2725m 山梨県 | |
2016年7月7日(木) 梅雨の中休みを狙い3週間ぶりの山歩き。中部山岳のなかで比較的天気の良さそうな南アルプス、その北部に位置する小太郎山を歩くことにした。主稜線から外れているのでなかなか訪れる機会が無かったが、日本百高山の一つなのでどうしてもクリアしたいと前々から思っていた山だ。 午前5時前に芦安に到着。乗合タクシーの時刻表に始発は5時45分となっているのは建前で、まとまったお客がいれば定刻前でも車を出してくれる。この日はその恩恵に授かり、5時15分に芦安を出発、6時には広河原入りすることができた。 ビジターセンターに登山届を提出し、早速歩き始める。大樺沢の奥に聳える北岳は厚い雲に覆われてその姿は望めない。野呂川にかかる吊り橋を渡り、山道へと入ると間もなく二股と白根御池小屋方面との分岐となる。前者は帰路歩くことにして、後者へと進んだ。
このところ運動不足気味。しばらく体を動かしていなかったせいか、足が重く急坂が堪える。いつもは尻上がりに調子が上がってくるものだが、この日は絶不調。時を経るほどにアンクルウエイトの重量は増してくるばかりで、白根御池小屋に着く頃には早くもへろへろ状態だった。
燃料切れかもと思い、小屋前のベンチに腰を下ろし、早めのランチでカーボローディング。しかし、草スベリの激坂と背後から照り付ける強い日差しの前には無駄な抵抗だったようだ。動かない脚を叱咤しつつ、ひたすら忍の一字で喘ぎ登っていく。
3時間50分かけてようやく小太郎山との分岐にたどり着いた。ここから眺める小太郎尾根は、随分と標高を下げたところにうねうねと横たわっており、ウンザリするほど長大だった。北岳というメジャーな存在に背を向けて、わざわざこの尾根に踏み込むのは余程の物好きだろう。人が通わない=破線ルートであることも十分わかる気がする。
いよいよこの尾根に向かって下り始めると、体調不良に加えて、既に1400mの標高差を登ってきたよれよれの脚はもはや言うことを聞いてくれなくなった。思いっきりペースダウンし、足場を踏み外さないよう慎重に下っていく。
小太郎尾根は、踏み跡はほぼ明瞭ながら、ハイマツと岩のごろごろした痩せた稜線では紛らわしい箇所もある。また遠目には気が付かなかった小さなアップダウンが多数あり、また縦横に走るハイマツの枯れ枝を跨ぐため、思いのほか体力消耗を強いられた。
結局分岐から標準CTを上回る1時間30分かけて小太郎山に到着。山頂は地図から容易に予想できる通り、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、それに早川尾根の絶好の展望台だ。それに振り返れば北岳が威圧するようにそそり立っている。
大パノラマをおかずに本日二度目のランチ。時計を見るともう11時40分。今日の体調では標準CTキープがやっとなので、広河原まで5時間を見込まねばならない。最終バスは16時40分なのでかなり際どい。とてものんびりはしていられないと重い腰を上げ帰途に就く。
しかし焦ると碌なことはない。ピストンなので同じ道を辿れば良いだけなのに何を血迷ったのか、ガレ場に迷い込んでしまい、胸までのハイマツを漕いで登山道に復帰する羽目に。こうした時は遠回りでも引き返すのが鉄則なのにと何度繰り返しても懲りない反省がまた一つ増えた。
帰路は右俣コースから二俣、大樺沢沿いの最短コースを選び、水分補給以外休まずに黙々と歩き続ける。広河原帰着は午後3時50分。何とか最終バスには間に合ったものの、動かぬ脚に鞭打ったのと下界の暑さにやられて全身汗みずくだ。 それにしても今回痛感したのは体力の衰え。前期高齢者となって以降、止まること知らない体力低下に何とか歯止めをかけたいものだが、老いという自然の摂理にどこまで抗うことができるやら。。。 行動時間 9時間45分 見かけたお花
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