阿弥陀岳  2805m 長野県      
 

2021年8月27日(金)

 変異したデルタ株の登場で新型コロナは収まる気配が無いどころかその脅威は増すばかり。しかし出口の見えない暗闇のなか、自宅軟禁生活は肺炎でなくとも息が詰まり、そろそろ限界。こうした時は山を歩いて息抜きするしかない。可能な限り密を避けようと、平日のバリエーションルートという条件で選んだのは、無難なところで八ヶ岳阿弥陀岳南陵。今回で三回目となる勝手知ったるルート、、、と言いたいところだが、スタートした時点から思わぬ落とし穴に嵌ったのだった。

 実は最近車を買い替えたばかり。ところが納車されたのは何と車体のみ、半導体不足の影響で製造が遅れているナビの装着は後回しとなってしまった。勘ナビは方向音痴の私には無理ということで、スマホと連携してAppleCarPlayを利用している。ところが慣れていないせいか、これが今一つ使いづらい。

 この日、自宅出発前に南陵の起点となる「船山十字路」を入力。何も疑うことなく、ナビの指示通りに走行していくと、八ヶ岳山麓の別荘地を抜けた辺りでゲートが立ち塞がり先へと進めなくなった。路肩には何台もの車がとまっている。これがてっきり登山者の車と思い込んだのが運の尽き。

 道路事情が以前とは変わってしまったのかなと訝しく思いつつも、目的地近くまで来ているので歩いてしまおうといつもの能天気ぶりを発揮。しかし、歩き始めてすぐに異変に気付いた。舗装道路のはずがダートになるなど明らかにおかしい。GPSをじっくり眺めると何と現在地は船山十字路とは立場川を挟む対岸の林道ではないか。地図
で見る限り、ナビが案内しようとした通り、確かにこの林道は目的地へと通じている。一旦は引き返しかけたが、トレーニングがてら歩いてみるのも悪くないと思い返した。

 ところが、ゲートで道を塞ぐにはやはり理由があったのだ。先へ進むほどに道は荒廃し、草ぼうぼうから最後は殆ど藪漕ぎと言ってよい状況に。さらにその先には立場川の渡渉も待ち受けていた。水量も多く渡渉点を探して右往左往。靴を半ば水没させながら石伝いに何とか渡り切った。その先には寸断された林道が続いていたので、ほっと一安心。かくして本来の出発点到着まで往復2時間のアルバイトになってしまった。

 スタートは散々だったものの、その後は至って快調快適。南八ヶ岳のアルペンチックで迫力満点の大展望を堪能できたし、山頂直下のガリーの直登など、久しぶりに緊張感を味わう山歩きができた。それに目論見通り、南陵で出会ったのは私と同年代の年配男性二人組と単独女性の三人だけとNo密だった。ちなみに、この女性は私がホールド、スタンスを探りながらガリーを慎重に登っている脇を軽い身のこなしですいすいと追い越していった。まるでボルダリング銀メダルの野口啓代選手のよう。凄い女性がいるものだ。

 車への帰着は午後1時20分。久しぶりに累積標高1700m越え、20Km近い山歩きで太腿はパンパン、足は靴擦れに豆だらけ。それでも巷に溢れるコロナウィルスや猛暑から逃れて充実感溢れる一日となった。


行動時間 8時間30分


 山と高原の地図ではこの道は廃道とはなっていないので要注意(私のは2008年版、最新版では改定されているのかも)



次第に荒廃してきた林道を行く



やがて藪を漕ぐ羽目になり、、、



渡渉も強いられたが、



この先には林道がありやれやれ



やっと船山十字路に到着(下山時撮影)



阿弥陀岳南陵の入り口 ここから胸をつく急登が始まる



やっと稜線に出た



この景色が続き癒される



眺望の無い立場山だが、このすぐ先には、、、



この景色



権現岳も登場



阿弥陀岳が一段と近くなってきた



ど迫力の赤岳



P1?基部を巻く



ゴリラ君も健在



ここを巻いて少し下ると、、、



ガリーの取り付き点が現れる ワイヤがあった



岩がぬめっているのでいやらしい



あとは稜線を辿れば、、、



山頂到着



横岳



権現岳はガスに飲まれた



硫黄岳と北八ツの山々



御小屋尾根を下る



出発地のゲート前は暗くてわからなかったが、何と立場川キャンプ場だった 道理で車が沢山



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