常念岳  2857m 長野県      百名山
 

201379()

 今回は人様にはとても言えないようなお粗末なミスをしてしまった。と言いながら書いているのだが、カーナビで常念岳の登山口の一つ、三股をセットしたつもりが、どうした訳か北側にある一ノ沢になっていたのだ。しかも前に一度来て見覚えのあるヒエ平の登山口まで歩いてようやく間違いに気が付く有様。ボケの心配がまた一つ増えてしまった。。。

 例によって深夜に自宅を出発。中央高速の安曇
ICを降りて穂高CCの先にある林道をどんどん登って行く。ほどなく道路脇にある草地の駐車スペースに到着。車中泊らしき10台ほどの車がとまっていた。ここが三股と信じて疑わず車をとめる。

 身支度を整えて、さぁ今日も張り切って行くぞと
445分に出発。暫く歩いて行くと何やら見覚えのあるトイレ小屋が見えてきた。あれ、デジャブかなと我が目を疑うが、すぐに自分がヒエ平登山口に居ることに気が付いた。今さら引き返して三股へ向かう気にはならない。当初のプランは、常念岳、蝶ヶ岳の周回だったのだが、ヒエ平からでは蝶ヶ岳を結ぶルートが無いので周回にならない。仕方ないので、今日は大人しく常念岳をピストンするだけにしようと決めた。

 一ノ沢左岸につけられた遊歩道のような立派な道をどんどん登って行く。雪解け水が流れ込んでいるせいか、沢はゴーゴーと白濁しており、いかにも水量が多い。エボシ沢、笹原沢を過ぎるとようやく稜線が見えてきた。


            常念岳目指して歩きだす                          水量多い一ノ沢



           沢の奥に稜線が見えてきた                          小川と化した登山道


 左手には常念岳に向かって真っすぐ突きあげる雪渓が見える。もう少し早い時期であればこの雪渓をずっと詰めて行く最短距離のオプションもあるのかもしれない。そのうち一ノ沢も少しの間ながら雪渓歩きとなった。斜度も緩くアイゼンを必要とするほどではない。胸突き八丁にはトラロープが張られていて雪渓に迷いこまないようにしてあった。流石は北アルプス、至れり尽くせりだ。


              雪渓が出てきた                         胸突き八丁の手前にはトラロープ



山頂へ向かって伸びる雪渓


 最終水場の手前で割れた雪渓を横切る個所があった。石伝いに流れを飛び越えて行くので重荷だとちょっと辛らそうだ。いよいよ最後の急登にかかる。
3つのベンチがあるが腰を下ろすことなく歩き続けた。常念乗越に着いた途端、劇的という表現が適切と思うほど目の前に槍穂高の屏風絵が一気に広がった。


            割れた雪渓を横切る                                最終水場



ドラマチックに展開する屏風絵


 足を止めて一休みしたいところだが、せっかく調子よく回っているエンジンを冷やしたくないので山頂へと直行する。上高地の方から吹き抜ける風が冷たくて気持ちがいい。

 途中で何人かのハイカーを追い抜きながら石畳の道をジグザグに登って
4年ぶりの山頂に立った。時刻は830分。360度の大展望が素晴らしい。槍穂高はもとより北アルプスの名峰が目の前に勢ぞろい。遥か南方には南アルプスや八ヶ岳の山影の背後に一際高くそびえる世界遺産の富士山も見える。


          乗越からは400mの登り                             4年ぶりの山頂 



大天井岳方面



行きそびれた蝶ヶ岳方面



これが見たかった!


 登山以前のルートミスで出鼻を挫かれたものの、やって来た甲斐があった。行動食をパクつきながらしばらく景色を堪能する。追い越した人達もやってきて山頂は大賑わいだ。狭い山頂の席を譲ってぼちぼち下山しますか。

 歩き始めて暫くすると、いきなり雷鳥の雛が目の前を横切ったので驚いた。予期せぬ展開に雛に付き添っていた母鳥は殆どパニック状態。私の足元にすっ飛んできて羽根を広げたりして盛んに注意を喚起している。その隙に雛を遠くに逃がそうという健気な母心だ。


        目の前に雷鳥の親子が飛び出て来た               足元まで来て必死に注意を喚起する母鳥


 そうこうしていると若者達が駆け下ってきた。年と共に運動神経が鈍ってきているのでとてもそんな真似はできない。あっという間に遠のく若者達の背中を見ながら、爺さんハイカーはケガしないようにゆっくり慎重に下る。

 常念乗越で槍穂高に別れを告げて再び一ノ沢へと向かう。この時間帯になると結構な数の老若男女のハイカーが続々と登って来る。とても平日とは思えないほどだ。駐車場到着は
1155分。

 ちょっと物足りなかったかも。横通岳から東天井岳まで足を伸ばして百高山を二つクリアする手もあったと帰宅してから少し後悔。しかし、嬉しいこともあった。
4年前、百名山紀行を始めたばかりの頃に4時間半かけて苦労して登った同じコースを、今回は余裕を残して3時間45分。調子の良し悪しもあるのだろうが、年はとっても少しは山を歩く体力がついてきたのかもしれない。他愛ない話ですが。。。


行動時間 7時間10


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