車坂峠       
 

20148月13日(水)

 また性懲りもなく峠道にチャレンジしてきた。行き先は浅間山への最短登山口である車坂峠。毎年5月に自転車のヒルクライムレースの舞台にもなっている。元々の予定では小諸から車坂峠へ登り、嬬恋村、ロマンチック街道を経由して軽井沢へと回り、浅間山を周回して出発地へ戻るつもりだった。ところが実際に行ってみれば、峠から先はガタガタのダート道。結局往路を引き返す羽目になってしまった。

 今回はちょっとした試みもあった。スプロケットを貧脚には嬉しい
12-30Tに変更、さらに奮発してホイールも軽量化してみたのだ。果たしてその投資効果はいかほどのものだろうか。

 
早朝起点となる道の駅「雷電くるみの里」に到着。駐車場内には既に数多くの車がとまっていた。良く見れば窓ガラスには内張りがあったりして、その殆どが車中泊のようだ。この地点の標高は700m弱。早朝ということもあってやや肌寒い。

 ガス欠に備えてたっぷりの朝食を腹に納めて午前
610分に車を後にした。まずは80号線を軽井沢方面に向かって進む。やや登り勾配が連続するのでウォーミングアップには丁度良い。7Kmほど走ったところで右折、ぐるりと回り込んでチェリーパークラインに入る。ここから標高差1100m12.5Km、平均斜度8%以上のヒルクライムが始まるのだ。


          まだ交通量の少ない80号線                   看板にはこの先14Kmとあるがちょっと誇大か


 暫くは民家の建ち並ぶ坂道を登っていく。別荘のような瀟洒な建物も散見されて中々良い雰囲気だと最初のうちは余裕。しかしそんな余裕はすぐに吹っ飛んでしまった。急坂は延々と続き、さらにずっと上まで見通せるので「うへ~」と早くも心が折れそうになる。


             薄日がさしてきた                           浅間山登山道、浅間山荘分岐


 ギアはもう後が無い
30T。俗に乙女のスプロケットと称される歯車だ。か弱い女性でも激坂が登れるからだとか。。。そう呼んだ人は余程の脚力の持ち主なのだろう。私は早くも心肺機能、脚力ともにいっぱいいっぱい。息も絶え絶え、時速6~7mの歩行速度でふらふら登って行く。

 標高
1300m辺りだろうか、ヘアピンカーブが連続するようになってきた頃、背後からフラットペダルのお兄さんが追いついてきた。挨拶する間もあらばこそ、ダンシングで一瞬でかわされ、後ろ姿が見る見る遠ざかってしまった。


 再び黙々と続ける一人旅。標高が
1500mを越えると雲海を抜け出たようで陽光がさしてきた。気がつけば、辺りはすっかり高原の景観になっている。

 峠まで残り
3Kmを切ると勾配が一段ときつくなった。シッティングでは前に進まないのでローギアのままでダンシングするという軟弱ぶり。心拍数は130前後だろう。最大心拍数まで心臓を働かせても、もはや脚が限界なので無意味。心肺機能、脚力のバランスの取れる範囲で一定ペースを保ち、ペダルを回し続ける。

 
820分、80号線から1時間40分かけて浅間山登山口のある車坂峠最高点に到着した。ヒルクライムレースの起点からカウントしても1時間32分。これまで経験した峠のうちで一番きつかった。レース優勝者はここを40分少々で踏破してしまうというのだから恐れ入る。60代後半でも入賞者は1時間を軽く切るのだとか。

 私の場合、今さら記録短縮に血道を上げる「坂バカ」を目指すには齢をとり過ぎている。あくまで楽しむべきはロングライドや山岳ポタリング。こんな厳しい峠道を、ノンストップで登れただけで良しとしましょう。


            浅間山登山口                                 車坂峠最高点


下界は雲の下


 一息ついた後、次の目的地、嬬恋村に向かって下る。
ASAMA2000のスキー場を左手に見ながら快適なダウンヒル。ところが2~3Kmほど下ったところで急に道幅が狭くなり未舗装になってしまった。ごつごつと鋭角な石ころだらけの道でロードバイクにはとても太刀打ちできない。どれほどの区間が未舗装がわからないので、悔しいが浅間山周回は諦めることにする(
後で調べると未舗装は6~7Kmとのこと)


          ASAMA2000スキー場                               ここからダート道


 往路を引き返そうと再び自転車に跨って漕ぎ始めた途端失速。バランスを失って右に横転してしまった。右足のクリートがペダルに固定されていたため、所謂「立ちゴケ」だ。フロントがアウターになったまま、無理をして坂道を登ろうとしたのが原因。経験を積むには、まだまだ痛い思いをしないといけないらしい。

 再び車坂峠へ登り返してからダウンヒル開始。
8%を越える勾配では重力が風圧に打ち勝って、どこまでもスピードが出てしまいそうで怖い。ブレーキをかけやすいように低い姿勢でダウンハンドルを握っているのでなおさらだ。途中でMTB数名、ロード二人とすれ違ってダウンヒルは終了。


車坂峠と浅間山を振り返る


 再び
80号線に出て道の駅を目指す。ここも下り勾配なので恐ろしいほどスピードが出た。この道で記録した最高速度は59.9Km/H。ずっと下り基調なので殆ど漕ぐこともなく10時前には道の駅に帰着することが出来た。

 さて、肝心の投資効果はどうだったのか。結論から言うと、自転車のエンジンである脚力が全てということ。変速システムや軽量化など多少の小細工は大勢に影響ない。
28T30Tの差はギア一段分なので、坂道が劇的に楽になるのでは期待していたが、全くそんなことはなかった。

 もう一つの改善点、ホイール
500gの軽量化はウエイト5Kgに相当するとのセールストークにまんまと乗せられてしまった。大枚投じてみたものの、同一条件の下で使用前後を比較していないのでその効果は定かではない。結局、贅肉を絞り、脚力を地道に鍛えるのが一番安上がりで効果的と言うことだろう。



行動時間 3時間45
走行距離 43Km
獲得標高 1648m
平均速度 11.3Km/H
最高速度 59.9Km/H(サイコンより)


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