鍋倉山BC  長野県 1289m             
 


2016
2月1日(月)


 昔の仕事仲間との毎年恒例のスキー&温泉旅行。今年は野沢温泉に行くことになった。このチャンスを逃す手はないと、半日を割いて近くの鍋倉山を歩くことにした。この山は今回で6回目。概ね様子はわかっているつもりだったが、それは雪山を甘く見たとんだ思い上りと後で思い知ることになる。雪が少なければ少ないなりに状況の変化とリスクがあるのだ。

 午前
730分、温井集落の除雪最終ポイントに到着。先着は群馬ナンバーの車が一台だけだ。私と入れ替わりにその車から二人組が出発していった。私も手早く身支度を終え、小雪の舞う中彼等の後を追う。時刻は8時ちょっと過ぎ。


               雪が少ない                              小川も埋まっていない


 例年、乗り越えるのに苦労する高い雪壁は影も形もない。左手の雪原(雪が無ければ田圃か畑?)にはあちこち藪がのぞき、民家近くの小川にはサラサラと水が流れている。この雪原を横断し林道沿いにハイクアップして行くのがいつものコース。しかし今年はちょっと様子が違うようだ。トレースは真っすぐ正面の林に向かって延びていた。有難くこのトレースに便乗させてもらったものの、林の中はやはり藪が煩い。帰路は別ルートと決める。


           藪をかきわけながら登行                           鍋倉高原に出た  


 林道をショートカットし、鍋倉高原に上がった後は、いつものコース取りで三角屋根の田茂木小屋へと向かう。小屋の裏手の沢は全く埋まっておらず、これも暖冬の影響か。


          やはり小川は埋まっていない                          田茂木小屋


 先行の二人がラッセルしてくれたおかげで労せず急坂を登り上げ、尾根筋に出ることができた。尾根の下部は藪が濃いが、高度が上がるつれ、雪と氷の華を纏ったブナの疎林となり、藪はそれほど気にならなくなった。


              まだ藪が煩いが、、、                           次第に疎になり、、、



ようやく快適に


 いよいよ山頂が近づくと再び藪攻撃、枝をかき分けるようにして登る。
1050分、1年ぶりの山頂に立った。群馬の二人組の姿は既に無く、北斜面に降りたシュプールだけが残されていた。


山頂間近


 寒くて展望も無い山頂に長居は無用。さっさとシールオフして私も滑降を開始する。山頂からまずは南尾根の藪を避けて山頂直下のくぼ地を下った。この辺り、重い新雪が吹き溜まっているようで、深く沈み込み、期待していたほどにはスキーが滑らない。


山頂 これほど藪が出ていたっけ???


 視界不良のなかで段差に気が付かず、一度ならずバランスを失って転倒。深くて重い雪に手足を取られ起き上がるのも一苦労だ。尾根沿いに往路を辿るつもりだったのだが、そんな状態でトラバースに悪戯に時間を費やすばかりで中々尾根に戻れない。

 そんな時、薄っすらと残っていた前日のシュプールを発見。南北の尾根の間にある沢へ向かって滑り込んでいる。遅々として進まないトラバースを続けるより重力に身を委ねた方がましと、ついふらふらとつられて私も沢を降りてしまった。

 初冬や小雪時の常、案の定、沢は完全に埋まり切っていなかった。沢床にはマンホールがあちこち口を開けており、ザーザーと激しく水が流れている。これでは沢下降は諦めるしかない。

 仕方なく数十メートル下にぱっくり口を開けた沢を見下ろしながらの危ういトラバース。しかも新雪がたっぷり積もったかなりの急斜面。雪崩たら一巻の終わりと冷や汗をかきながら慎重に歩を進めた。

 その後は一層密度を増した藪との格闘。横滑りや斜滑降、キックターンを繰り返しながらの下山となった。田茂木小屋からは消化試合。鍋倉高原のラッセル跡を緩々と滑り降りる。初っ端の林道ショートカットはパス。遠回りになるが林道をゆっくり滑って除雪地点に無事帰着した。先行の二人組は北斜面を登り返しているのか、まだ戻っていなかった。

 今回は、他人のシュプールに惑わされるは、埋まっていない沢に降りるは等々、
BCスキーの「べからず集」に反することばかり仕出かして己の未熟さに凹みまくり、肝心の滑りも余り楽しめずで不完全燃焼。そんな訳で、その足で野沢温泉スキー場に向かい、年甲斐もなくリフト終了時間まで滑りまくってフラストレーションを解消したのだった。


行動時間  
4時間20



  
Map
 Track Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system