茅ヶ岳  山梨県 1704m   二百名山
   
  

201068


 かねてより私の百名山通いを冷ややかに見ている家内を山に誘っていたが、最近になってやっとその気になってくれた。勤めのある平日であったが、気の変わらないうちにと家内の都合を最優先にした。行き先は、初印象が大事なので標高差がそれほどきつくなくて展望が素晴らしいと言われる茅ケ岳に決定。実は百名山完登を目指す者として深田久弥氏終焉の地を訪れてみたいという気持ちもあった。一番の問題は天気。「曇りのち晴れ」という予報に反して朝からどんよりした空は、時間が経つにつれて雲の厚みが増してくるようで気が気ではない。自宅から2時間ほどで韮崎ICを降りてすぐの登山口に到着。深田公園は後回しにして、すぐに茅ケ岳を目指して歩き出した。何分最近は単独での山歩きばかりなので他人のペース配分がつかめない。後ろからついて行くからマイペースでどうぞと先頭に立ってもらう。




               ではスタート                          ちょっとオーバーペースだった




家内は明らかにオーバーペースと思われるスピードで歩いていくが、先輩面してうるさがられるのも嫌なので黙ってついていく。幅広い登山道を緩やかに登っていくと、取りたて特徴もない女岩に着く。天気のせいもあって薄暗く、また立ち入り禁止の事件現場のようなテープだらけで興ざめだ。




       黄色のテープが張られた事件現場のような女岩




 ここからようやく登山らしくなって急登が始まる。家内は初めてにしてはよく健闘していたが、次第にペースが落ちてきた。クヌギ林のなかを登るうちに尾根筋に出る。高度が上がるにつれて次第に視界が開けてくる。しばらく尾根筋を登ると深田久弥氏終焉の碑に至る。頂上を目前に亡くなったことは気の毒だが、終生打ち込んだ登山の最中の急逝はご本人にとって至高の幕引きではなかったかなどと話し合う。





       深田久弥氏の碑(お賽銭の意味がわからない)             初めてにしてはよく健闘している




 話は変わるが、2009年度の山岳遭難者は2000人を超えて過去最悪となった由。しかもその8割が中高年だと言う。深田氏も享年68歳、皮肉なことに中高年が山を目指すブームの先鞭をつけ、かつ自ら中高年遭難の範を垂れてしまったことになる。閑話休題。家内の足取りはかなり重くなってきたが、「もうすぐ頂上だから頑張れ」を10回ほど繰り返したところでようやく頂に。曇天ではあるものの、幸いなことに周囲の山々が見渡せる。金峰山、八ヶ岳、南アルプス、丈夫が雲に呑み込まれた富士山等々。偽八と言われるだけあって麓から見る茅ケ岳にあまり魅力は感じられないが、周囲の山々を展望するビューポイントとしては素晴らしい。家内も普段とは違う目線からの景観をすっかり気にいってくれたのでやれやれと胸をなでおろす。





山頂、背景は八ヶ岳とツツジ





南アルプス





金峰山





八ヶ岳





山ツツジが素晴らしい




 せっかくなので金ケ岳にも立ち寄りたかったが、もう限界と家内のお許しが出ず今回は断念することに。昼食を摂った後は沢沿いに付けられた往路の道とほぼ平行して走る尾根沿いの道を降る。





           気分の好いくぬぎ林の散歩道                      杖代わりに棒きれを持つ

   



 道路工事の重機の騒音が次第に大きくなると舗装工事中の林道に出た。ここから再び樹林帯のなかを降っていくと深田公園となる。「百の頂には百の喜びあり」の言をかみ締めつつ茅ケ岳に別れを告げた。家内も疲れたを連発していたが、二度と山へは行かないという気持ちにはならなかったようなので今回の試みはまずは成功と言うべきか。雨が降り始めた中央高速の運転を家内に任せお気楽な山歩きを楽しむことが出来た。





深田公園にて




行動時間                     5時間
歩行時間
                     4時間
標準コースタイム   4時間


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