富士山   静岡・山梨県 3776m          百名山
 

2013103日(木)

 今回も夕方までしか時間が取れないのでお手軽な富士山詣。富士宮口は初登頂以来の2年ぶりだ。まだ夜の明けやらぬ富士山スカイラインでの出来事。Rのきついカーブを曲がりきった瞬間、目の前に鹿が飛び出してきた。あわや衝突とハンドルを強く握り締めたが、幸い間一髪でかわすことが出来た。ぶつかっていれば鹿も可哀そうだが、車も被害甚大。お互い無事で何よりだった。

 ちょうど日の出時刻に五合目駐車場に到着。流石に
10月にもなると、いつも満員御礼の駐車場も車が疎らだ。見事な朝焼けを眺めながら支度し、ぽつぽつとスタートする登山者に混じって私も歩き出した。気がかりな天気も今のところ心配なさそうだ。


 6
合目に着くと、お馴染みの通行止めフェンスに進路を阻まれる。今年は随分と強固なバリケードだ。這いつくばって下をくぐったが、良く見れば小屋脇に抜け道が出来ていた。


             散歩中のワンちゃん                         前回よりえらく厳重なフェンス


 登山口からはコースロープ沿いに黙々と歩く。火砕岩の大地を背景に朝日に輝く黄金
色の草紅葉が富士山の秋を演出してくれている。しかしそうした風情を楽しめるのも最初だけ。直ぐに植生ゼロの荒涼とした景色になる。富士山に通って6回目、最近はこうした殺風景な眺めにも親しみが持てるから不思議だ。数百回のレピーター歴を誇る富士山フリークのお歴々の気持ちが少し理解できるようになった気がする。


               見事な草紅葉                             雲海に浮かぶ愛鷹山


 今日はトレーニングのつもりでペースアップを試みているが、所詮自らの実力は越えられず。息ばかり上って足と気持ちはやや空回り気味だ。登山者を何人か追い抜いていい気になっていたのも束の間、いつの間にか後ろに迫っていたトレラン姿の若者にあっさりと抜かれてしまった。


                 8合目                                 9合目を望む


 
5合目から2時間45分で浅間大社奥宮に到着。先ほどの若者が休憩していたので、ちょっとお喋り。彼の記録は2時間20分で自己ベストだったそうな。3回りほども歳の違う若い衆と張り合っても仕方ないが、やはりちょっと悔しい。水分補給をしてから同君と別れ、剣ヶ峰へと向かう。


                9合目                                     剣ヶ峰


 日本最高点で大休止。ここで今回の新兵器登場。持参したオキシオメータで血中酸素飽和度をチェックしてみた。心拍数は
100を越えていて、SPO275%。測定間違いではないかと思われるほどの低値だ。ちなみに先日の赤岳山頂で測った時は85%だった。

 日本登山医学界のHPによれば、平均-標準偏差X2の危険域とされるレベルだ。そう言えば、いつもは高度障害を自覚したことがないのに、今回に限って御鉢巡りの最中に欠伸を連発、耐えられないほどの眠気に襲われた。やはり今回は年不相応に頑張り過ぎたせいか。

 高所に留まった時、
SPO2が時間経過とともにどう変化するか興味があるが、テントでも担いで来ない限り長時間の計測は無理なので今回はパス。
 







                   本図は日本登山医学界HPから引用

 うとうとしながら御鉢巡りを
9割ほど終えたところで、御殿場ルートから宝永山経由下山することにする。目の前には雲が高く聳えていてどうやら下界の天気があやしい(帰途富士山スカイラインはやはり雨だった)。誰一人遇うことも無く、マイ富士を満喫しながらどんどん高度を下げて行く。


南アルプスと雲がかかった八ヶ岳



        ここも通行止めの御殿場ルート下山口                     雲めがけて下りて行く   


 御殿場ルートで今回得た収穫の一つは長田尾根の建設記念碑を「発見」したこと。その昔、観測所勤務の方々の通勤路だったとか。冬季の登頂記録でお馴染みの尾根なのだが、地図にはそんな名称はどこにも記載されておらず、ずっと気になっていたのだ。いつかトライしてみたい。


            長田尾根と建設記念碑                           ついに雲中に突入



             大砂走りとの分岐                               宝永山山頂



草紅葉の第一火口


 
7合目からは大砂走りのような砂礫の道が始まる。前日は雨だったようで砂埃が立たないので有難い。馬の背からすっかりガスのベールが降りてしまった宝永山へと寄り道する。この辺り地球上とは思えない一種異様な景色だ。山頂には同年輩のハイカーが一人。富士宮の方で、山頂はシンドイので宝永山を往復するだけだそうだ。ここから先は殆ど標高差の無いトラバース道。次第に濃くなるガスのなか、第一火口を経て5合目駐車場へと帰着した。


行動時間 6時間40


後記

 同じ富士宮口コースを歩いた2年前と比べてどれだけ記録が短縮できたか興味津々だったが、自宅で過去のデータを紐解くと何と全くの同タイム。2年間何の進歩も無かったとガッカリするか、はたまた老化に対抗して体力維持ができたと喜ぶべきか悩ましいところだ。

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