2017年2月1日(水)
自宅から比較的アクセスの良い前武尊山。この山域には毎年のように通っているが、何故か天気に恵まれない。冬は早朝は良くても滑降時点では視界不良というのが毎度のパターン。今回初めて無風快晴の最高の山日和となり、なおかつ上州の極上パウダーを味わうことが出来た。
午前8時前にオグナほかたスキー場に到着。平日のせいか、広い駐車場はガラガラで誘導係のおじさんも暇そうにしている。いつものようにセンターハウスで登山届を提出し、8時半スタートのリフトでスキー場トップへ。
空を見上げれば完璧な青空。下を眺めれば、非圧雪のスロープは新雪に覆われ、いかにも美味しそうだ。幸いリフトは半日券、ハイクアップ前の足慣らしがてらファーストランを楽しむことにした。
新雪は20cmほどだろうか、底付きする重めのパウダーを2回おかわり。そうこうするうちにスロープはスキーヤーやボーダーのシュプールでズタズタ。そろそろ潮時と人工のスロープに見切りをつけ、ゲレンデトップへと移動する。
ゲレンデトップ リフトの邪魔にならないよう道をつける
時刻は9時30分を回っているというのに、BCに向かう人は誰もおらず、図らずもトップバッターとなる。除雪されたリフト降り場の周囲は高い壁、低い方はリフトの通り道となっており、いきなりの試練。リフトの邪魔にならないように斜めに道をつけ苦労して這い上がった。
ノートレースだが快晴の空の下、楽しいスノーハイク
山に入ると前日の降雪で以前のトレースは跡形もない。幸い雪は締まり、せいぜい足首ラッセルだ。10時20分に前武尊山山頂に到着。先行トレースがあれば、暖機運転にもならない半時間程度のコースに1時間近くかかってしまった。
燧ヶ岳が近い
昨年台座まで露出していたブロンズ像は、今年は様変わりで、腰まで雪に埋もれている。半身浴中の日本武尊に表敬した後は、シールオフし剣ヶ峰との鞍部へと移動。痩せ尾根は左側がすっぱりと切れ落ち、右側には小ぶりの雪庇が張り出している。狭い上にウインドクラストしてカチカチなので横滑りを交え慎重に滑り降りた。
昨冬より積雪は少なくとも1mは多い
川場剣ヶ峰 その奥には家の串山と沖武尊
谷川方面 白毛門から朝日岳の峰々
稜線を下り剣ヶ峰との鞍部へ
鞍部から見上げる剣ヶ峰はまるでビルのように垂直にそそり立っている。そんなビル上部の急斜面に微かにシュプールが残っていた。こんなエクストリームにチャレンジするご仁がいるとは。古希も近い爺さんスキーヤーには到底理解不能の驚きだ。
川場剣ヶ峰を見上げる
いよいよ荒砥沢へドロップイン。稜線近くはクラストしていたものの、すぐに北東斜面特産のパウダーが期待に応えてくれた。以前のシュプールが完全にリセットされたスロープを落ちて行く。気分は最高。貸し切りなのでなおさらだ。
燧ヶ岳と至仏山を眺めながら滑降開始
気持ちの良い無木立斜面
まだ落ちる
標高1750mまで下降すると、沢は右に屈曲し急に狭くなる。左岸に渡ってみたが、その先はまるで崖。急斜面となっておりとても降りれない。
沢は狭くなり右に屈曲 ここでストップ
滑降を続行するには、やはりこの喉に入る他ないようだ。しかし今日はここまで。もう少し滑降を続けたい気持ちを抑え、再びシール登行開始。滑り降りるには5分とかからないスロープ。そこを額に汗して1時間近くかけて登り返した。
前武尊の山頂にはボーダーやスキーヤー数名がたむろしていた。皆さん、これから十二沢を降りるとのことで、どうやら今日の荒砥沢は完全に私だけのプライベートゲレンデだったらしい。
再び 前武尊山頂へ 皇海山に別れを告げ十二沢へ
私もランチの後は十二沢を滑り降りるだけ。広々した無木立のスロープには既に何本ものボーダーのシュプールがつけられている。深く掘られた溝を避けて、無垢の斜面を拾いながら滑り降りた。雪質は先ほどとは様変わり。気温が上がり、かつ南東向きのせいか、抵抗のある重い雪に変わっている。リフト線下まで降りたところで、ローカルルールに従い、つぼ足でゲレンデに出た。
スキー場へまっしぐら
締め括りはゲレンデスキー。再びリフトでゲレンデトップまで登り、最下部までゆっくり流して滑りを楽しんだ。3時間強のミニBCながら最高の天気と雪に恵まれ、充実した一日となった。こんなまったり系のBCも良いものだ。
行動時間 4時間10分
|