2013年1月29日(火)
正月明けの白馬乗鞍から3週間余りのブランクを経て、久しぶりに近場で山歩きを楽しんだ。実は日頃から酷使して痛めていた膝に痛風が追い討ちをかけて、自宅謹慎を余儀なくされていたのだった。ようやく回復して階段の昇り降り程度は普通に出来るようになると、もうじっとしていられない。屈伸運動をするとまだ疼痛があるのだが、山のフィトンチッドを浴びたくてリハビリがてら自宅から2時間ほどの三ツ峠山に出かけることにした。
中央道を都留ICで降りて市内から憩いの森へと向かう林道に入ると、予想外に雪が多い。轍が深くてスタッドレスを履いた私の車でも先に進めなくなったので、適当なところでUターンして路肩スペースに車をとめた。
身支度を整えて6時35分に出発。たった3週間なのに久しく山を離れていた気がする。そのせいか東京では経験できない身の引き締まるような寒気が理由もなく嬉しい。
しばらく緩やかな林道歩き。憩いの森に入ると正面に三ツ峠山の山頂が見えてきた。コブが三つ連なっているが、これらは開運山の手前にある屏風岩などの岩峰だろうか。小さな橋を渡って木立のなかに入ると、そこがガイドブックにある達磨石だった。大日如来云々のうんちくを記した看板があったりしていかにも信仰の山らしい。
憩いの森から三ツ峠山を望む 橋を渡って登山口へ
達磨石 登山道へ
この先からいよいよ登山道がスタートだ。朝の寒気で雪はカリカリに凍結しているが、足元はしっかりしているのでアイゼンをつける程ではない。膝の調子を確かめながら、何時もよりゆっくりしたペースで歩を進めた。
道は良く整備されていて、かつ緩勾配でとても歩きやすく、膝に優しいので助かる。それでも馬返しを過ぎると勾配は少しきつくなった。膝を労わりつつスローペースで登って行く。
絵に描いたような冬富士が次第に姿を露わにして、ついに股のぞきで全面公開。真っ白な、あまりに秀麗なるお姿を前に、股から覗くような失礼は遠慮しておく。
富士山が見えているのだが。。。 どこまでも歩きやすい道
道はやがて緩やかになって岩峰を左から巻いていくようになる。シュリンゲなどの残置物がある岩登りのゲレンデを通過。平日のせいかクライマーは誰一人いない。
八十八躰供養塔 ズラッと並ぶお地蔵さん
山頂まであともう少し 山腹を巻いていく
登山道に面して大きな氷柱が何本か垂れ下がっている壁があった。昼間温度が上がると崩壊するようだ。足元を見れば氷の残骸が登山道を埋め尽くしている。直撃を受けたりしたら一大事なので急いで通り過ぎた。
大きな氷柱 登山道に散乱する氷柱の残骸
最後の急登に差し掛かると大きなカモシカがのっしのっしと頭上10m先を登っていた。この動物はシカの呼称は付いてはいるものの、シカとは科が異なり牛の親戚らしい。あらためて至近距離からながめると、その重厚な体躯から十分納得できる分類だ。
いよいよ山頂が近づいた。四季楽園へ向かう登山道へは進まず、休業中の富士見小屋へと向かい、その前を素通りしてアンテナの林立する開運山に登頂した。山頂には先客が一人。御坂の登山口から登ってきたとのこと。
三ツ峠山山頂にて 先客のハイカー
これが見たかった
南アルプス
八ヶ岳
北アルプス
御巣鷹山、背後は奥秩父の山々
アンテナ群や反射板が目障りだが、それを割り引いても360度の素晴らしい大展望だ。富士山は言うに及ばず、白い屏風と化した南アルプス、白い粉をまぶしたような八ヶ岳、さらにその隣には北アルプスも遠望できた。
大パノラマを楽しんだ後は早目のランチとする。日当たりは良いし風も弱いので快適だが、それでもじっとしているとやはり寒い。あまり長居はできず、単独氏を追うようにして私も下山開始。下りは滑りそうなので四季楽園前のベンチで軽アイゼンをつけた。
心配の種の膝、下り坂では4倍の負担がかかるというが、何とか持ちこたえてくれそうだ。ゆっくり急がず確実なスタンスを選んで休まずに下った。
11時45分に車に帰着。今回行き合ったのは結局単独二人だけで静かな山歩きを楽しむことができたし、何よりも膝の試運転に成功できたのは大きな収穫だった。この分なら山スキーに早期復帰ができそうだ。
行動時間 5時間10分
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