前武尊山BC  群馬県 2040m             
 


2016
33日(木)


 荒砥沢は前武尊周辺における代表的なBCルートの一つ。昨冬訪れてみたものの、天候に恵まれず断念した経緯がある。この沢の左俣は北面に位置しているため、3月に入っても降雪直後であればパウダーが期待できるかもと再チャレンジしてみた。目論見は見事的中。入荷したての素晴らしいパウダー滑降に至福のひと時を味わうことができた。

 抜けるような青空の下、
8時半に運転を開始したリフトを乗り継いでスキー場トップへと向かう。リフト山頂は標高1826m。ここから200mほど登るだけで前武尊山頂に立てる。お手軽にBCが楽しめるということで、年寄には実に優しい山なのだ。


第6ペアリフト降り場よりハイクアップ


 
910分、シール登行開始。前日までの入山者の痕跡はあらかた新雪に覆われてしまっている。それでも薄っすら以前のトレースが残っているので、ラッセルはせいぜい踝程度。歩き始めから40分。あっけないほど簡単に前武尊の頂に立つことができた。


気持ちの良い林間ハイク



山頂近くの雪原


 一年ぶりに再会した日本武尊にまずは表敬。新雪がブロンズ像の周囲に吹き溜まってはいるものの、台座は完全に露出している。やはり今年の小雪ぶりはここでも例外ではないようだ。


日本武尊像


 空を見上げると、つい先ほどまで抜けるようだった青空にはいつの間にか霞がかかり、どんよりと灰色が濃くなっている。予報より早いペースで天気は下り坂に向かいつつあるようだ。余りのんびりもしていられないと、山頂から剣ヶ峰方向に少し下ったところでシールオフ。滑降を開始する。


川場剣ヶ峰



剣ヶ峰山 バックは谷川連峰


 密度の濃い樹間をトラバース気味に荒砥沢左俣へと移動する。眼下には藪や木々が所々顔を出している程度の真っ新なオープンバーンが広がっている。しかも全くの貸し切り状態。滑り出すと、久しぶりに味わうクリーミーなパウダーの感触に思わず顔が綻んでしまう。


樹間を抜けて荒砥沢左俣へ



パウダーラン



まだまだ落ちる


 斜度が緩む
1770mまで一気に滑降したが、快感を追い求め過ぎるとしっぺ返しを喰らうのが元野球選手ならずともこの世の常。この辺でスキーを切り上げ登り返すことに。荒砥沢左手の斜面を脛ラッセルでジグザグに登って行く。


斜度も緩んできたのでこの辺りでストップ



この先は沢幅が狭くなる


 深い雪は高度が上がるにつれ変化してきた。沢を吹き抜ける風に叩かれてクラストしている処もあるので気が抜けない。クトーを装着する手間暇を惜しんで、歩き易い雪面を選んでシールのままハイクアップを続けた結果、少々左側の支尾根に寄り過ぎてしまった。この支尾根の上部は藪地獄とはつゆ知らず。。。


登り返し 最後は藪地獄


 お陰で再び前武尊の頂に戻るのに
1時間半以上も要し、時刻は既に予定オーバーの正午過ぎ。再び速攻でシールオフし滑降開始。ガスと雪で見通しの悪い中、誤って川場谷方向に向かわないよう注意しつつ、十二沢のドロップポイントへと向かう。


十二沢を滑降


 南東斜面で日当りが良いせいか、この沢は荒砥沢と同じ山とは思えないほど立派なモナカが成長。疲れた足腰には辛い滑降となった。何とか転ばずにゲレンデに復帰し、レストハウス帰着は
1235分。いつもならゲレンデでおさらいしてから帰途に就くのだが、この日は短時間ながら内容が濃く腹いっぱいになったのでパス。迷わず下山届を提出し、花咲の湯に向かったのだった。


行動時間  
3時間25


ご参考(今年1月の雪崩遭難現場)


スキー場の掲示板より



  
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