蛭ヶ岳   1673m 神奈川県            
 


2021年1月30日(土)

 No密の山歩き、第二弾は雪の丹沢蛭ヶ岳。先の南岸低気圧がもたらした大雪のおかげで自宅近くから眺める丹沢の山並みは遠目にも白く染まっている。山スキーは自粛しているので、せめて雪山の雰囲気を味わいたいと、より多くの降雪量が見込める丹沢山塊の北面からアプローチしてみた。

 道志川沿いを走る国道413号を離れ、青根の市街地からダートの林道へ。路肩に開かれた限られた駐車スペースを確保できてまずは一安心。

 早速身支度を整え、午前5時45分スタート。凍てついた林道をヘッデンの明かりを頼りに登っていく。途中、迂闊なことに八丁坂ノ頭へと向かう尾根ルートへの分岐を見落とし、林道を直進してしまった。仕方なく釜立沢から小尾根に取り付き主脈へと登るルートを行く。少々遠回りになったが致し方ない。


次第に雪深くなってきた


 雪は次第に深くなってきたが、雪上には当日のものらしいフットプリントがあった。どうやら先行者が一人いるらしい。所々にある吹き溜まりのラッセル跡を見ると、膝、時には太腿辺りまで潜っており中々大変そうだ。二番手の私はラッセル泥棒。有難くトレースを使わせて頂く。


先行者のフットプリント かなり深い


 この先行者はアイゼンを装着しているが、今回私は初めてチェーンスパイクを試してみた。軽いし着脱も楽。本格アイゼンとは比ぶべくもないが、シビアな局面の無い雪山では十分使い物になりそうだ。

 姫次までは緩やかで一定勾配の坂道が続く。スキーが使えれば、帰路は大幅時短ができそうだが、丹沢でスキーを担ぎ上げる酔狂な人が果たしているかどうか。


スキーがあればと思わせる尾根道



姫次で富士山にご対面


 姫次からは標高差約100mの下り。ボトムから蛭ヶ岳山頂までは300m近い急登で、雪が無ければ段差の大きい階段が続くため足に堪える所だ。


行く手には目的地の蛭ヶ岳が聳えている



大室山



山頂直下 階段は雪の下


 10時50分、5時間がかりで山頂に到着。一点の雲も無い素晴らしい快晴の空の下、360度の眺望はまさに感動もの。過去何十回も登った丹沢だが、これほどの透明感のある景色に出会ったためしはない。相模湾にはぽっかりと大島が浮かび、さらにその先には利島らしき島影が遠望できる。富士山は言うに及ばず、真っ白に冠雪した南アルプスから八ヶ岳もくっきり。首都圏の市街地はもとより筑波山まで見通せた。



山頂は風に飛ばされて雪が少ない



相模湾 写真では今一だが、大島が良く見えている



筑波山も遠望



丹沢主脈の山々



屏風のような南アルプス



雪煙が凄い富士山


 しかし冷たい強風に煽られ呑気にランチという訳にもいかない。取り敢えず水分補給だけでもとペットボトルを取り出すと中身が半ば凍り付いていた。一通り記念撮影を撮ったら即刻回れ右し、下山にかかる。


丹沢主脈 姫次方面


 ここまで何人かの若者に追い抜かれただけでNo密だったものが、いざ下山にかかると続々と登ってくるハイカーに圧倒されることに。すれ違う都度、私の方からトレースを外れて道を譲るが、申し合わせたかのように皆、声をかけても一様に黙して挨拶も無ければ感謝の言葉も無い。コロナ感染リスクを避けるため、山では見知らぬ登山者とは声を交わさないという新たなマナーが、私の知らないところで周知されていたのかもと訝しく思うほど。コロナ禍にあっては、むしろそうしてもらった方が有難いとはいえ、少々寂しい。ともあれ、帰途は大勢のハイカーが踏み固めたトレースのおかげで楽をさせてもらった。


モノレール脇を下る



林道に降り立ってほぼ終了


 姫次で富士山を正面に見据えながらの優雅なランチタイムを終えたら一目散に下るのみ。帰路は朝登りそこなった尾根ルートから青根へと下山した。午後2時30分、車へ帰着。驚いたことに周囲は停められるスペースは全て車で埋め尽くされる盛況ぶり。久しぶりの雪山と景色を堪能できた半面、No密作戦としては失敗だったかも知れない。次回は時と場所を選ばないと、、、


行動時間 8時間45分



  
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