富士山   静岡・山梨県 3776m          百名山
 

20131114日(木)

 雪山トレーニングがてら今回で9回目となる富士山へと向かう。前日の厳しい冷え込みと積雪状況が気になるが、一度は経験しておきたいプレ厳冬期の富士山だ。

 いつものように夜明け前に富士宮五合目の駐車場に到着。車の温度計はマイナス
5度を表示している。停っている車は10台ほど。準備を終えた登山者が三々五々出発していた。

 610分、いつもより少し厚着をして
に私も車を後にする。眼下に広がる雲海と宝永山からの日の出は、毎度お馴染みながら、何度見ても素晴らしい景観だ。雪は思っていたよりも少ない。先日の積雪は5合目辺りでは日陰斜面に微かに残っているだけ。下から見上げる限り本格的に白くなっているのは7合目から先のようだ。


             モルゲンロートの富士山                       素晴らしい雲海の眺め



              7合目へ向かう登山者                     いつになくクリアな宝永山の眺め


 トレーニングのためオーバースペック承知で履いているとは言え、冬用二重靴は、まるでスキーブーツのようで歩きづらいし重くてかなわない。それでも自分なりのペースで歩いているうちに
6人の先行者に追いつくことができた。少し気をよくしていると、7合目を目前にした辺りで薄着に素手の若い女性がハイペースで登ってきていとも簡単に抜き去られてしまった。最近どうもこの「若い女性の後塵を拝す=尻を追いかける」パターンが多いのは何故だろう。強い山ガールが急増中?それとも私の老化が急加速中、、、?

 下から観察した通り、
7合目から少しずつ雪道となってきた。キックステップもそろそろ限界になってきたので、元祖7合目で12本歯のアイゼンを履く。


             7合目からは雪道                             地球は丸いを実感


 小屋のすぐ上で
3人パーティが下山していたが、どうも様子がおかしい。見れば一人が登山道のガイドロープを握り締めたまま仰向けになってもがいている。足元は雪道用のアイススパイクらしきものを装着していたが、滑りまくって進退窮まったらしい。小屋までせいぜい20mであるし、同行者がサポートしていたので大事にはならなかっただろうが、雪山を甘く見たツケを背中の擦り傷で支払っているようなもの。しかし、それで済めば安い授業料だろう。


          元祖7合目からは本格的な雪                    小屋の上で立ち往生する登山者


 一方、私の方はと言えば、アイゼンの御蔭で爪がしっかり雪面を噛んで歩きやすくなったが、唯でさえ重い冬靴にアイゼンの重量が加算されてガックリとペースダウンしてしまった。
9合目を過ぎると、雪は強風で飛ばされてしまうのか、露出した岩が多くなってきた。ガリガリと爪が岩を噛んでバランスが崩れやすく疲れる。


          この辺りロープが出ているが、、、                     埋もれているところもあり


 ヨレヨレになって
1030分に浅間大社奥宮に到着。夏には2時間45分で歩けた同じコースに4時間20分かかってしまった。「靴の100gは背負った荷物の500gに相当する」などとする説もあるが、その真偽はともかく靴の重量は、疲労度とその結果としての歩行スピードに相関しているのは間違いない、、、と不甲斐ない自らを慰めるのだった。


            やっとこさ山頂                                 コノシロ池は雪の下


 剣ヶ峰へと向かって登り始めると件の女性が足取りも軽やかに下山してきた。てっきり富士山の常連さんと思いきや、聞けばまだ二度目とのこと。アイゼンを履いての歩きっぷりも堂に入っていて大したものだ。

 いつも強風が吹き荒れ、ガスが湧き出る山頂も、今日はほぼ無風快晴。最高の天気に恵まれた剣ヶ峰で大パノラマを楽しむことができた。北アルプス方面は真っ白な屏風と化し、更に白山岳の後方にも白屏風が連なっている。方角的には上越の山々だろうか。


八ヶ岳の背後に北アルプスの白屏風



白山岳の左手には上越の山々



浅間大社奥宮を振り返る


 
1150分、そろそろ山頂を辞して下界に戻ることにする。夏道はあって無きが如しなので、下山ルートは意図的に夏道の左手に広がるスロープ沿いにとってみた。岩の露出していないまっさらな雪の斜面にアイゼンを効かせながら下っていく。

 雪の緩み具合といい斜度といいスキー滑降にはぴったりだ。11月の富士山滑降は余り聞いたことがないが、コンディションさえ選べば、関東圏の人は立山辺りに行くよりもお手軽に山スキーを楽しめるかも知れない。


              岩に氷の花が沢山                       スキーがあればと思わせるスロープ      



         どこまでも続く自然のゲレンデ                       6合目辺りから雲海に突入


 途中滑落停止訓練の真似事などをしながら、宝永山に向かってどんどん高度を下げ、途中からブルドーザー道を辿って
7合目に合流した。5合目には1340分に帰着。冬靴と足との相性も大分良くなってきたし、雄大な雪景色も楽しめて、今日も疲労感が快感に取って代わるランナーズハイ的大満足の一日でした。


行動時間 7時間30

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