2013年9月6日(金)
富士山には過去4回登っている。富士宮と御殿場ルートがそれぞれ1回、山スキーで吉田ルートを2回ということで合計4回、須走ルートだけが未体験のまま残っている。8月31日は「待ちわびた」閉山式。世界遺産登録もあったりして大混雑が伝えられた夏の登山シーズンがようやく終わったのだ。秋雨前線の狭間を狙って早速この未踏ルートに出かけることにした。
夜が白々と明け始めた午前5時にふじあざみライン終点の須走五合目に到着。驚いたことに登山シーズンは終わったといっても、駐車場は満杯に近くてガックリ。それでもあまり人の気配が無いということは、どうやら多くの人は御来光目当ての徹夜登山らしい。
5時25分に茶店街を通り抜け神社の鳥居をくぐって出発。今回は須走ルートの初体験と言うこともあるが、年末に予定している海外トレッキングのトレーニングも兼ねて少し気合いを入れて歩くことにした。
微妙にゲートを開けた「通行止め」 鳥居とその奥の新宮はちょっとチープな感じ
試みに少し前に出発した若い二人組の後を追ってみるが、いきなりのハイペース。口をパクパクしても呼吸が整わない。額からは汗が止めども無く流れ落ちる。それでも我慢して歩いているうちに心肺機能がこのペースに順応してきたから不思議。息の乱れも収まったし、これなら乳酸の処理能力内で歩いていけそうだ。
薄暗いダケカンバ?帯を歩く と、その先には世界遺産がお出迎え
6合目で仮想ライバルの二人組をキャッチアップ。休憩中の彼らを尻目に先を急ぐ。樹林帯を抜けると青空をバックにした富士山が出迎えてくれた。見通しがきくようになった登山道には単独やグループなど、相当な数のハイカーが登っているのが見える。彼らを一人、また一人と次々に追い抜いて行く。20人まで数えていたが、キリが無いので止めた。
前を行くハイカー達
朝日に輝く雲海が美しい
7合目 景色そっちのけでケータイに夢中の若者
7合目を過ぎると、今度は御来光を拝んだ人達が続々と下って来た。8合目と7合目の間の登山道は、登行、下山兼用となっているので、ロープで仕切られただけのそれ程広くも無い登山道はミニ渋滞になってしまった。
8合目を過ぎると途端に吉田ルートからのハイカーが加わり、人口密度がさらに増えた。標高が3300mを越えたせいか、ここまで快調だった足がにわかに重くなり不覚のペースダウン。それに右足の大腿四頭筋にも嫌な違和感がある。
続々と下山してくる人達 頂上間近
そうこうしている間に、ここで本日初めて他のハイカーに抜かれた。しかもか弱そうな小柄な女性にだ。これが丁度良い闘魂注入ビンタになった。気合いを入れ直してペースアップ、山頂を目前に急坂に喘ぐハイカーをどんどん追い抜いて行く。
久須志神社には9時10分に到着。ここまで3時間45分。標準CTが7時間弱なので私としてはかなり頑張ったタイムだ。1時間当たり高度差465mのペースなので、もしこのペースを維持できれば、目標にしている御殿場コースの5時間切りも夢ではない、、、、等と気を良くしてここで大休止としたかったが、ともかく風が強烈でゆっくりさせてもらえない。吹き飛ばされないように気をつけてウインドブレーカーを着るのが精一杯だ。
山頂到着 山小屋は店じまいの真っ最中
御鉢巡りをしようと稜線に出ると、間断なく吹き付ける風にとても体を真っすぐにして歩けないほど。しかし、強風域が久須志神社の一帯だけのようで、時計回りにぐるりと回って浅間大社奥宮の辺りに着くと嘘のように穏やかだった。陽だまりのベンチに座ってやっと落ち着いてランチタイムとする。
岩陰はツララだらけ 浅間大社奥宮前で一休み
食後は御鉢巡りの残りハーフの継続。もちろん日本最高点の剣ヶ峰に寄っておくことは忘れない。1時間40分ほどかけて久須志神社に帰着。そのまま下山にかかる。
剣ヶ峰へ
火口と白山岳
南アルプスらしき山並み
大沢への滑降ポイントを見る
ブル道をジグザグに下っていくと、体力の限界を越えてしまったようで足が固まっている青年、後ろ向きになって下る若い女性等々、明らかに普段あまり登山に親しんでいないことが見て取れる人達がいる。富士登山がトラウマになって一生山嫌いにならないといいのですが。。。
ブル道を下る ブルは「荷下げ」の真っ最中
ほどなく砂走りに。御殿場ルートの大砂走りほど規模が大きくないし、石混じりなので飛ぶようには歩けないが、大股で下れるので十分快適だ。休まず歩き続けて12時50分登山口に帰着。
既に紅葉が始まっている ガスに包まれた砂走り
閉山式を終えたはずなのに茶店はやっていてオバサン達が熱心に客引きをしていた。単調な景色には辟易だが、富士山は近いし何といっても日本一の山、これからも出来るだけ足繁く通って足腰の鍛錬と高度順応の足しにしようと考えている。
行動時間 7時間25分
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