富士山   静岡・山梨県 3776m          百名山
 

2018年10月16日(火)

 新聞によれば富士吉田市が、15日富士山の初雪化粧宣言をしたとのこと。9月26日の初冠雪から遅れること20日、ようやく本格的な雪景色が見られそうだ。早速冬山トレーニングがてら毎年恒例の初雪詣でに出かけることにした。

 それはそうと、早朝の富士スカイラインは要注意。来る度に道路を横断する鹿にハラハラさせられるからだ。スピードは禁物。かつてカーブを曲がったところで、いきなり飛び出した鹿に危うく衝突しそうになったことがある。今回も前方を注視していると、立派な角を生やした牡鹿が道路の真ん中に悠然と佇んでいるのを発見。泰然自若というか、近寄っても逃げない。クラクションを鳴らしたらようやく道を空けてくれた。帰宅時には道路脇に小鹿の無残な轢死体があったし、先日の常念岳下山後のサルの大群との遭遇といい、野生動物との境界線が最近増々人間界寄りになってきたことを実感している。


雪を見てモチベーションアップ


 6時15分、富士宮五合目登山口をスタートした。今回は久しぶりに重厚な革製冬靴を履いてみた。これにずっしりと重い旧型のグリベル12本歯アイゼンを装着すれば、丁度良いトレーニング用アンクルウエイトになる。空を見上げれば予報通りの高曇り。それでも愛宕山や駿河湾はくっきりと見え視界は良好だ。


愛宕山がくっきり


 標高2400mからのスタートは何度経験しても辛い。心肺が高度に順応していないため、初っ端から荒い息遣い。足りない酸素は呼吸数で補うしかないのだ。

 七合目で先行していた同年配の方をキャッチアップ。高度に身体が慣れてようやく呼吸が落ち着いてきた。この辺りから登山道にチラホラと白いものが混じり始めた。八合目を過ぎると周囲はすっかり雪景色となった。ここでアイゼン装着。


すっかり雪景色


先行者の踏み抜き跡



久々のアイゼン


 登山道の雪は表面が凍結している所謂モナカとなっている。皮が厚ければ、快適なアイゼン歩行ができるが、薄皮を踏み抜いたときは足首ラッセルとなり消耗させられる。

 八合目半ばで単独の外国人男性に追いついた。足元は軽登山靴。「アイゼン無しで大丈夫ですか」と聞くと「かなりスリッピーなのでそろそろ引き返す」とのこと。その後彼の姿を見ることはなかったので素直に下山したらしい。


ロープにエビの尻尾


 さらに九合目を過ぎるとアイスバーンが多くなってきた。先行者はフットプリントから判断して二名。一名はノーアイゼンで頑張っているようだ。山頂直下まで来たところで下山中の外国人男性と行き会った。ノーアイゼンは彼だった。滑りまくるので手と尻のフリクション頼りに降りている。岩が多少露出した雪面なのでまだしも、もう少し季節が進んだら全面凍結。登山道はあの世行のウオータースライダーと化してしまうだろう。


九合目を過ぎた



凍てついた小屋



尻と手をついて下山する外国人男性


 10時30分、浅間大社奥宮に到着。休まずに剣が峰へと向かう。途中で先行していたもう一名と行き会う。バラクラバで顔を覆い完全な冬仕様だ。御鉢を吹き抜ける凄まじい風に逆らいながら先へと進み、10時55分に日本最高点に立った。



剣ケ峰へ直行




白山岳 背景は八ヶ岳(左)、三つ峠方面


 寒風の中、冷たく砂を噛むような行動食をとっただけで下山開始。強風吹き荒れる中、御鉢巡りをする気にはならない。下り道、続々と登ってくる登山者の足元を見ると、ピンソールなどの簡易アイゼンが殆ど。そんな頼りない足回りにも関わらず、雪道を駆け上り、駆け下っていったトレランの若者がいたのには驚いた。

 休まずに黙々と下り続け午後1時40分に五合目に帰着。重い足回りで標高差1400m。このところ悩まされていた膝の鈍い痛みや、持病の股関節痛が再燃することも無く、ウインターシーズン到来を前にしてちょうど良いトレーニングになった。


行動時間7時間25分


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