2015年1月24日(土)
冬型気圧配置が緩むチャンスを狙い、今回で5度目となる鍋倉山へ。低山ながら豊富な積雪量とブナの美林を縫う快適なツリーランが気楽に楽しめるのでついつい足が向いてしまう。過去の記録を振り返ると何と1年前の同じ日にも訪れていた。
午前8時前にいつものように温井集落の最終除雪地点に到着。先着は滋賀県と東京ナンバーの車が2台。皆さん出発の準備に余念がない。
8時15分、シールオンして車を後にする。積雪量は例年よりも明らかに多いようだ。いつも茶色の建物の裏手から簡単に雪原に上がれるのが、今年は高い雪壁が立ち塞がっていて様変わり。滋賀県からのパーティがその壁に階段を造成しようとえらく苦労している。時間がかかりそうなので、私は右手の除雪車転回跡から回り込んで一足先に雪原に出た。
裏手の雪原に上がるのにひと苦労 積雪量は今までで一番
雪面は新雪でまっさらな状態で動物の足跡以外にトレースは全く見られない。うっかり先行してしまったことを秘かに後悔するが仕方ない。後発パーティが追いついてきたらすぐにラッセルをバトンタッチしてやろうと、覚悟を決めて歩きだす。
登り返しのないように注意しつつ、 首都大学小屋に
ラッセルは脛レベル。息を切らしながらせっせと道を切り開いていく。田茂木池の平原には微妙なアンジュレーションがあるので、帰りに出来るだけ登り返しせずに済むようにルート取りに気を遣う。
三角屋根の首都大学小屋からはいよいよ急登の始まり。ここから南東尾根の稜線までのラッセルが一番辛かった。大汗をかきながらキックターンを繰り返し、ジグザグに登って行く。尾根筋に出るとようやくさしもの急登も一段落。雪も締まり、ラッセルはせいぜい足首と楽になってきた。
急登のラッセルに汗を流す そのご褒美か、天気も回復
重く立ち込めていたガスもいつの間にか消えつつある。上空には青空が広がり、黒倉山から関田峠へと続くスカイラインもくっきり。ここまで来たところでようやく待ちかねた援軍到着。追いついた4人パーティにラッセルを譲る。しっかり踏み固めたトレース上を歩くのは何と楽なことか。
ようやくラッセル交代し楽に 青空の下、稜線の白さが眩しい
山頂が近くなると、いつものように美しい樹氷の森が歓迎してくれる。抜けるような青空を背景に陽光を受けた氷が光り輝いている。何度見ても感動する幻想的な光景だ。
幻想的な樹氷の世界
山頂到着は10時45分。お馴染みの北信5岳も勢ぞろいしてお出迎えしてくれている。さてここからどうするか。当初、北東斜面を標高差200mほど滑って登り返すことを考えていたが、新雪が結構積もっているのでラッセルが深くて大変そう。今日は想定外の単独ラッセルをたっぷり強いられたのでもう腹一杯だし。。。イージーな方向への決断は早い。結局往路歩いた南東尾根を素直に滑り降りることにした。
北信5岳
せめて4人パーティよりも先に滑降を開始し、ファーストトラックを頂くことにする。実際に滑り出すと、斜度はそれほどでもないが、雪質が申し分ない。新雪のスプレーを撒き散らしながら、最高のパウダーラン。感動を反芻するかのように途中休み休み滑り降りたにも関わらず、下山に要した時間は25分足らず。鍋倉山は今回も期待を裏切らなかった。今回もごちそうさまでした。
最高のパウダーラン
行動時間 3時間15分
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