畔ヶ丸    1293m 神奈川県        
      


2022年5月10日(日)

 現役時代、利用させてもらうことも無いのにと文句を言いつつせっせと払い続けた健康保険、ここ最近は医療のお世話にならない月は無いほど、一転して回収する側に回っている。先月初めには、発症率が3000人に一人という籤を引き当てて突発性難聴を発症。忘れもしない午後3時きっかり、文字通り「突発的に」症状が現れた。まず左耳の聴力が失われ、その後襲ってきたのは強烈な眩暈と吐き気。その日の晩は悲惨だった。就寝中、目を開ければ天井が高速回転。気分も最悪で、中々床から起き上がれず、トイレに行くのも大仕事だった。

 治療開始が遅れると症状が固定してしまうとのことなので、翌朝一番で病院へ直行。幸い早期治療の甲斐あってか、2週間ほどで聴力はほぼ元のレベルまで復活してきた。しかし、眩暈が後遺症になってしまったらしく中々治まらない。振り向くなど不用意に頭を動かそうものならよろけて尻餅をつきそうになる。積極的に小脳を鍛えるべしとのDrの指導に従い、毎朝散歩しながら眼球や頭を上下左右に動かし、ふらつきを我慢するトレーニングを実践。こうした挙動不審者さながらのリハビリを続けた結果、ここ最近は、ようやくまともに歩けるところまで回復してきた。

 街歩きの次はそろそろ山歩きということで、一か月半ぶりに登山靴を履いてみることにした。回復したとはいえ、平衡感覚がかなりダメージを受けたので山スキーのブーツは封印。残念ながら今シーズンは前回の会津駒ヶ岳をもって強制終了ということになる。復帰第一戦は、慣れ親しんだ西丹沢でリハビリ登山に勤しむことにした。この時期、檜洞丸などはツツジ目当てのハイカーで大賑わいになるので、今回選んだ山は地味な畔ヶ丸。無謀かもと危惧しながら選んだルートは、ややマニアック。一般登山道の無い藪漕ぎルートと石がごろごろして足元不安定な河原歩きを組み合わせれば、相当なリハビリ効果になるとの目論見だ。

 結論から言うと結果はすこぶる良好。西丹沢VCからすぐ取り付いた尾根での「泥の急坂四つん這い登高」や、帰路の荒れた西沢での、「石飛の渡渉や丸木橋渡り」等、バランス感覚が必要なシチュエーションで私の小脳君は懸命に働いてくれた。かくして転んだり怪我することもなく、今回のリハビリ登山は無事終了。目に染みる美しい新緑とシロヤシオの群生が、やっと山に復帰できたという感慨を新たなものにしてくれたことも嬉しい。


行動時間 6時間




西丹沢VCを6時10分にスタート すぐ左手の尾根に取り付いたがとんでもない泥の急斜面だった



新緑とツツジのコラボ



やっと尾根筋まで登り上げた ここまで四駆 両手がふさがっていたのでカメラを出す余裕無し






まともな登山道も無いのに立派な土管チェアがある権現山



暫くは痩せ尾根のアップダウンが続く



前日の雨で冠雪した富士山 相変わらずお美しい



9:40 畔ヶ丸山頂に到着



シロヤシオがお出迎え





シロヤシオのトンネル



最後は荒れに荒れた西沢の河原を下ってVCに帰着 12:10


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