唐松岳BC  長野・富山県 2696m             
 


2015
12月9日(水)


 今シーズンは大枚はたいてバックカントリー・ギアを一新した。Cho Oyuの板にTLT Speed SuperLightのビンディングを付けて重量は何と1235g(片方)という年寄が歓喜する驚異の軽さ。ブーツはこれまで靴擦れと足先の強すぎる締め付けに散々泣かされたTLT6に替えて、私のだんびろ足に向いたScottのコスモスに。

 早く試したくてうずうずしていたのに、こんな時に限って肝心の雪がなかなか降ってくれないのだ。今シーズン初めてなので気象条件の厳しい高い山は避けたかったが仕方ない。比較的雪のある八方尾根で新しいお道具を試すことにした。

 午前
830分のゴンドラの運行開始時間に合わせ白馬に到着。平日とはいえ、ステーション前の無料駐車場はほぼ満車状態。それでも幸い何とかスペースを確保できた。ゴンドラ、アルペンクアッドと乗り継いでゲレンデ上部へと移動する。予報通りの素晴らしい青空の下、ゴンドラから眺める白銀の峰々が眩しい。


           スキー場はまだ雪不足               続々とハイクアップする人達 


 リフトを降りると、先行組はスキーヤー、ボーダー、登山者など
10数名。手早く支度をしてハイクアップを始めている。午前9時、彼らの後を追って私も出発。まだ稼働していないグラートクアッド沿いを登って行く。


           グラートクアッド沿いを登る             八方池山荘を通過


 しばらくシール登行すると早くも課題が明らかになってきた。懸念していた通り、クライミングサポートに難ありだった。
SuperLightは最も高い状態でも約5㎝と、これまで使い慣れたSpeed Radicalよりも3㎝ほど低いので、斜度がきつくなるとブーツを目一杯前傾させねばならないのだ。

 おまけにコスモスは歩行モードでもそれほど柔軟には前方に倒れてくれないため、繰り返しブーツのベロに押し付けられた向う脛が擦り剥けて次第に痛くなってきた。当然ペースも上がらず、後から来た連中にどんどん抜かれてしまう。とは言え、辛いのは急斜面だけで、緩傾斜やフラットなところでは軽さを実感。文字通り軽快に歩くことができる。


快晴の八方尾根



五竜岳、鹿島槍ヶ岳もお出迎え



白馬方面も


 第二ケルン、第三ケルンと過ぎて、尾根が右にドッグレッグする辺りから尾根が痩せてきた。岩も所々露出しているので帰りは要注意とマークしておく。


痩せた尾根には岩が露出




             テントが一張り                  2361mピーク?結構な斜度あり



丸山を望む この時は風はまだ穏やか


 
2361mピークを越え丸山を過ぎた辺りからにわかに風が勢いを増してきた。午後は西風が強まるとの予報通りだ。見上げると山頂や稜線付近では雪煙が盛大に巻き上げられている。時刻は既に午後1時近いし、今日は一年で一番日の入りの早い日。アイゼンに履き替えて唐松岳山頂をさっさと往復することも考えていたが、無理は禁物。悔しいが2554mピークを目前にして踵を返すことにした。少し先を歩いていたつぼ足の登山者も強風に恐れをなして引き返してきた。


風がにわかに強まる



 吹きさらしの中で滑降の準備を始める。ここでまた課題が。スキーを履くのにヒールパーツの踏み込みが硬くて一苦労。自宅で予行演習した際は、硬い床だったのですんなりいったものが、ふかふかの新雪の上では荷重が逃げるせいか中々ステップインできないのだ。

 ようやく板を足に固定できたら後はお楽しみタイム。初めての板で、また半年ぶりのスキーなので恐る恐るスタートする。板の操作性はまずまず快適だったが、私には論評するだけの技術も経験も無いのでそれ以上はノーコメント。


痩せて急な尾根



頚城の山々も雪が少ない


 丸山の急斜面も何とか無難に降り、痩せ尾根を右往左往しながら慎重に通過した後は、広々した尾根でゲレンデスキー状態。久しぶりのスキーを楽しんでゴンドラステーションに滑り込んだ。やれやれと思ったのも束の間、車に戻ったところでまた事件発生。何と片方のビンディングのクライミングサポートが脱落しているではないか。軽さは正義、しかし
TLT SuperLightにはちょっとがっかりだ。使い勝手や堅牢さに大きな?が付いてしまった。


行動時間  
5時間15


後記

販売店には早速連絡して交換パーツを手配してもらった。かしめピンの抜けが原因らしい。ヒールユニット全部を交換してもらうつもりだが、製品自体に設計や製造に起因する欠陥は本当に無いのだろうか。


  
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