2016年2月13日(土)
日本海側を通過する低気圧の影響で列島には南風が吹き込み、2月としては有り得ない陽気。2000mを越える山岳地帯ですら雪ではなく雨模様とか。しかし、これも修行の一つと割り切り、スキーの師匠、群馬のKさんにご一緒させてもらうことになった。向かう先は、妙高三田原山だ。
早朝、杉の原スキー場に集合。最上部へ向かう三田原第三クアッドリフト稼働まで間があるので、師匠の下、オフピステの特訓を行う。雪は案の定、大そうな腐れぶりで私の足前ではとても太刀打ちできそうにない。標高差1200mにも及ぶ、こうした悪雪の滑降に一抹の不安を抱えながら、9時35分、シールを貼ってハイクアップを開始した。
ハイクアップ開始
妙高もご多分に漏れず平年よりも積雪量が少ない。すぐ先にあるトラバース要注意の沢も例年とは様相が異なり、Vの字のまま。藪も露出していて雪崩の危険は全く感じられない。
雪崩要注意の沢の現状
滑りはともかく、登りはシールが良く効き、ラッセル不要の楽ちんハイク。途中、スキー、スプリットボード混成の3人組を追い抜き、順調に高度を上げていく。
ラッセル無しの楽ちん登行
黒姫山は真っ黒 今シーズンは無理かな
それにしても冬山とはとても思えない気温の高さ。堪らずアウターを脱ぎ、ミドルやインナーの前を大きくはだけるが、それでも汗が噴き出てくる。
ダケカンバ帯を登る
野尻湖を眼下に気持ちの良いハイク
ダケカンバの疎林の中をジグザグに登ること1時間20分で外輪山の稜線に立った。目の前に聳える妙高のご本尊は、ごつごつと厳つく相変わらずのど迫力。雪が少なく岩が剥き出しなので尚更そう見えるのかも知れない。
眼前に聳える妙高山
三田原山方面にはガス
高妻山、乙妻山方面
外輪山沿いに三田原山の山頂まで足を伸ばす腹案もあったが、ガスも湧き出しているし天候悪化は時間の問題、ピークハントはまたの機会にして下山することに。
悪雪をものともせず滑降するK師匠
11時30分、シールオフして滑降開始。K師匠は雪質、藪無関係、ピステンのかかったゲレンデと変わらない華麗なフォームで美しいシュプールを描いていく。私の方と言えば、パウダーやザラメからは程遠い深くて重い腐れ雪にてこずり、回らないスキーに額に汗して大苦戦。
オープンバーンは何とか様になっているが、、、
藪の中はもう必死
幸い上部は疎藪なのでだましだまし降りることが出来ても、立ち木や藪が密になってくると本来の実力発揮。立ち木に抱きついたり、藪で股裂きにあったりと、全身駆使の修行系スキーとなる。K師匠から色々とアドバイスを頂戴するが、体はなかなかそう簡単には反応してくれない。
激藪地帯
池ノ峰の台地まで降りることができてやれやれと思ったのは束の間、いつもは動く歩道と化し、突っ立ったままスキー場へ導いてくれる轍はどこへやら。漕いだ分しか進まない緩斜面に大汗をかかされた。
スキー場、三田原ゾーンへの帰着は12時55分。過去最長、3時間を越えるスノーハイクとなった。還暦過ぎて始めたスキー、この日のような悪雪でも自在に滑りこなせる日がいつか来るのだろうか。その前に寿命の方が尽きてしまいそうだが、老いの一徹、もう少し頑張ってみよう。
行動時間 3時間20分
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