韓国岳  鹿児島・宮崎県 1700m     百名山
 高千穂峰鹿児島・宮崎県 1574m 二百名山
  
 
20101117

 昨年の屋久島に続いて2回目の九州遠征をすることにした。屋久島のときもそうだったが11月後半は比較的天気が安定していて晴天の確率が高い。この読みが当たったと言うか、単に運が良かったと言うべきか、いずれにしても4日間の滞在中は、毎日素晴らしい好天に恵まれ、おかげで九州本土の百名山5座全てを踏破することが出来た。

 
九州はマイカーで行くにはあまりに遠い。今回立てた計画は次の通りである。

           空路鹿児島へ行き、レンタカーで霧島山へ直行する。韓国岳に登山
           鹿児島市内で一泊した後、開門岳に登り阿蘇へと向かう。宿泊は阿蘇市内
           翌日は午前、阿蘇山と午後、九重山のふた山を済ませて阿蘇にもう一泊
           最終日は祖母岳に登ってレンタカーを返却し熊本空港へ。

 結果的にはこの計画に加えてプラスαの登山や観光も楽しめたのはラッキーだった。

 午前10時過ぎに鹿児島空港に到着。すぐにレンタカー屋へと向かい最安の軽自動車を借りた。経済的であることに加え小回りが利いて、慣れない車で、かつ不案内な土地でも運転しやすい。レンタカー屋を出てすぐのコンビニで昼食を調達し、えびの高原へと向かう。天気も好いし道も空いている。快適なドライブを楽しみつつ、1時間少々でえびの高原に着いた。最初に目についた有料駐車場に車をとめたが、歩きだすと、えびのスカイライン沿いに沢山の車がとまっているではないか。ちょっと損をした気分。


             駐車場の様子                         右の立て札に新燃岳登山禁止の御触れ



 
しばらくスカイラインと平行した舗装された道を登っていくと地獄山との分岐に着く。ここから山道となるが、傾斜もたいしたことはなく歩き易い。合目標示を追ってどんどんと高度を上げると眼下に駐車場が見えてきた。振り返ると頂上部がスッパリ切れた見事な台形の山が見える。地図を見ても難しい漢字で読めない。後で調べると甑(にしき)岳と言うらしい。甑とは古代の米などを蒸す土器とのこと。きっとこの山に似た形状をしていたのだろう。課外活動の一環の登山なのか、中学生が大挙して下山してきた。躾けが良いのか皆が皆挨拶してくるので一人ひとりに応えるのが大変だ。やがて爆裂火口の外周部沿いの道を進むと頂上はすぐである。韓国岳の頂上からは噴煙を上げる新燃岳がまず目に入る。その向こうには、すっきりした山容の人間で言えば眉目秀麗といった感じの高千穂峰が聳えている。目を転じて火口の底を覗き込むと、野球のグランドにもなりそうな平地だ。余談になるが、グアテマラという中米の小国の首都近郊に、俗称グアテマラ富士という高さも形も富士山そっくりのコニーデ火山がある。若かりし頃にその山に登ったことがあるが、火口の平地部分がサッカー場になっているのを見てお国柄を感じたものだ。閑話休題。



            舗装されているる登山道                        しばらく車道と並行



            こちらに駐車すれば良かった           ユニークな甑岳が注意をひく                       



            五合目から山頂を見上げる                     溶岩の歩きやすい道




        このような合目表示がきちんとしている                        韓国岳山頂




新燃岳の噴煙、背後は高千穂峰



                大浪池                                 韓国岳の噴火口




 
雄大な景色を楽しんだ後は下山にかかる。天気も良いし日暮れまでには時間がある。さてどうしたものか。眼下の大浪池散策がオプションの一つだが、先ほど眺めた高千穂峰の方が気になる。霧島の盟主は高千穂峰だと断言する人もいるくらいだ。この際登ってしまいたいが、縦走では霧島連山の裾野を半周しないと戻って来ることはできないし、そもそも途中の新燃岳が立ち入り禁止なのでそれは不可能だ。時計と相談しながら、ともかく登山口の高千穂河原まで行ってみようと決めた。小走りで駆け下り、駐車場に帰着したのは午後130分。急げばまだ間に合いそうだ。

行動時間              1時間40
歩行時間              1時間30
標準CT                2時間50

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高千穂峰

 高千穂河原へは2時少し前に到着した。有料駐車場のゲートのオバサンに聞くと、頂上往復には約3時間かかるとのこと。急いで登れば日暮れ前には下山できるだろう。巨大な鳥居をくぐって幅広い砂利道の参道をしばらく進むと霧島神宮古宮跡がある。この右手の登山口から登り始めた。しばらくは葉が散り始めた樹林帯のなかの遊歩道を緩やかに登っていく。そのうち目の前に赤茶けた火山礫のザレ場が現れた。韓国岳と同様に大勢の中学生が下ってくるが、足場の比較的しっかりした中央部を選んでいるので、こちらは否応無しに脇の崩れやすい所を進まざるを得ない。一歩進んで半歩ずり落ちる。歩きにくいことこの上ない。ザレ場の急登が終わると、やがて右に大きな御鉢の火口を見ながら緩い傾斜の道を行くと高千穂峰への最後の登りとなる。頂上には310分に着いた。1時間15分で登ってきたことになる。しばらくすれ違う人もいなかったので頂上独り占めかと思ったが、そうではなかった。天逆鉾を祭った高台には何やら神がかった雰囲気の女性が一人陣取っていている。流石、天孫降臨の地だと妙に感心してしまう。ここからは先ほどの韓国岳が大きな山容を見せている。標高はそれほど違わないのに何故一方は岳でもう片方は峰なのかとふと疑問に思った。岳、山、峰の違いは未だによくわからない。どなたか明快に説明してもらえないだろうか。一通りデジカメに風景を収めた後は下山にかかる。ザレ場でスリップしないように慎重に足場を選びながら下った。駐車場への帰着は45分。ふた山を終えた満足感に浸りながら鹿児島市内のビジネスホテルへと向かった。夕暮れ迫るなか桜島のシルエットがとても印象的だった。



           大鳥居をくぐってスタート                         しばらくは石畳を行く



          そのうち火山礫になり                            傾斜も増して歩きにくい



             火星のような赤い大地                      おどろおどろした亀裂



高千穂峰山頂から韓国岳を展望



 山頂の逆鉾



行動時間              2時間10
歩行時間              2時間


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