笠取山   埼玉・山梨県 1953m          
 
2018年11月10日(土)

 ダーツの山旅第二弾、今回矢が当たったのは奥秩父の笠取山。写真を見ると防火帯のような切り開きが印象的な山だ。しかしこの山だけだと、一ノ瀬高原から山頂まで2時間強。ちょっと物足りないと、あらためて地図を眺めていると、近隣には更に標高の高い唐松尾山があった。標高2109mのこの山は、我が家の近くを流れる多摩川の源流集水域の最高峰とのこと。また面白いことに笠取山直下の雁峠との分岐点は富士川、荒川、そして多摩川という三つの水系の分水嶺になっているのだそうだ。俄然興味が湧いてきたので、将監峠から周回し、これらのスポットを繋げて歩くことにした。

 いつものように夜明け前に登山口に到着。三ノ瀬集落の見晴らし茶屋に車をとめた。日の出にはやや早いが十分に明るくなった、午前5時55分にスタート。枯葉の絨毯を踏みしめながら林道を歩く。紅葉は完全に終わってしまったようで周囲の林に彩りは殆ど見られない。


落ち葉を踏みしめながら将監峠へ



こんな案内があった 幸い土曜日だったのでセーフ


 標高1700mを越えた辺りで将監小屋へと向かう林道から離れると、ようやく登山道らしくなった。雨上がりの笹の生い茂る中、膝から下をびしょ濡れにしながら歩き、小一時間ほどで将監峠に着いた。


広々した将監峠


 小休止の後、再び笹の海に突入。足元の不快さは開けてきた景観が忘れさせてくれる。樹間から右手には和名倉山方面、左手には雪を頂いた富士山を望めるようになった。


唐松尾山へと向かう



富士山 左の山並みは鶏冠山だろうか


 濡れた岩や木の根でスリップしないように慎重に歩き続け、8時20分に本日の最初のターゲット、唐松尾山の山頂に立った。残念ながら樹木で見晴らしはきかないが、フットプリントを残せたことだけで満足だ。


眺望の無い地味な山頂


 唐松尾山からは岩場交じりの急坂を下っていく。木々の間からは甲武信ヶ岳や国師ヶ岳らしき大きな山容が次第に近づいて存在感を増してきた。いくつものピークを越え、笠取小屋との分岐点から一登りで笠取山山頂、東ピークに到着。時刻は9時55分、歩き初めからちょうど4時間だった。すぐ先に西ピークがあるが、標高上の山頂は東側らしい。これで二番目のターゲットクリアだ。


国師ヶ岳だろうか



濡れた岩と木の根の急坂を慎重に下る



明るく気持ちの良い尾根道



ツインピークの笠取山が見えてきた



東ピークに到着



甲府盆地にかかる雲海


 軽くランチを済ませて西ピークへ。こちらは山梨百名山とのこと。展望も大きく開けているので、大勢のハイカーで賑わっていた。人混みを避け、さっさと切り開きの急斜面を下山する。殆ど人に逢うことのなかった唐松尾山とは打って変わり、引きも切らずハイカーが登ってくる。


西ピークはハイカーで大賑わい



西ピークから雁坂峠方面を展望



滑り台のような切り開きを下山



下から見るとこんな


 最後のターゲットとなる三水系の分水嶺を見学した後、笠取小屋へ。ここから出発点に戻るには、幾つもの選択肢があるが、時間も早いことなので一番距離のあるヤブ沢峠、一休坂経由とした。


三つの分水嶺 見えない側が富士川


 馬止までは原生林の中のうんざりするほど長いトラバース。しかも先般の台風の置き土産と思しき根こそぎ引き倒された大木が、あちこちで道を塞いでいる。中島川橋で舗装道に復帰。ここから15分ほど歩き、12時40分、見晴らし茶屋に帰着した。


こんな光景がそこかしこに


 林道歩きが多かったとはいえ、平均歩行速度3Km/hは、我ながらかなり頑張った記録。とても気持ちの良い汗を流せた源流ツアーでした。


行動時間 6時間45分


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