檜洞丸    1601m 神奈川県        
      

20165月19日(木)

 先週の富士山ではスキー滑降の後、7合目から5合目まで歩いて下山しただけなのに、翌日は筋肉痛で階段を下りるのにも一苦労する始末。スキーと歩きでは使う筋肉と負荷のかかり具合が違うからだろうが、いずれにしても己の軟弱ぶりが情けない。山の筋力強化にはとにかく山を歩くことが一番効果的だ。これからの夏山シーズンに備えて足を鍛えなおそうと、さっそくホームゲレンデの丹沢に向かうことにした。

 実は狙いがもう一つ。それは、知る人ぞ知るオーダーメードの登山靴ショップ、ゴローで入手した昔ながらのごっつい革製登山靴の試し履き。合わない靴に押し込められ、毎年生え変わることを強いられる不憫な足爪にとって救いの神となることを期待しつつ。。。

 西丹沢自然教室前の駐車スペースは、早朝
5時前、しかも平日というのに早くも満車状態。道路端の空きスペースに車をとめて出発の準備をしていると、次から次にと車がやってくる。どうやら皆さん、ちょうど満開を迎えた東国ミツバツツジやシロヤシオの花見が目当てらしい。ちなみに帰宅時には路駐の車の列が延々と遥か下の方まで続いていたのには驚いた。


           西丹沢自然教室を出発                         足元はゴローの革製登山靴


 午前
530分にスタート。スキーを持たずに山へ向かうのは半年ぶりだ。板はもちろん、シールやアイゼンなど、随分と軽量化を図ったとはいえ、それでも嵩張って重い雪山装備を持たずに済むというのは何という解放感だろうか。


            つつじ新道登山口                                新緑の遊歩道


 キャンプ場を左手に見下ろしながら暫く林道歩き。程なくツツジ新道の登山口に着いた。入り口は、両側の崖が迫る狭い沢でちょっと暗い感じだが、やがて目に沁みるような新緑に囲まれた快適な遊歩道となる。

 話は違うが、どうやらこの年になって初めて花粉症(おそらくイネ科の)に罹ってしまったようで目はしょぼしょぼ、水っ洟にくしゃみを連発といった具合でコンディションは最悪。それでも歩いている内に症状が見る見る改善してきたのは森の香り、フィトンチッドのご利益だろうか。下山した途端、再発して元の木阿弥となってしまったのだが。。。


            ゴーラ沢出合い                                   緑が眩しい


 ゴーラ沢を飛び石伝いに渡渉するとようやく本格的な登り坂となる。途中で何人か、ハイカーに追いついたが、皆申し合わせたように私と同じ団塊世代。多少の交通費は別にして使うのは自前の足だけ。週末しか休めない現役の勤労諸氏には申し訳ないが、足腰のしっかりしたジジババにとって、これが天気に恵まれたウィークデイの最良の過ごし方なのだ。


新緑とツツジの競演





 山頂近くになると新緑の木々を背景にシロヤシオなど満開を迎えたツツジのオンパレードとなる。神奈川花の名所百選に選ばれるスポットだけのことはある。聞きしに勝る見事さだがそれだけではない。木道の足元には瑞々しいバイケイソウの群生が広がり、振り返れば残雪を頂いた富士山の秀麗なお姿まで拝めるのだ。



群生するバイケイソウ


 8
5分過ぎに檜洞丸山頂に到着。人の気配は無いので私がどうやら本日の一番乗りらしい。貸し切りの山頂で、景色と花を愛でながら大休止。スイーツでカロリー補給もしておく。


                檜洞丸山頂                              ただ今貸し切り状態



 ここから犬越路までは細かなアップダウンや鎖に頼る急下降があったりして意外に険しい道程となる。足元に気を付けながら慎重に下っていく。気になるのは新調した登山靴だが、踵が擦れたり、つま先が当たるようなことも無く、これまでのところすこぶる快調だ。


犬越路へと向かう




                 鎖場                                    犬越路


 檜洞山頂から
1時間45分かけて、犬越路に着いた。ここは戦国時代に信玄の小田原攻めの際に犬を先頭にこの峠を越えたことから命名されたのだそうな。

 虫が煩いので小休止しただけで下山を継続。沢沿いの新緑が心地よい道を下って用木沢出合いへ。林道をのんびり歩いて
1140分、西丹沢自然教室に帰着した。ほんのトレーニングのつもりが、五月晴れの空の下、思いもかけず満開の花に迎えられ、最高の一日となった。


行動時間  
6時間10


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