2021年12月11日(土)
「手が冷たい人は心が温かい」とはよく聞く話。後半部分が私に当てはまるかどうかは別にして、毎年冬になると手指の冷えに泣かされている。寒さから身を守るため、末端を犠牲にして最重要臓器であるハート周辺に血流を集めていると考えれば、感情面はともかくフィジカルには何となく納得できる。ともあれ加齢も手伝ってか、車を運転する際にはハンドルヒーターが手放せなくなっている今日この頃、何とか「心も温かいが、手も温かい」にしたいものだ。
というのも冬山ではいつも手指がかじかんで辛い思いをしているからだ。ひどい場合には下山してから何日も指先が痺れるなど感覚異常に悩まされることもある。ヒマラヤでも使えそうな、ごっついグローブも試してみたりもしたが、山中での細かな作業に支障があったりしてどうもしっくりこない。いろいろ試してみた挙句、結局行きついた解決策は「電熱グローブ」。スイッチオンすればほかほかと暖かく快適なのだが、氷点下を下回る低温に弱いリチウムイオン電池の特性から、ここぞという時に短時間しか使えない。
私の入手した電熱グローブは電池を手首の部分に収納するように出来ている。これではほぼ外気に接しているようなものなので、酷寒の冬山では性能が著しく低下し使用に耐えないのは当然と言えば当然。そこで袖の中に延長コードを通して電池の収納場所を人肌に出来るだけ近いミドルウェアの内ポケットに変えてみることにした。実験サイトは八ヶ岳の編笠山。結論から言うと、結果は十分満足できるものだった。
寒さが厳しくなった標高2000mを越えたところでスイッチオンし、バッテリーが完全放電するまで、左手用のバッテリーで2時間40分、右手用では3時間10分の保温効果が得られた。山頂では寒さでカメラがシャットダウンしてしまうアクシデントがあったが、それ程の低温でも十分保温機能を維持できることがわかった。バッテリー容量の個体差が大き過ぎるのが一つの課題。また電池をさらに大容量のものに替えれば、もちろん持続時間は長くなるが、重量とのトレードオフなので思案のしどころ。7.4Vで軽量、大容量、かつ安価なバッテリーがあれば言うことは無いのだが。。。
行動時間 7時間25分
今回使用した電熱グローブ 電池は7.4V、2200mAh
スイッチオンしたところ 温度調整は赤白青と三段階あり赤が最強 今回は白で実験
延長コードをアマゾンで入手
実験スタート
標高2000mを越えると積雪量が増え風も強くなってきた
山頂に王手
久しぶりの編笠山山頂
南八ツのお歴々
どこから眺めても様になる富士山
中央アルプス ここまで撮影したところでカメラが寒さでダウン
青年小屋へと向かう途中でカメラ復活
営業を終了した青年小屋
北アルプスの展望は今一
編笠山を振り返る 堆積した石は雪を被り落とし穴だらけ
源次新道から西岳へと向かう ここで左手のバッテリー昇天
西岳の山頂手前で撮影 ギボシの迫力がすごい ここで右手のバッテリーもご臨終
西岳でランチ
編笠山に別れを告げ下山開始
権現岳にも
巻雲が美しい 空気が澄んでいる証拠 今日も良い一日だった
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