浅間山(黒斑山)  群馬・長野県 2414m    百名山
 

  
 

2010130

この冬の間に登ってしまいたい百名山が幾つかある。日帰りが可能でかつ冬山としてのリスクが小さいところ、具体的には那須岳、四阿山、それと今回の浅間山である。浅間山は、現在警戒度レベル2の火口周辺規制下にあってご本尊には登れないので、外輪山最高峰の黒斑山登頂をもって百名山踏破と見做しているらしい。さてその浅間山行き、もともと31日を予定していたが、気象庁の予報によれば天気が下り坂とのこと、急遽一日繰り上げることにした。あいにくその前の晩は来客があって、就寝したのは午前零時を回ってしまった。午前3時過ぎに目が覚めるが、不十分な睡眠で頭は鉛が詰まったように重い。それでも何とか山道具をパッキングして午前4時に自宅を出発することができた。

 関越自動車道をひた走り、藤岡
JCTから上信越自動車道に入る。小諸ICで降りてコンビニを探すがどうしたことか一軒も見当たらない。仕方が無いので自動販売機で飲み物だけを確保し、朝食は諦めて行動食のカロリーメートだけで我慢することにする。これまで見当たらなかった雪がチェリーパークラインに入ってからは少しずつ目につくようになってきた。つづら折れの山道でどんどん高度を稼ぎ、車坂峠には7時前に到着。流石に標高1973mということだけあって気温はやや低い。マイナス9度である。道には圧雪が残っているものの、いつもの悪い癖でノーマルタイヤのまま走り続け、峠まで来てしまった。登りはよくても下りは絶対に無理であることは過去経験済み、後でチェーンを装着することにしよう。

715分に登山開始。車坂峠から山道に一歩踏み入れた途端、いきなり膝まで踏み抜いてしまった。これでは先が思いやられる。トレースはしっかりついているが、どうやら先行者はスノーシューで歩いているらしい。ともかくつぼ足で行けるところまで行ってみようと覚悟を決める。峠からすぐに道は二手に分かれた。表コースと中コースの分岐である。どちらも同じようにトレースがついているが、尾根で展望の良さそうな表コースから登ることにした。幸いトレースは適度に踏み固められており、雪に足をとられることもない。







 順調に高度を上げ次第に眺望が得られるようになってきた。振り返れば、高峰山やスキー場の上部に聳える東篭ノ登山等のローカルの山々がまず目に入る。西方向には八ヶ岳の眺望があるが、山頂部は雲のなかで辛うじて同定できるのは蓼科山のみ。北方向には登ったことはないが、すぐそれと分かる四阿山が見える。そのうちに右側が急峻な崖になった稜線が見えてきた。この右手には白地に縦に黒い筋が無数に走った浅間山が見える。頂上からの噴煙も凄まじい。火口付近への立ち入り禁止は当然と納得する。稜線に出る前にアイゼンを装着。ロープがすっかり雪に埋まった急斜面を登りきるとちょっとしたピークに出た。案内は無いがこれが赤ゾレの頭だろう。トーミの頭の直下、中コースとの合流地点でスノーシューを履いた単独の登山者と出会う。お互い道を譲りあったが、お言葉に甘えて先行させて頂く。雪は固くしまっているのでスノーシューでは歩き辛いのではと思いつつ、当方はアイゼンを利かせてさらに登っていく。間もなく噴火観測所に着いた。警報のスピーカーが調整不良なのか何やらぶつぶつと呟いている。ここから蛇骨岳もかけては右側が急峻な崖になって一気に落ち込んでいる。まさに蛇骨とは言いえて妙だ。
95分に黒斑山山頂に到着。樹木が邪魔をして浅間山以外の展望はよくない。しばらくして先ほどの登山者が登ってきたのでお互いの記念写真を取る。



 




 
山頂には15分ほど滞在した後、下山にかかる。往路をそのまま辿るのは面白くないので帰路は中ルーとから下山した。ずっと樹林帯の中で平凡なルートであるが、表ルートより10分ほど短縮できるらしい。車坂峠には1015分に帰着。途中何パーティかとすれ違うが皆さんスノーシューで歩いている。アイゼンの方が楽なことは間違いないが、人それぞれ、スノーシューの遠足を楽しみに来ているらしい。3時間足らず百名山の一つが片付いたことになるが、冬ハイクとは言え、これまでの30座で一番楽であったかも知れない。

峠の道は融け始めているが、念のため車の滑り止めを取り付けた。今回は7分で装着できた。自己ベストと悦に入ったが、取り外しに手こずってその倍の時間を要してしまった。今冬何回目か、何度やっても上達しないので情けない。


              登山口                              スノーシューをはく登山者



行動時間  3時間
歩行時間  
2時間45

 


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