霞沢岳  2646m 長野県      二百名山
 
初日より

2017715日(土)

 昨夜の宿泊者は島々からのカップルと年配女性、それと上高地から登って来た若い女性と私の5名だけと静かなものだった。それに引き換え、テント場は大型テントの団体や一人テントで大賑わい。

 寿司詰めの山小屋を嫌い、マイペースとプライバシーが担保できるテント派が確実に増えているようだ。キャンプ用品の軽量化もこの傾向を後押しているのだろう。しかし、いくら快適になっても、トイレの近い年寄りには些か辛いものがある。マイ・ピーボトルという手もあるのだが。。。

 今日は午前中晴れの予報だが、夏山は気温上昇とともにガスが上がってくるのが常。早出することに如くは無い。年を取ると便利なもので目覚ましが無くとも早起きできる。目が覚めたのは、午前
3時半。同室の皆さんはまだ夢の中のようだ。出来るだけ物音をたてないように階下の食堂に降り、身支度を整えた。ついでに頼んでおいた弁当も重労働に備えて腹に納めておく。


もうすぐ夜明け


 午前
4時ちょうどに山小屋を後にした。小屋を出ると、既に朝食を終えたテントの団体さんも出発準備に余念がない。長い行列の後尾にはつきたくないので、一足先に出発することにする。

 まずはジャンクションピークまで標高差
300mの腹ごなしから。途中でヘッデンが電池切れになってしまったが、もう夜明けも間近、ほのかな明かりでも足元の視界は十分確保できた。


ジャンクションピーク



良く見ると富士山らしき山影が


 ジャンクションピークを過ぎると、せっかく稼いだ標高を返上しなければならない。その後もボトムから次のピークに向けて登り返し。ともかく
Ups&Downsが忙しい。


モルゲンロートに染まる乗鞍岳



霞沢岳が見えたが、不気味なガスが、、、


 極めつけは
K1への登り。背中に容赦なく照り付ける朝日、口と言わず耳と言わず遠慮なく飛び込んでくる虫たち、それに四つん這いでなければ登れないような急斜面。幸か不幸か、いつの間にか沸き立ったガスが辺り覆い、灼熱地獄からは解放された。しかし、その分期待した展望はあえなく犠牲になってしまった。


K1への急登


 
645分、K1に到着。ガスに包まれているので方向感覚がおかしくなりそうだ。念のため、GPSで進行方向を確認し、K2へと向かう。K2ピークを通り過ぎ、なおも下っては登るを繰り返し、徳本峠から3時間15分で霞沢岳の山頂に立った。本日一番乗りだ。


雲底がどんどん下がってきた




 
61座目の二百名山ゲットだが、残念ながら展望は殆ど無い。これでは長居するだけ時間の無駄と踵を返すことにした。ところが、山頂を辞して暫くすると重く垂れこめていた雲底がするすると上がり始め、幕が開くようにガスが晴れてきた。文字通りの雲散霧消。諦めが早すぎた、もう少し山頂でねばれば良かったと後悔するが、後の祭り。


下り始めるとガスが晴れてきた 徳本峠への稜線



ガスがすっかり消えた山頂を振り返る



焼岳



前穂、明神



K1ピークに立つ孤高のハイカー


 
K1近くまで戻ってくると、テントの団体さん等、早出組が続々と登って来た。K1からは激下り。浮石に気を付けながら慎重に下っていく。再びUpsDownsの連続する稜線を戻っていくと、同じ小屋泊まりの皆さんと再会、更にジャンクションピークが近くなると上高地から登って来た健脚ハイカーとも行き合うようになった。

 ほどなく徳本峠と明神方面の分岐点に帰着。徳本峠に用は無いので、まっすぐ明神へと向う。適度な勾配で歩き易い登山道をノンストップで歩き続け、徳本峠入口まで一気に下った。


森の散策路を抜け、、、



大賑わいの上高地へ


 上高地はこれまでとは別世界。連休初日とあって家族連れの観光客など大勢の老若男女で大賑わいだった。バスターミナル到着は
1230分。この二日間、心配していた雨にも合わず、連休にも関わらず混雑とは無縁の静かな山旅を楽しむことが出来た。沢渡までバスで下った後は日帰り温泉で汗を流し、心身ともにさっぱりし家路についたのだった。


行動時間  8時間
30

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