カムイエクウチカウシ山  北海道      二百名山
 

 いつかは登りたいと憧れていた日高の名峰、カムイエクウチカウシ山、通称カムエクに登頂することができた。しかしその代償は少なからず大きかった。山頂直下の稜線を下山中、岩場で足を滑らせて頭や腰を強打してしまったのだ。特にダメージが大きかったのは側頭部の切傷。出血が酷く辛い下山となった。

 日高山岳センターから救急車で帯広市内の救急病院に運ばれる有様で多くの方々に迷惑をかけてしまった。検査の結果、骨折などの異常は無く、怪我はふた針縫うだけで済んだが、予定していたペテガリは断念し翌日帰宅する羽目に。思わぬ散財も強いられ、今回は散々の北海道遠征となってしまった。

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 カムエクとペテガリに関するネット記録やガイドブック等を精読して、ズボラな私にとってはこれ以上無いというほど綿密な登山計画を立てた。唯一目論見通りにならないのは、カムエク登頂予定日の天気。中長期予報ではずっと晴れマークだったのが嘘のように、出発日が近づくにつれて予報はどんどん悪くなり、とうとう当日は雨マークになってしまった。その前後は晴れマークが連続しているので、まるで狙い撃ちされたかのようだ。運が悪いとしか言い様がない。全て予約済で今更キャンセルする訳にもいかず、予報が外れてくれることを祈りつつ朝一番のフライトで東京を後にした。

 帯広空港に到着後、直ぐにレンタカー屋へと向かい、旅路の足を確保する。ニッポンレンタカーの空港店がプリムスの代理店を兼ねているのでそこでガスカートリッジを購入。更に中札内のコンビニで行動食や飲料、それに忘れずにビールも調達し、一路札内川ダムへと向かった。

 通常は札内川ヒュッテまで車で入ることが出来るらしい。残念ながら今年は工事の都合によりダムでゲートが閉鎖されているので、約5km余計に歩かねばならない。

 ゲート脇には車が
3台あった。熊の頻出する山に一人きりは勘弁して欲しいので正直少しホットする。パッキングしている最中にカップルが下山して来た。そうすると山にいるのは2パーティか。

 準備を終えて
1130分に出発。久しぶりのテント泊で重荷がずっしりと肩に食い込む。ヒュッテまでは約5km。真っ暗なトンネルを幾つも通り抜けた。平衡感覚がおかしくなりそうだ。1時間弱でヒュッテに着いた。ここで登山計画を提出。暗くなる前にテントサイトにたどり着きたいので休まずに歩き続ける。


         ダムからトンネルを幾つも抜けて歩く                    札内川ヒュッテにて登山届


 道は舗装道路からダートへと変わるが、建設中止とは言いながら完全に放置されている訳では無いらしい。途中で工事の関係者が数名作業していた。一礼して歩を進める。翌日彼らに救われようとは、この時は夢にも思わなかった。


              ここからダート道                             巨大な蕗の葉が続く



               立派すぎる橋梁                       稜線が見える(今日が明日なら。。。)   


 大きな堰堤が見えると間もなく七ノ沢出会に着いた。ここからいよいよ沢歩きだ。ジャブジャブと流れに足を入れて渡って行く。水深は膝程度。テープの目印がもっとあるのかと思いきや、殆ど見当たらないので、適当に歩きやすそうなルートを選んで先を急ぐ。


           大きな堰堤を過ぎると、                      ここが七ノ沢出会い(道は左に続いている)



              楽しい河原歩き                               深くても膝程度



         沢用スパッツも履いて足元は万全                     林の中に踏み跡も所々にあり


 今日のところは天気もまずまず、爽快な河原歩きと言っても良きかもしれない。八ノ沢が近づき川幅が狭くなってくると林のなかに踏み跡が出てきた。ここで下山中の二人パーティと行き合った。翌日判明したが、残る1台は釣り人の車だったので、この日山に入ったのは私だけということになる。結局この奥深い日高の山中に一人きりとなってしまった。



            気持ちの良いせせらぎ                          


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10分に八ノ沢出会いに到着。今日のキャンプ地だ。他に登山者は居ないのでテントサイトは選り取り好みだ。まずは運んできたビールを冷たい流れに浸してからテント設営にかかる。一番フラットで、かつ沢から少し離れた高台にあるサイトを選んだ。虫よけに腕輪型のフマキラーを付けて作業する。


            八ノ沢の出会いも近い                         マイホーム設営完了


 マイホームが立った後は、ビールを飲みながら夕食の用意。パスタを茹でてレトルトのカルボナーラをかけて一丁上がり。まだ明るいのでウイスキーをちびちびやりながら、のんびり過ごす。薄暗くなってきた
7時頃、シュラフに潜り込んだ。


行動時間 4時間40
歩行時間 4時間20


翌日へ続く


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