以東岳   1772m 新潟・山形県        二百名山 
 


2021年10月4日(月)

 安達太良山を終えた後は一路東北自動車道を北上し、山形県へと向かった。道の駅月山で車中泊。日付が変わる頃、再びハンドルを握り以東岳の登山口、泡滝ダムへと車を進めた。すれ違い不可能な狭い林道を慎重に運転し、午前2時過ぎに登山口に到着。駐車スペースには既に10台ほどの車があったが、人の気配はない。

 早速支度をして2時45分、泡滝ダムを後にした。暗闇の中、赤川の沢音をずっと耳にしながらタキタロウ山荘を目指して歩く。マイルストーンの掲示板が1/10から始まり10/10まであるが、なかなかカウントアップしてくれないのがもどかしい。

 視野にあるのはヘッドライトの照射範囲だけなので景色も拝めず単調至極。睡眠不足も手伝って頭がぼんやりしてくる。機械的に足を前に出し続け、大鳥池へと向か九十九折の急登に差し掛かった頃にようやく夜明けを迎えた。


暗闇の中スタート



一気に飛んでゴール


 530分、タキタロウ山荘に到着。目の前には大鳥湖の静かな湖面が広がっている。ところでタキタロウは伝説の巨大魚かと思っていたのだが、改めてググると、どうやら幾つか捕獲例もある実在する巨大魚なのだそうな。未だに存在が確認されないネス湖のネッシーとは話が違うのだ。


大鳥池



立派なタキタロウ山荘


 以東岳へは直登コースと北側の尾根から回り込む二つの登路がある。私は前者から後者へと周回することにした。大鳥池に沿って暫くは平坦な道を行く。東沢出合いを過ぎ、池を後にすると次第に勾配がきつくなり、終いには四つん這いを強いられる程の急登となる。


湖畔沿いを進む



池の反対側まで来た



胸を突く急登の始まり



大鳥池が眼下になるにつれ紅葉が進む






 樹林帯限界を越えると辺りには見事な紅葉が現れた。カメラを向けるのに忙しく中々足が前に進まない。時短のため以東小屋は素通りし、そのまま山頂へと向かった。8時40分、やっと念願の以東岳、二百名山72座目の頂きに立つことが出来た。ここから朝日連峰の峰々を見渡すことができたが、馴染みのない山域、一番背の高いのが大朝日岳だろうと見当をつけるのが精一杯。


以東岳山頂から朝日連峰の峰々を望む 一番高いのが大朝日岳か


 帰路も長い道のりなので栄養補給を終えたら、そろそろ周回コースへと進むこととする。こちらのコースは以東岳を様々な角度から眺められるので飽きさせない。直登コースとは違い、勾配も緩やかなので太腿や膝にも優しいのが何よりだ。


以東岳を振り返る 右端は以東小屋






大鳥池に向かって下降


 正午前にタキタロウ山荘に帰着。ここで大休止した後は、一気呵成に登山口を目指して下山する。この日は気温が高かったことに加え、標高が下がったのでうだるような暑さ。幸い水場は豊富なので水分補給には何ら心配しないで済んだ。


泡滝ダムへはこんなつり橋が2基ある



豪雪地帯の宿命 斜面の木は皆「し」の字になっている


 ノンストップで歩き続け245分に無事登山口に帰着。前日とは打って変わり出会った登山者は数えるほどと静かで山頂付近の紅葉にも癒される最高の一日となった。遅々として進まない二百名山だが、久々に1座加えることができたことも嬉しい。

 余談ながら、この日一番緊張したのは、帰路泡滝ダムから暫く下った所で何台ものダンプのコンボイと鉢合わせした時のこと。不得手なバックで脱輪しそうな狭隘林道を延々と後戻りさせられた。足を踏み外す夢を見てガクッとすることが時々あるが、これも悪夢の定番メニューになるのかも。。。

行動時間 11時間45分。


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