編笠山   長野県 2324m            
 


2018年12月2日(日)

 先月は、とうとう東京に木枯らし1号が吹かなかった。実に39年ぶりとか。季節が中々先へと進まず、今週も山スキーは無理そうだ。せっかく富士イエティでスキーの足慣らしをしておいたのに空振り。残念だが仕方なし。となれば、筋トレの山歩きを続行するしかない。今回は8年ぶりに富士見高原を起点に編笠山、西岳へと周回することにした。状況が許せば権現岳まで足を延ばすつもり。

 夜明け前に富士見高原に到着。登山者用の駐車場が見当たらないので、ゴルフ場の片隅に車をとめさせてもらった。6時15分、明るくなるのを待って車を後にする。


ここからスタート(下山時撮影)



冬枯れの道を行く


 今日の足回りは、敢えてトレーニングのため履いた重くかさばる冬靴。そのせいだけではないだろうが、根が生えたかのように足が重く一向にペースが上がらない。


鹿二頭にじっと見つめられる


 小一時間ほど歩くと、冬枯れの殺風景な景色に緑濃い苔が、さらに高度を上げると薄っすらと積もった雪が彩を加えてくれるようになった。木漏れ日がスポットライトになって降り注ぎ、そんな景色を一層際立たせてくれる。


日本庭園


 体調の方は相変わらず。何時まで経ってもエンジンがかからず亀の歩みだ。やがて樹高が少しずつ低くなり、振り返れば雲海上に南アルプスの峰々がくっきりと望めるようになった。この絶景を励みにして足を前に出し続ける。


南アルプス


 樹林限界を抜けると中部山岳一望の大パノラマが展開。しかし足元はごろごろした石と新雪が交じり合った急斜面なのでよそ見をしている余裕は無い。

 9時35分、編笠山山頂に到着。赤岳を初め、権現岳、阿弥陀岳など南八ヶ岳の峰々が一斉にショーアップ。山頂まで辛い登りに耐えなければこの感動を味わえないのもこの山の魅力の一つだ。惜しむらくは、せっかく初冬に訪れたのに雪が殆ど見られず夏山と変わりないこと。しかし快晴の空の下、眺めは一級品。すっかり冠雪した北アルプスや雲海上の富士山などの眺望を心行くまで楽しむことができた。


編笠山山頂からの富士山



南八ヶ岳の花形達



あらためて南アルプス



西岳 バックは北アルプスの山々


 風も穏やかとは言え、やはり吹き曝しの山頂に長居は出来ない。迫力満点の権現岳を見据えながら青年小屋へと向かう。ここも石だらけの急坂に新雪が乗っているので滑り台状態。スリップしないよう標準CTの倍の時間をかけて慎重に下った。


青年小屋へ下る


 到着した青年小屋は既に営業を終えているせいか、週末というのに全くひと気が無い。陽だまりのベンチに座り、誰に気兼ねすることも無くゆっくり「ぼっち飯」をとった。

 権現岳ピストンの腹案は体調が今一つなので取り止め。源治新道から西岳へ直行することにした。道は深い樹林の中を登ったり下ったりしながら、どちらかというと下り基調で進んでいく。


源治新道から眺める編笠山



新雪の感触を楽しみながら歩く


 50mほどの登り坂を最後に、11時25分、西岳の頂に立った。山頂の景色は編笠山の二番煎じなので長居はしない。水分補給をしたのみで下山を開始する。


 途中三々五々登ってくる登山者と行き交ったが、何故かその殆どが私より年長の人ばかり。スタープレーヤー揃いの南八ヶ岳の中にあっては、ひっそり片隅にある地味な山だが、意外にシニア受けする名山なのかも知れない。先々年相応の低山歩きも有りかな等と考えながら、休まず下り続け、午後1時に登山口に帰り着いた。


行動時間  6時間45分


  
Map
 Track
Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system