2018年1月13日(土)
地味な存在ながら、知る人ぞ知る山スキーの名山、越後の阿寺山。最高の天気と雪質に恵まれ、念願かなってこの山に初見参を果たすことができた。前回の三ツ岳は不調の極み。股関節の痛みもあり散々の結果だったが、今回は随分と足の動きも良くなり復調を確認できたことも収穫の一つだった。
午前7時に広堀橋を後にする。今回も同行頂くのはKさん。経験豊富の彼もこの山は初めてだそうだ。前日に列車を立ち往生させた豪雪の影響を心配したがどうやら杞憂だったらしい。完全に里雪型だった模様でスタート地点での新雪はせいぜい10センチほど。重いスーパーファットではなく股関節に優しい比較的軽量のファットスキーが使えることを感謝せねばならない。
広堀橋を後にする 東の空は見事な朝焼け
前を行くKさん 正面はこれから取り付く尾根
40分ほど林道をハイクアップしたところで蛇喰沢とマゴタイ沢の間の尾根に取り付いた。樹林帯の中をどんどん高度を上げていく。登るほどに斜度はきつさを増し、さらにクラストの上に新雪が薄っすら積もる、というシール登行にはおよそ不向きな状況になってきた。音を上げてクトーを装着するとその効果は絶大。一歩一歩が安定し、ずれまくり往生していたキックターンも随分と楽になった。
白銀の八海山が神々しい
高度600m付近で先行者の一人、単独のテレマーカー氏をキャッチアップ。クトーを忘れてきたとのことでシール登行にえらく苦戦している様子。そんな同氏を尻目に先行させて頂く。
朝日を浴びて登行する私
先を行くテレマーカー氏をキャッチアップ
この山は近場で言えば、丹沢の塔ノ岳といった感じ。標高や山頂までの高度差も似通っているし、ともかく一本調子、ひたすら急登が続く点も一緒、塔ノ岳にこれほど積雪があったらどんなに楽しいか、、、等と想像して気を紛らわせ、黙々と足を前に出し続ける。
標高1000m辺りでさしもの急登も一段落。この辺りでようやく一番手の先行者に追いついた。横浜から来られた方で厳冬の槍ヶ岳に日帰りするほどのバリバリの若手だ。ラッセルの謝意を伝え、ここからはKさんと私で交替しながらラッセルしていく。
一番手の若者をキャッチアップ
見事な樹氷や白く染まった美しい八海山に見とれながら最後のひと踏ん張りで山頂に到着。時刻は11時5分。風も穏やかな360度遮るものの無い大展望台だ。八海山はもとより、越後三山、巻機山などお馴染みの名山がずらり勢ぞろい。そんな絶景をおかずに贅沢なランチタイムとする。
雪をまとった木々が美しい
樹氷の森をラッセルするKさん
垂涎のスロープ
思わず景色に見とれるKさん
ラッセルするKさん
山頂まであと一息の私
山頂の眺め 八海山
越後駒ケ岳も圧巻
巻機山方面 しかしどれが何やら。。。
越後平野には雪雲
しばらく寛いでいると後続が到着し始めたのでそろそろ下山にかかる。山頂直下はちびモンスターの点在するメローな斜面。雪質はあたかも腕が上達したかのような錯覚を与えてくれる申し分のないパウダーだ。
滑降に酔いしれる私
同上
滑降するKさん
マゴタイ沢を下に見ながらトラバース
標高1000mまで瞬く間に滑り降りた。雪は次第に重くなり、残念ながら否が応でも己の実力を思い知らされるようになる。Kさんは藪のある尾根筋を避け、マゴタイ沢側のトラバースルートを選択。股関節の爆弾が心配だったが、私もKさんに追随する。最後は沢の右岸に降りて林道へと復帰。12時40分に無事広堀場氏に帰着した。
最近は「二度目は無いだろう山リスト」の山ばかり増えて困っていたが、久々に「毎年訪れたい山リスト」に載せようと思った阿寺山だった。
行動時間 5時間40分
Equipment Voile Supercharger Woman 164cm/Scarpa F1Evo
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