越後駒ヶ岳BC  新潟県 2003m   百名山    
   

2014416日(水)

 先週強風であえなく途中敗退した越後駒ヶ岳に日を改めての再挑戦。今回は昨年も春山スキーをご一緒して頂いたKさんをお誘いした。Kさんは今シーズン、八方で100日以上スキーを楽しまれたという。磨きをかけたスキーテクニックはもとより、年齢を感じさせない鍛え抜かれた筋肉質の体躯をお持ちの方だ。

 朝
6時のシルバーラインのゲートオープンに合わせて現地集合する。545分にゲート着。既に数台の車が列をつくっていた。ゲートオープンとともに各車一斉に走り出すが、目的地はそれぞれ。結局、石抱橋へ向かったのは我々の車と少し遅れて到着した、若いカップルの車だけだった。

 前回訪れてから、まだ一週間しか経っていないのに季節の変化は急ピッチ。勢いを増した北ノ又川の流れ、法面に増えた大きな雪割れ、雪から姿を現した開高健の碑石等々、まるで加速度がついているかのようだ。


またやってきました


 各々身支度を整えて、
640分にシール登行開始。北ノ又川左岸沿いの小高い林道を歩く。対岸の銀山平森林公園にはテントが設営されていて、その周りに何やら人だかり。コースを滑るノルディックの選手らしき姿も遠望できる。大会でもあるのだろうか。


             北ノ又左岸を行く                          先週は無かったブロック雪崩


 そろそろ崩落も時間の問題といった感じの骨投沢のスノーブリッジを渡って尾根向こうの柳沢へ。前回同様、手前から
2番目の支尾根に取り付く。例によってのっけからの急登。気温が高いせいか雪面はグサグサだ。


            骨投沢のスノーブリッジ                      柳沢出会い、ここから尾根に取り付く


 ジグザグ登行のきつい登りも
30分足らず、程なく斜度も緩やかになり尾根筋へと出た。尾根沿いの急斜面にはクレバスが目立つ。この一週間の間に雪割れがだいぶ進行しているようだ。行く手に目をやれば、前回は、終始雲の中にあった越後駒ヶ岳が今日はそのたおやかで美しい姿を見せてくれている。


           尾根に出るとこの景色                      先週行き詰まった南尾根の大クレバス


 道行山へは
2時間20分ほどで到着。小休止の後、シールのまま鞍部へと滑り降りる。ここは結構スピードが出るので、念のためヒールを固定しておく。広くて長い稜線は、前回とは大違いで風が穏やか。同じ山とは思えないほどだ。


          早晩雪が切れそうな痩尾根                            道行山に到着    



駒ケ岳へと続く広くて長い稜線


 小倉山の山頂直下のトラバースはいやらしい雪庇の真下。それほど崩落しているわけでもないが、余り気分の良いものではない。急ぎ足で駆け抜ける。

 百草ノ池を過ぎると、高度差にして
300mの前駒への急登が始まる。雪面は全般的にかなり緩んではいるが、クラスト気味のところもあるのでクトーを装着していく。


                 Kさん                                     私



 試みに今回は、
TLT純正のクトーに仕掛けを施しておいた(左の写真)。ヒールアップした際に歯が浅くなって効きが悪くなるのを防ぐため、固めのゴムスポンジを貼り付けてかさ上げしたのだ。ブーツの踵でクトーの歯をしっかり雪面に押し込めるようになり、使い勝手が格段に良くなった。クッション性も抜群。但し、スポンジなので耐久性には若干難あり。











 この斜面にも落ちればただでは済まないような、大きくて深い裂け目があちこち口を開けていた。場所をマークして帰途の滑降に備えておく。

 前駒の急登を終えても駒の小屋まで、また一頻り厳しい登りが続く。ここは左側を巻くようにして急斜面を登り、
1120分、ようやく駒の小屋に着いた。寒風を避けるため2階の入口から小屋の中へ入ってランチタイム。


          急登をジグザグ登行するKさん                         駒の小屋に到着


 
30分の大休止の後は、駒ヶ岳への最後の登りだ。山頂は彼方に見えていても実際はそれほどではない。僅か15分ほどで駒ヶ岳山頂に立った。石抱橋から5時間25分、久しぶりのロングウォークだった。前回のリベンジも果たせたので感無量だ。


八海山を背景に駒ヶ岳山頂


 春霞ながら
360度文句なしの大展望。景色をカメラに収めた後は、早速シールオフして滑降の準備に入る。滑降前にやるべき宿題が一つ、オツルミズ沢の源頭を観察しておくことだ。素晴らしいバーンが連続していて食指が動くが、Kさんは気乗りしないご様子。今回は初回ということで無理はせず、次回の楽しみに残しておきましょう。


オツルミズ沢へ落ちるバーン


 
1230分、滑降開始。まずKさんが駒の小屋まで滑り降りたのを見計らって、次は私の出番。少々荒れた雪面は見た目とは裏腹に、殆ど引っかりも無く気持ちよく滑り降りることができた。ちょうど登りにかかった若いカップルとすれ違う。大柄のお二人は若いだけあって逞しい。大きなスライドでぐいぐいと登っている。


駒の小屋へ向かってまっしぐらに滑り降りるKさん


 駒の小屋直下は下が見えない、かなりの急斜面。南向きの斜面を
23回ターンしてからスキーヤーズレフトにトラバース気味に進み、前駒へと降り立った。前駒からはKさんと交互に撮影会を開催する。お互いの滑降写真を撮り合いながらの下山。下手な私のは絵になりませんが。


駒の小屋からの急斜面を滑り降りるKさん


 稜線上は極上とまでは言えなくとも、スキーの操縦がしやすい上質ザラメで、辛い登りの苦労が完全に報われた感じだ。道行山への登り返し地点まで滑り降りたところでシールオン。道行山から柳沢源頭へ滑り込む腹案もあったが、安全第一で登路を下ることに。


          まだまだ楽しい斜面が続く                         痩尾根の滑りはちょっと試練


 ここでもザラメを楽しみながら北ノ又川の畔まで一気に下った。その後は、前回同様、ヒールフリーで細かなアップダウンの多くて長いアプローチを下る。かくして天候にも恵まれ、大満足のうちに越後駒ヶ岳
BCを無事終えることができた。湯之谷温泉に立ち寄り、汗を流してから帰宅の途についた。Kさん、今回も大変お世話になりました。これに懲りずまた宜しくお願いします。


行動時間 8時間20


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