荒船山  長野・群馬県 1423m  二百名山      
      


2017年5月19日(金)

 リタイヤを目前に再開した山歩き。ノルマに追われるサラリーマン生活が染みついた私にとって百名山は形を変えたノルマになったらしい。悲しき習性と言うか、与えられた目標を何とかクリアしようと、自らに鞭を入れて全力疾走してしまうのだ。それこそ憑かれたように山に通い、足掛け3年で全山制覇の目標を達成したのだった。

 ところがこれですっかり精気を使い切ってしまったようで、その後は全くの腑抜け状態。百名山の延長線上にある二百名山には、今一つ力が入らず、50座を過ぎた辺りから記録更新は遅々として進まない。しかし、深田クラブなど先達の皆さまが良いと認める山はやはり歩きごたえがあるのも事実。今年は改めて気合いを入れ直し、ピークハントに励みたいと思っている。

 と言う訳で、今回は毛勝山に初見参。二百名山の中でも難易度ランク最難関だそうな。もう一つの問題は長いアプローチ、自宅から毛勝山の麓、魚津まで実に400Kmもあるのだ。そこで休憩がてら立ち寄ることにしたのが、同じく未踏の二百名山、荒船山。ちょうど中間地点にあるし、毛勝山の足慣らしも兼ねることができる。奇しくも、難易度ランク初級★の荒船山と、最難関★★★★★の毛勝山という両極端の山の頂を踏むことになるのだ。

 午前5時、内山峠に一番乗りで到着。早速身支度を終え、5時30分に車を後にした。久々に履く軽登山靴は実に新鮮な感じ。歩行に難のある兼用靴とは大違いで軽快そのものだ。朝もやに煙る新緑を愛でながらの山道散策。思わず鼻歌交じりになってしまう。


気持ちの良い森の散策道


 ハイキングコースは良く整備されているが、案外細かなアップダウンがある上、ぬかるんで滑りやすい急斜面もあったりするので油断できない。小一時間も歩くと霧もすっかり晴れ、雲海の上に浮かぶ八ヶ岳が遠望できるようになってきた。一杯水を過ぎると、暫くは頂稜まで急登が続く。


霧が晴れてきた


 出発から1時間10分でトモ岩に到着。この断崖絶壁は「クレヨンしんちゃん」の作者を初め、昨秋の母子遭難など何件もの遭難事故があって有名なところ。登山道の危険地帯にはロープや鎖が渡してあったりするのに、ここには注意を促す立札だけの無策状態(無柵と言うべきか)。


トモ岩



トモ岩から内山峠方面の眺望


 しかし、どんなKeep out策を講じても、怖いもの見たさの好奇心には勝てないかも知れない。かく言う私も崖下を覗き込んでしまったので。。。


トモ岩の下には原生林が広がっている


 荒廃した東屋を過ぎると、その先は航空母艦のような平坦な頂上台地。目には木立の新緑、耳には小鳥の囀りと何とも心地よい頂稜の道が続く。



頂上台地を振り返る


 やがて小ぶりなピークが見えてくる。ここが、荒船山最高点の行塚山だ。10分ほど息を切らして登り切り、7時15分、日本二百名山59座目となる荒船山の山頂に立った。


行(経?)塚山山頂


意外に雪の多い八ヶ岳


 大休止の後は往路を辿る。9時に登山口に帰着。帰路すれ違ったのは、単独ハイカー3名、ご夫妻1組だけで、静かな山歩きが堪能できた。翌日の毛勝山に向けちょうど良い足慣らしにもなったしと、満ち足りた気分でハンドルを握り、一路魚津へと向かったのだった。


行動時間  3時間30分

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