檜洞丸   神奈川県 1601m          
 


2019年11月30日(土)

 早いもので明日は愈々師走。今月は軽い気持ちで始めたアウトドアのDIYにどっぷり嵌り込んで山の方はすっかりご無沙汰になってしまった。しかし、普段使ったことも無い、玲瓏という形容がふさわしいとされるほど今年の冬富士は見応えがあるとか、近場の丹沢にも降雪があったと聞いてはじっとしてはいられない。月初めの鳳凰三山以来、ほぼ一か月ぶりの山歩きに復帰することにした。

 6時30分、西丹沢ビジターセンターを後にする。この辺り一帯はキャンプ場銀座。オフシーズンとなった今、テントは数えるほどで閑散としている。紅葉も今一つ。木々の色づきはまだ見られるものの、盛りを過ぎた感は否めない。


もう一週間早ければもっと見事だったかも


 ツツジ新道の登山口まで来ると道標に張り紙があり、あちこちで登山道が通行止めになっている由。これも台風19号の置き土産なのだろうか。後でその実態を目の当たりにしようとはこの時知る由も無かった。

 ゴーロ沢出合いを過ぎたところで尾根に取りつく。いきなり胸を突く急登が始まるが、心拍数を130前後に抑えて休まず一定ペースで登り続ける。


ゴーラ沢出合いの渡渉


 山頂近くになると辺りは一面の雪景色となった。気温が低いせいか、サラサラのパウダースノーだ。木道の雪を蹴散らしながら久しぶりの雪の感触を楽しんだ。


少しづつ雪が現れ、、、



やがてこうなった


 見晴らしの良いところで振り返ると、そこには五合目辺りまで白一色となった壮麗な富士山の神々しいお姿があった。冬場は自宅近くから毎日のように眺める富士山だが、これほど鮮烈な印象の冬富士は初めてかも知れない。


これが拝みたくてやってきました


 8時55分、山頂に到着。寒いので行動食を腹に納めたら早々に行動再開。いつものように下山コースは犬越路経由とする。木道を少し下ったところに、知る人ぞ知る遮るものが一切無い絶景鑑賞ポイントがある。ここからは富士山はもとより、南アルプス、さらには八ヶ岳まで一望できるのだ。


檜洞丸山頂




白銀の南アルプス 右端に八ヶ岳



犬越路へと続く尾根道


 犬越路へと続く痩せた稜線は、普段でもなかなか険しいものがある。雪の付いた岩場は猶更。冷えて手に張り付く鎖頼りの慎重なクライムダウンが強いられた。


先行者の足跡は登山者一名と獣一匹



富士山は常に視界にある


 稜線から神之川へ下る登山道が二ヵ所で分岐するが、いずれも大規模崩壊があったということで通行止めとなっていた。元々余り歩かれていない登山道なので廃道化が進むのではと心配だ。


下山地点の林道が通行止めとここで気が付いたが今更引き返せない


 犬越路で小休止し、さらに下り続ける。ここからは東海自然歩道として非常に良く手入れされた登山道。しかし今回歩いてみると、相当に荒れ果てており、いつもとは様相が一変していた。木の階段が丸ごと崩落した箇所では一定区間の登山道そのものが消失。道を探して立ち木に縋りながらザレた急斜面を降りたりと、ルーファイに手こずる場面もあった。極めつけは用木沢出合い近くの白石川に架かる橋。橋の手前の道路にぽっかりと大穴が開いて通行止めとなっていたのだ。今更引き返すことも出来ず、ここはオウンリスクで仮橋を渡らせてもらった。


木の階段の残骸 落石も頻繁に起きていた



橋の手前に大穴


 正午過ぎに出発地に無事帰着。今回は久々に雪の感触を味わえたし、冬富士の絶景も文句なしに素晴らしかった。しかし、同時に台風の猛威を目の当たりにし、温暖化でこんな台風が常態化したら、市街地はもとより日本の山はどうなるのだろうかという複雑な思いも。。。


行動時間  5時間40分



Map
 Track
Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system