれほど凹んだのにも関わらず、未熟を雪質のせいにして再び菅平へと向かうのだった。但し立木との衝突は懲り懲りなので、あまりツリーランをせずに済む根子岳にした。我ながら軟弱ではありますが。

 今回は雪上車の圧雪した路を極力避けて、降雪直後の非圧雪エリアを登下行しようと決めた。菅平の天候をきめ細かくチェックし、前日にかなりの降雪があったと推定される日を選んだ。いつものように深夜に自宅を出発、午前
6時半に奥ダボススキー場に到着した。どうやら一番乗りらしい。すぐに身支度を開始。その間にもう一台やってきた。降りてきたのはスノーシューの二人組だ。

 
7時きっかりに車を後にする。この時間リフトは運転を開始していない。作業中の雪上車の邪魔にならないようにゲレンデの一番右端のコースの未圧雪部分を歩く。シールが小気味よく利いて30分ほどでリフトの降り場に着いた。ここからは出来るだけ圧雪路から離れることを意識して右側の谷合に近い林間にコースを取る。


            右端のゲレンデを登る                          トレースを振り返る



根子岳の山頂は雲のなか


 見事な樹氷に陽光がきらきらと反射して例えようがないほど美しい。高度が上るに連れてスキー場ゲレンデでは
15cm位だった新雪が、次第に厚みを増してきた。踝ぐらいのラッセルが、日陰に入ると脛から深いところでは膝までとなる。ラッセルは決して楽ではないが、雪山を歩いていることが実感できて楽しい。それに脈拍を自らの年齢相応の適正有酸素運動の範囲内、120前後に抑えていればそれ程疲労も感じないで済むのだ。


              何度も振り返る                              正面はまっさらな新雪



ガラス細工のような樹氷


 密な樹林を避けてやや開けたところを選んで行くと自然と前回はパスした避難小屋に行き着いた。この頃から除雪車の轟音が聞こえるようになってきたが、樹木や起伏に遮られてその姿は見えない。避難小屋を過ぎると勾配が一段と増してきた。ここでクライミングサポートを最上段にセット。一歩足を出して体重をかけるとスキー全体がズブッと沈み込む。しゃもじのような形状のロッカーでもこれだけもぐるのだから、つぼ足であれば太腿辺りだろうか。


             雪に埋もれた避難小屋                       次第に深くなるラッセル跡


 やがて圧雪コースに合流。ここを
50mほど歩いてから再びオフピステへ突入。山頂へ直行するコース取りで進む。深い雪としばらく格闘して、ようやく山頂前のスノーキャット反転スペースに着いた。山頂へと向かうトレースは全く無い。早起きした甲斐があった。やった!今日も一番乗りだ。


               菅平を振り返る                           直線的に山頂を目指す


 山頂の南側を巻くように林間コースをラッセルして最後の急坂にかかった。ジグザグに登るが方向転換が容易ではないし、シールではどうしてもずり落ちてしまう。私の実力ではこれが限界だ。スキーを外してつぼ足でラッセルする。
10時に頂上に立った。今日はリフトを使わず、ラッセルもしてきたので頂きまで3時間もかかってしまった。


           山頂直下の急坂をつぼ足で登る                     またやってきました



山頂より菅平方面を眺める


 しばらく休憩していると、見る見るガスが湧いてきて視界が閉ざされてしまった。それでも構わない。今日は山頂は付け足し、これからが本題だ。シールを外したりヘルメットをかぶったりと滑降の準備をしていると、後続のスノーシュー組の
2人が追いついてきた。

 
1030分に下降開始。山頂直下の急斜面を何とかやり過ごして再び林間コースを抜けて行く。雪上車の反転広場に戻るとスキーヤーが大勢いた。スノーキャットでやってきたらしい。ここから圧雪コースを滑っていけばあっという間にゲレンデだが、それでは練習の意味が無い。

 自分がつけたトレースを目安にオフピステのパウダーに突入。雪は重いが底着きの無い浮揚感はたまらない。へっぴり腰でもそれなりにスキーが回ってくれるので嬉しい。避難小屋まで下りたところで稚拙なお絵描きは終了。その後はコースと付かず離れず、それでも出来るだけ未圧雪エリアを選んでゲレンデに滑り込んだ。

 格好はともかく今回は一度も転倒しなかったのは我ながら上出来だ。駐車場帰着は
1055分。それ程疲労感も無く時間も早いので3時間券を買ってゲレンデで遊ぶことにした。根子岳からの滑降もまずまずの結果、さらにおまけで平日の空いたゲレンデを思いっきり楽しみ、大満足の一日でした。


行動時間 3時間55
登行時間 3時間
下降時間 25


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