甲武信ヶ岳  2475m 長野・山梨・埼玉県      百名山
 

201372日(火)

 梅雨時の山に眺望を期待しても無理というもの、雨さえ降らなければそれで良しと割り切って夏山に向けてのトレーニングに徹するつもり。梅雨の中休み、比較的近場の西沢渓谷から甲武信ヶ岳をピストンすることにした。

 予報によれば午後は山沿いの天候が悪化とのことなので早出することにする。自宅を夜半に出発、午前
4時過ぎに西沢渓谷手前の道の駅三富に車を駐めた。途中の国道で検問に引っ掛って少々不愉快な思いを引きずって来てしまったが、山のフィトンチッドのおかげでいっぺんに気分もリセットできた。

 すぐに支度をして
430分に車を後にする。笛吹川沿いの遊歩道をしばらく歩いて、戸渡尾根コースへと進んだ。この少し奥に登山口のある徳ちゃん新道は、帰途に歩くつもりだ。


         道の駅から西沢渓谷へと向かう                         戸渡コース登山口


 いつものダブルストックを今日は思うところあって杖替わりの一本だけにしている。体を
2本のストックで支えることは、特に下山時に膝や太腿への負荷を上半身に逃がす有効な手段なのだが、ただでさえ筋力低下に歯止めがかからないのに道具に頼り過ぎるのは考えもの。今日は脚力中心で行くことにする。

 登山口からすぐにかつての木材搬出用のトロッコ軌道跡が現れた。朽ち果てた線路が切れ切れに残る緩やかな道を登って行く。殆ど水平移動してきた道はやがて沢へと降りる。錆びた鉄板の橋を渡って対岸へと渡るとすぐに尾根に取り付き、傾斜も増してようやく登山道らしくなってきた。


             沢を渡って尾根へ                                戸渡尾根


 トレーニングなので気合を入れて歩こうと思っていたのに、意気込みとは裏腹に本日は絶不調。体が重いし足がなかなか前にでない。自らに喝を入れながら、かなりの急坂を登って行く。

 景色はガスのせいで皆無。それでも上空には青空が見えるし、日差しもあるので梅雨時としては上々。贅沢は言えない。徳ちゃん新道との分岐を過ぎるとしばらくは平坦で一息つかせてくれる。シャクナゲのトンネルもあったりして、もう少し時期が早ければ花が楽しめたかもしれない。


              緑が美しい                            深い樹林のなかをひたすら登る


 ガスの切れ間から木賊山らしき高みが見えた。このピークに向けて再び急登が始まる。ここで本日初めて他のハイカーと遭遇。下山してきたのは同年輩の単独女性だ。千曲川源流遊歩道から上がって昨夜は甲武信小屋に泊ったとのこと。その後ろから顔を防虫ネットで完璧に武装した女性二人が降りてきた。

 斜度が緩むと木賊山の山頂だった。ここから甲武信ヶ岳との鞍部へ向けて
100mほど下る。樹木の無い見通しの良い下り坂、正面には目指す甲武信ヶ岳が見えてきた。


               木賊山山頂                                甲武信ヶ岳を望む


 下りきった鞍部に甲武信小屋がひっそり佇んでいた。小屋の前は素通りして山頂へ直行する、、、つもりがどうやら巻道へ入ってしまったらしい。道はだらだら登りながら山腹を巻いて十文字峠へ向かっている。結局一旦稜線に出てから山頂方向に引き返すことになってしまった。山頂到着は
8時。精一杯歩いて1500mの高度差に3時間半かかった。まだまだ修行が足りない。加齢による体力の衰えにブレーキをかけるのがやっとという感じ。


甲武信ヶ岳山頂



金峰山方面へ主稜線



鶏冠山方面だが雲がかかってどれが何やら


 山頂では相前後して登ってきたご老人ハイカーと一緒にベンチで休む。彼は小屋から三宝山をピストンしてきたとのことだ。梅雨時にしては視界はまずまず。金峰山へと続く主稜線がガスの合間から見え隠れしている。早朝は視界がもっとクリアで南アルプスも展望できたとのことだ。

 深い緑に覆われた秩父の山には岩稜だらけのアルプスには無い良さがあるとはいつも思うこと。この時期ならではの景色を愛でながら早目のランチとする。


 8
25分に下山開始。今度は小屋へ真っ直ぐ向かうルートを下る。岩混じりの急な道を下っていくと、ひょっこり小屋裏へと出た。そうか、山頂へは裏から登らねばならなかったのだ。ここから木賊山への登り返し。時折振り返って甲武信ヶ岳に別れを告げる。木賊山からは往路と同じ戸渡尾根をひたすら下っていく。勿論ストックには余り頼らずにだ。


             木賊山への登り返し                      同じところから甲武信ヶ岳を振り返る


 途中でハイカーやトレラン支度の若者と何人もすれ違う。帰路は徳ちゃん新道へと進んだ。ずっと尾根沿いに付けられた道なので見晴らしが良い。増水時のエスケープルートにもなるらしい。眼下に光る広瀬湖へ向かってどんどん下る。


             徳ちゃん新道を下山                           広瀬湖目掛けて下る


 下りきったところは西沢渓谷への遊歩道。少し寄り道して渓谷の入口にかかる吊り橋まで行ってみた。五段の滝まで周回コースを歩いてみても良かったのだが、モチベーションが今一上がらず今回はパス。回れ右して下山を続ける。


西沢渓谷の入口


 車への帰着は
11時半。束の間ながら梅雨の晴れ間にいい汗をかくことができた。次回は紅葉の季節にでも再訪してみよう。もちろん今回は割愛した渓谷巡りも忘れずに。


行動時間 7時間



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