朝日岳   群馬県 1720m          
 

2020年10月11日(日)

 このところ秋雨前線と台風14号の余波で10月に入ってからというもの連日雨続き。ようやく待ちに待った晴れ間が期待できそうな台風一過のこの日、紅葉真っ盛りの谷川岳を歩いてきた。向かう先は朝日岳。6年前に訪れた際も見事な紅葉を堪能させてくれた山だ。それに昨春、今春とスキー滑降を楽しんだナルミズ沢を俯瞰してみたいとの思いもあった。

 午後は天気が崩れそうなので出発は午前4時。東黒沢を渡って程なく根っこのジャングルジムを攀じ登る急登が始まる。白毛門沢の滝音がずっと聞こえており、眺めてみたいが漆黒の闇の中、それはかなわない。

 胸を突く急登に喘いでいると、後方からライトの光が近づいてきた。先行してもらうとライトがどんどん遠のいていく。その後も何人もがダッシュで私を追い抜いていった。皆私の年齢の半分にも満たない若さ。還暦過ぎの頃はまだ元気で走行車線や追い越し車線を走っていたのが、最近はすっかり登坂車線が私の定位置になってしまったようだ。

 5時30分を回る頃、ようやく東の空が白んできた。やがて谷川岳主峰に朝日が差し始めた。辺りには赤や黄に色づいた木々。期待していた通りの展開となりワクワクする。


東の空が白んできた


 ジジ岩、ババ岩を望むようになると鎖やロープの岩場だらけ。足元はもとより稜線を彩る素晴らしい紅葉にも目を配らなければならないので何とも忙しい。6時50分、白毛門の頂に到着。まだ先は長い。ハイドレーションの小休止にとどめて次のマイルストーン、笠ヶ岳へ向かった。


岩場が続く



朝日を浴びる白毛門



同谷川岳



白毛門山頂かから笠ヶ岳を望む



 長雨のせいか、稜線上の道は至る所泥濘だらけだ。しかし、そんなことは気にならない程の色の饗宴が続く。一眼レフを持ってくれば良かったとつくづく思うが後の祭り。


笠ヶ岳との鞍部へ向かう



赤と黄のトンネル


 7時40分、笠ヶ岳の頂に立った。この頃になると何処からか雲が沸き立ってきて朝日岳はすっかりガスに飲み込まれてしまった。それでも頂は踏んでおこうと気を取り直して歩を進める。


笠ヶ岳より朝日岳を望む この後すぐにガスに包まれてしまう


 笠ヶ岳と朝日岳との標高差はせいぜい100mほどなのだが、幾つものUps and Downsがあり、冴えない天気と相まって気力体力を消耗させられる。9時ちょうど、出発から5時間でゴールの朝日岳に到着。視界不良は相変わらずで、残念ながらお目当てのナルミズ沢の源頭部を見渡すことは出来なかった。


視界の閉ざされた朝日岳山頂


 視界が閉ざされているのにゆっくりしていても仕方ないので、ランチを摂っただけで引き返すことにした。しかし、往々にしてそうであるように後にしてきた山頂を振り返るとガスが晴れてくるのが世の常。この時もこの経験則通りだった。タイミングの悪さを嘆きつつも、湯檜曽川の源頭部に広がる美しい紅葉に癒されたので良しとする。


ガスが晴れてきた 清水峠方面の様子



 日が高くなり紫外線が強くなったせいか、紅葉は益々鮮やかさを増してきたようだ。中々足が進まないのは景色のせいか、はたまた疲労のせいか。



ウツボギ沢を俯瞰 紅葉は今一つ






 紅葉狩りのフィナーレは白毛門からの急坂激下り。太腿を散々酷使したせいか、どうにも踏ん張りが利かない。日頃、スクワットやランジで筋力維持に努めているつもりだが、そんな軟なトレーニングだけでは、山で通用しないらしい。うっかり根っこに躓いてダイブしないようゆっくり慎重に下っていく。


白毛門からの下山道


 13時30分、駐車場に無事帰着。この日はおそらく紅葉のピーク。紅葉狩りに大満足の一日だったが、ちょっとしたトラブルも。いつものようにGPSをオフにしようとすると、前回に引き続きまたもや電池切れ。2800mAhと大容量で新品、かつフル充電したニッケル水素電池なのにどうしたことだろう。GPS本体の設定には問題なさそうなので、原因はやはりバッテリーだろうか。割高な国産品を敬遠したのが敗因だったのかも。安物買いで何度も懲りているのに、、、


行動時間 9時間30分



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