編笠山  権現岳   長野・山梨県 2524m、2715m          
 

2016年11月20日(日)

 前回の木曽駒ヶ岳の後、スキーの足慣らしのため富士山イエティへ、その翌日には久しぶりのゴルフと張り切り過ぎたせいか、持病の腰痛と右足脹脛の軽い肉離れに泣かされる羽目になった。まだ完治にはほど遠いが、すっきりと晴れた秋空を見上げながら家で悶々としているのは、フィトンチッド中毒の私にとって拷問に等しい。

 軽いハイキングなら大丈夫だろうと、リハビリを兼ねて八ヶ岳の編笠山を歩くことにした。せっかくなので体調が許せば権現岳まで足を延ばしてみるつもり。

 午前5時に観音平に到着。数台の車が先着していたが、まだ仮眠中なのか静かなものだ。周囲に人の気配は無い。早速身支度をして、5時20分に車を後にした。

 出だしの緩い登りでウォーミングアップしながら、腰と脹脛の状態を確認する。日常生活にも不自由し、コルセットが手放せなかった腰は不思議なことに絶好調、痛みは全く感じない。脹脛の鈍痛が気になるが、この程度なら大丈夫だろうと先々後悔することになる大甘の自己診断をする。


         富士山のシルエットが浮かび上がる                   ここまでは緩い上り坂


 ヘッドランプの明かりを頼りに歩を進める。いつの間にか東の空に赤みが増し、富士山の黒々したシルエットが浮かび上がってきた。雲海展望台辺りで足元が十分明るくなったのでライトオフ。


             冠雪した南アルプス                              雲海上の富士山


 青年小屋への巻道分岐を過ぎると岩がゴロゴロして歩き難い急坂となる。足に重い負荷がかかるようになると危惧していた綻びが出始めた。右足の脹脛の痛みがじわじわと酷くなってきた上に、左足の付け根まで痛くなってきたのだ。ダメージのある右足をカバーしようと無意識のうちにもう一方の足も無理をしてしまうのだろう。もちろんペースは牛の歩み。単独と二人組の若者が矢のように私を抜き去っていった。


編笠山山頂より 南八ヶ岳の主峰揃い踏み



北アルプスの峰々



南アルプスの峰々


 出発から2時間35分、7時55分に編笠山の頂に立った。ここが本日のPoint of return、引き返すかどうかの思案どころだ。時刻はまだ8時前。足の痛みは耐えられない程ではないし、腰痛もコントロールできているしと、ここでも大甘の判断を繰り返し、腹案通り権現岳に向かうことにした。

 青年小屋に向かって下り始めると、融けた雪が凍り付き、登山道はまるで氷の滑り台と化している。それでも、地面が半ば露出しアイゼンを使うほどではないので、足元に神経を集中し慎重に下った。


            青年小屋へと向かう                        北向きなので凍てついた登山道 


 青年小屋前のベンチで小休止。行動食を腹に納め、権現岳への300m強の登りに備える。歩き出すとやはり足の調子は今一つ冴えない。騙し騙しといった感じで足のご機嫌をとりながら急坂を一歩一歩登って行く。


編笠山を振り返る



権現小屋が見えてきた



鎖場



赤岳へと向かう稜線 雪は日陰に僅かに残るのみ


 9時35分、権現岳の狭い頂に立った。冷たい風に急かされ、周囲の雄大な景色をカメラに納めた後はそそくさと下山にかかる。三ツ頭へと向かう山頂直下は鎖場もある結構急な斜面。残雪期に初めて権現岳に登った際にプチ滑落して怪我をした因縁の場所だ。


権現岳山頂よりギボシを振り返る 手前は鉄剣



山頂より南アルプスを望む 帰路は左側の尾根を下る


 三ツ頭で主峰赤岳に別れを告げ、下山を続ける。腰は好調を維持してくれているものの、足の方はもう満身創痍だ。右足脹脛と付け根の痛みに加え、今度は左膝まで痛みだしてきた。


赤岳に別れを告げる



        小走りで下れそうな道をトボトボと


 トレランの若い衆が駆け下っていくのを横目に見ながら、忍の一字で下山を続ける。痛くて足が前に出ないので、トボトボと生気の無い歩きになり、まるで敗残兵。イラストで示すとこんな感じ。








 


          八ヶ岳横断歩道との分岐                         散歩道をトボトボと。。。


 ウンザリするほど長く感じた尾根道も八ヶ岳横断歩道で漸く一段落。最後の標高差50mの上り坂に止めを刺されて、12時30分、観音平にヨレヨレになって帰着した。着替えを済ませ車に乗り込んだ途端、山を歩いている最中は何とも無かった腰に鋭い痛みが走り、爆弾炸裂。。。完全復活にはまだまだ時間がかかりそうだ。 


行動時間 7時間15分


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