東谷山BC   1554m 新潟県            
 


2021年1月4日(月)

 コロナの感染拡大は収まらず、どうやら近々一都三県に非常事態宣言が発出される公算大となってきた。その眼目は「人の流れを徹底的に抑制すること」なので、暫くは山歩きも自粛せざるを得なくなりそうだ。皮肉なことに今シーズンは山には雪がたっぷり。外出自粛による移動制限がかかる前に、駆け込みで毎厳冬期恒例「お手軽ディープパウダースポット」の東谷山で遊ぶことにした。宣言解除の頃にはおそらく「修行系モナカスポット」になってしまうからだ。

 今回も車の回収が面倒な二居は見送り、貝掛からの往復とする。夜明け前に貝掛温泉入り口の広い駐車スペースに到着。先着車3台。車中で着替えをしているうちに二人が先行していった。午前6時25分、私も車道脇の雪壁を攀じ登り、シール登行をスタートする。今シーズンは年末年始のドカ雪のおかげで昨冬同時期とは比較にならない程積雪量が多い。国道下のトンネル内にもうっすら雪がついていた。おかげでスキーを着脱すること無く樹林帯へ。


小雪舞う森をハイクアップ



 先行者のトレースはいつもの尾根ルートではなく、谷間を選んでいる。どこかでコース修正するだろうと思いきや、迷うことも無く沢筋を進んでいる。どうやら最短距離で山頂を目指すようだ。他人様のラッセルを拝借しながら文句は言えないが、先行トレースの罠にまんまと嵌ってしまった以上、今更引き返すわけにもいかず私も追随するしかない。

 谷ルートの常として最初のうちは斜度が緩いが山頂近くになると加速度的に勾配がきつくなる。それに雪がなければ小滝があるのだろうか、意外にアップダウンが多くて疲れる。それに先行者はシールの性能限界に挑戦するかのようにえらく急勾配でトレースをつけている。途中追いついてきた中年氏も初めての谷ルートとのことで、急斜面に長尺のスキーを持て余し、キックターンに苦戦していた。

 スリップ多発で音を上げた私は、標高1300m辺りで拝借したトレースを離れ独自ルートを開拓することにした。Pon2oonをもってしても膝ラッセルで中々ハードだが、雪山を歩いていることが実感できて何故か頬が緩んでしまう。


山頂までもう一息


 一人黙々と道を開き、9時50分、山頂に立った。全くのノー・トレースだったので、先行者は山頂を踏まずにドロップしたらしい。時間もあることなので日白山へと続く稜線の様子を確認してみようと、先にあるピークまで足を延ばしてみた。ガスで視界が悪く、目視できたのは鞍部への下降ルートのみ。それでも一応の収穫はあったので満足してUターン。


日白山はガスの中 前回鞍部に降りるのに左から回り込んで苦労したが、右側なら簡単


 山頂へ引き返すと何と多数のシュプールが交錯。どうやら私が寄り道している間に後続の何人かに先を越されてしまったらしい。私もシールオフ、ヘルメットオンして滑降開始。

 雪は期待通りの激パウダー、浮遊しながらどんどん下降していく。トレースやシュプールを避けて北側の斜面を滑ってみた。途中無木立のちょっと急な沢地形に入り、ディープパウダーを楽しんでいると、突然自分のスキーカットで発生したスラフが後方から押し寄せてきた。幸い少し流されながらも何とか転倒せずに安全地帯に逃れてセーフ。体が埋まる程ではないにしても、気持ちの良いものではない。東谷山北西面は雪崩の心配は無いとはよく耳にするが、ドカ雪直後はどこに危険が潜んでいるかわからない。以降、安全そうな斜面を慎重に選びながら滑降することにした。


破断面 厚さ30㎝くらいだろうか



橋を渡って国道下のトンネルへ



国道脇を自動運転で駐車スペースへ


 谷が狭くなると先行者のシュプールが交錯しゲレンデのオフピステ状態。楽しさは半減し消化試合となる。車への帰着は11時10分。短時間ながら、いつも期待に応えてくれる東谷山。暫く山から遠ざかることを余儀なくされる前に駆け込みでディープパウダーを楽しませてもらった。


行動時間 4時間50分


  
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