2017年10月26日(木)
標高の高い山から雪の便りが続々と届き、愈々待ちかねた雪山シーズンの到来。この季節、都会に降る冷たい雨は、山では雪。そんな雨天の翌日、シーズン初の新雪の感触を味わいたくて今年三度目となる富士山に向かうことにした。
夜明けのタイミングに合わせて到着した富士宮五合目駐車場。ここから山頂を見上げると、期待通り八合目以上は真っ白だった。早速身支度開始。冬靴にロングスパッツで足元を固め、バックパックには、12本歯のアイゼンを忍ばせておく。この時期としては完全にオーバースペック。しかし、本格的雪山に備えてのトレーニングも目的の一つなのだ。
五合目から見上げる雪化粧した富士山
午前5時55分に出発。六合目へと向かう上り坂では、毎度のことながらえらく息が切れる。標高2400mと、酸素濃度が平地より25%低いところからいきなり歩き出すので、スタートから暫くは心肺がついてこないのだ。
そんな苦しい登行を続けていると、朝日が昇り眼下には息をのむような絶景が広がった。駿河湾から相模湾、さらにはその奥の伊豆半島がくっきりと一望できた。過去何度も富士宮から登っているが、これほど大気の透明度が高かったことはない。天候不順の続く昨今には珍しい最高の登山日和だ。
日の出とともに、、、
絶景が広がる
七合目で先行者4人をキャッチアップ。平日にこうして山歩きをしているのは、その殆どがリタイヤしたサンデー毎日組と決まっている。案の定、冠雪した富士山に相応しく、眉雪の方々ばかりだった。私など若輩の方で、こうした元気な諸先輩からは話しているだけで、活力とまだまだやれるという希望の御裾分けを頂いてしまうのだ。
標高3000mを越えるとぼちぼちと登山道に積雪が見られるようになった。初めは粉をまいたような雪が、歩くほどにその密度を増し、九合目から先は露出した岩の方が少なくなった。吹き溜まりでは足首が隠れるほどだ。
ぼちぼち積雪が見られるように
宝永山
八合目付近の様子
九合目付近の様子
山頂直下の様子
さらにすっかり息の上がった様子の一人を追い抜き、9時15分、浅間大社奥宮に着いた。所要時間は3時間20分。体調不十分でも随分と頑張った。前回9月よりも5分タイムが下回ったのは、雪のせいということにしておこう。
またやってきました
ノンストップで剣ケ峰へと向かうが、山頂を極めるというより、むしろ360度の景色を楽しむお鉢巡りのついでに立ち寄ると言った方が正しい。剣ヶ峰は最高点にも関わらず、測候所跡が邪魔してアルプス方面の眺望が遮られてしまうからだ。
次は剣ヶ峰へ
剣ヶ峰で軽くカロリー補給をしたらお鉢巡り開始。白山岳に向かう途中、大沢崩れの真上辺りから眺める南アルプスは圧巻だ。標高の高い白峰三山の山頂付近は真っ白になっていた。さらに八ヶ岳の背後には屏風のように北アルプスの白銀の峰々が連なっている。八ヶ岳の右手にある白き山は浅間山だろうか。
剣ヶ峰より富士館を振り返る
白山岳方面はノー・トレース
ノー・トレースの雪を踏みしめ火口をぐるりと一周。その間ずっとヘリが山頂周辺を飛び回っていた。どうやら写真撮影だったようで、この日の夕刊にでかでかと雪化粧した富士山の写真が掲載されていた。同夕刊によると富士吉田市は、「誰もがきれいと実感できる降雪」を判断基準として初の「初雪化粧宣言」をした由。
剣ヶ峰を下る
本栖湖の彼方に冠雪した南アルプス
吉田大沢は六合目辺りまで雪がついている模様だが、まだスキーは無理
吉田ルートはスバルライン閉鎖でひと気無し
金網がこんなことに
相模湾 ここはガスが沸き立つことが多く、この景色を滅多に見ることは無い
景色を堪能したお鉢巡りを終了し、下山にかかる。所詮神無月の雪、早くも半ば融けかかっており、せっかく担いできたアイゼンが無用の長物と化したのは残念。多くの登山者とすれ違いながら、下山を続け、12時50分に五合目に帰着した。
五合目から下は黄葉真っ盛り
GPSは今回も何度も衛星信号をロスト。信号捕捉できている間でも記録されたトラックは実際のルートから大きく外れており、全く使い物にならなかった。修理品の代替え機を修理に出すでは話にならない。今後修理品が戻るまでは、スマホGPSソフトで代用するつもり。
行動時間 7時間
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