白馬乗鞍岳BC   2437m 長野・新潟県            
 


2017年1月26日(木)

 2シーズンぶり、今回5度目となる白馬乗鞍岳。栂池高原スキー場からのアプローチが良い上に、北アルプスのスケール感が手軽に味わえるのでお気に入りの山域だ。

 朝一番、8時に稼働を始めたゴンドラに乗り合わせたスキー場のインストラクター氏曰く、「今日は厳冬期に一度あるかどうかの穏やかな晴天、貴方は運が良い」とのこと。いえいえ、天気を選べるサンデー毎日の身なのでと応じると、「山の天気を的確に当てるのは難しいのに今日を選ぶとは大したものですね。装備も立派、云々」と持ち上げられる。このインストラクター氏の指導宜しきを得れば、おだて倒された豚は木登りならぬスキーが上手くなるかも。。。などと想像しているうちに栂の森駅に到着。

 ここから第二ペアリフトに乗り継げば更に100mほど高度を稼ぐことができる。しかし、その後の林道歩きが退屈なのでトレーニングがてらゴンドラ終点駅からシール登行することにした。


ゴンドラ駅終点からハイクアップ



ところが早々と深雪をラッセルする羽目に


 林道を避け森に分け入ると二日前までの降雪でふかふか状態。暫くはスノーシューのトレースを追っていく。ところが、このトレースの主は気まぐれなスノーハイカーだったらしい。途中であらぬ方向へ転進してしまった。

 仕方なく自らせっせとラッセルに励むことになった。この冬一番の冷え込みにも関わらず早くも汗が噴き出てくる。成城大学小屋を直接目指すつもりが、音を上げて途中で林道に合流。我ながらトレーニングとは意気込みだけの軟弱ぶりだ



文句なしの快晴



天狗原へとハイクアップ


 成城大学小屋から先は、素直に先行者のトレースに乗って楽をさせてもらう。天狗原に登り上げると先行者は二手に分かれていた。乗鞍岳直下の大斜面には単独が取り付いており、せっせとラッセル中。また右手の尾根には数名のパーティが登行しているのが見える。


乗鞍岳直下を登るスキーヤー



右の尾根筋から登ることに


 後者のルートはこれまで歩いた経験がないので、こちらを試してみることにした。上部はクラストしている可能性あり、念のためクトーを装着する。シーズン前に買い求めたブンリン3Dアセントの使い初めだ。


この斜面を直登してみた 左手にはジグザグに登る先行トレース


 暫くはトレース通りに進む。傾斜がきつくなってからトレースを外れ、直登性能を試してみた。勾配はクリノメーターに依れば35度。普段絶対にトライしないこんな急勾配を不安なくスイスイ登って行けるので驚いた。かくして直登刃の威力は確認できたものの、実は後でトラブルも。クトーが凍結してベースに固着、取り外すのにえらく「苦闘」させられたのだ。道具は使い方次第。今少し習熟と工夫が必要かも知れない。


日本海を望む



頚城の峰々


 山頂を目指さず、巻くようにして白馬大池方面へと向かっていった先行グループを見送り、私はハイマツ帯を抜け標高2456mの山頂へと向かう。ケルンは素通りし、だだっ広い山頂の適当なところで滑降の準備を行う。お楽しみ第一ラウンドのスタートだ。


岩交じりのハイマツ帯を登る


 大きく波打つシュカブラをやり過ごし、天狗原を見下ろすエントリーポイントへ。標高差250mの極上パウダーの大斜面は数ターンであっけなく終了、その足で自然園に向かって落ちるスロープへと滑り込む。この辺りにはシュプールは一本も見当たらず、無垢の大斜面が広がっている。ここでもパウダーを堪能し、20分とかからずに栂池ヒュッテまで滑り降りた。


山頂のシュカブラ帯



山頂から滑降(コントラストを加工)



無垢のスロープを滑り降りる



栂池平より望む白馬岳 このトレースはどこへ向かっているのだろうか?


 時刻は12時半を回ったところ。このまま切り上げるには天気と雪質が良すぎるので第二ラウンドにチャレンジすることに。登行は午後2時までと時限を設けて、裏鵯を俯瞰する尾根を行けるところまで登ることにした。


天狗平から降りたシュプールが多数見えるが、こちら側のスロープはきれいなもの


 再びシールを貼って歩き出すと、第一ラウンドの疲れが出て思うように足が上がらない。ゆっくりのペースで標高2041mまでハイクアップしたところでタイムアップ。ここから再び手垢のついていない斜面でツリーランを楽しんだ。


第二ラウンド どんどん落ちる



さらに落ちる


 成城大学小屋からはロープウェイ沿いに滑降。少し重くなってきたパウダーを最後まで楽しむことが出来た。ゴンドラ終点到着は午後2時35分。BCの余韻に浸りつつ、標高差750mのゲレンデをのんびり流して無事駐車場に帰着した。


行動時間  6時間



  
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