雨飾山  新潟・長野県 1963m   百名山
   
  
 
201066

 
白馬岳から転戦して小谷温泉近くの鎌池の駐車場に到着、ここで夜を明かす。昨晩はワインをちびちびやりながら車のナビで長編もののDVD映画を観て時間つぶしをした。夜明けを待って登山口のある雨飾高原キャンプ場に向かおうと車のキーを回すがエンジンがかからない!昨夜の映画鑑賞でいたずらに電力を消費した上に外気温が摂氏5度と低いため、バッテリーが機能不全になってしまったらしい。昨秋に続いて2度目の大失態。駐車場に到着したばかりの大型ボックスカーに頼み込んでバッテリー直結で始動させてもらった。鎌池近くのキャンプ場の駐車場に車を止めたが充電は十分とは言えない。しばらくアイドリングを続け、その間に朝食をとる。後で再び始動できるかどうか不安であったが、祈るような気持ちでそっとエンジンを止めた。朝445分に出発。今日はピッケルを置いていく。駐車場から少し下ると道は水芭蕉が咲き乱れる湿地帯の木道沿いになる。小谷村のHPでこの木道が水没しているとの記事があったが、一週間経ってすっかり水は引いたようだ。




             水芭蕉の群生(下山時撮影)




 
しばらく行ったところで尾根道に取り付く。いきなりの急登で一気に汗が噴き出るが、気温はそれほど高くないようだ。残雪は固くクラストしており、完全にアイスバーン状態になっているところもある。夏道が次第に雪に覆われてくるが、土汚れで踏み跡が不鮮明になってきた。所々に赤いマーキングがあるが、ルートが山腹を巻くようになってから完全に見失ってしまった。しばらく雪渓を登るがどうも道を外しているらしいと気付く。GPSでチェックすると正しいルートはかなり下らしい。いったん登った雪渓をしばらく降りて、最後は藪を漕いでようやく夏道に戻った。先行している登山者の声らしきものが聞こえたが、どうやら同じように迷っているらしい。




                   間違えやすい雪渓上のルート(下山時撮影)




 雪解けの泥道と雪渓が交互に現れるが、アイスバーンの雪道はよく滑るのでアイゼンを付ける。しばらく行くとまた泥道になるのでアイゼンを外すと、また雪道といった具合で、泥道をアイゼン、雪道をつぼ足でとちぐはぐなことになってしまった。荒菅沢の雪渓をトラバースする際はアイゼンを外した状態であったが傾斜もそれほどでもないし面倒なのでそのまま進む。この上部には布団菱と言われる荒々しい岸壁が、素晴らしい青空の下で威圧的にそそり立っている。





布団菱を望む





笹平までもう一息




道は再び急登になるが、左手に見える頂上が次第に近づいてくるのが励みになる。アサヒビール提供の梯子を越えて更にひと登りすると笹平で、ここで視界が一気に開けた。右手に日本海を眺めながら、ハクサンイチゲの群落のきれいな尾根道を進む。最後の急登を終えると雨飾山の北峰の脇に出た。南峰はその左手をわずかに登ったところにある。本日一番乗りと思っていたら、頂上には先着の女性がいた。聞けば雨飾温泉から登ってきたとのこと。頂上からの展望は文句なし。シゲクラ尾根の向こうに焼山や火打山、南東方向にはちょっと離れているが高妻山が凛々しい。圧巻は何といっても北ア。昨日昇った白馬岳を初め唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳といった後立山連峰のオールスターがずらりと勢ぞろいしている。北には日本海が広がっている。糸魚川市がよく見える。しばらくして後続の人たちが到着したが、やはり先ほどの雪渓を直登して道に迷い時間をロスしたらしい。





北アルプスをバックに





後立山連峰





シゲクラ尾根の向こうに焼山と火打山が顔をのぞかせている





高妻山?





頂上から笹平方面を望む




 頂上が賑やかになってきたので一足先に頂上を後にするが、あっという間に先ほどの女性が追いついてきた。しばらく一緒に歩いていたが、先を急ぐというので道を譲る。背中には決して軽くはないと思われる一泊分の荷物を背負いながら飛ぶように斜面を駆け下っていく。今まで自分はどちらかと言えば健脚の方と秘かに思っていたが、そんな思い上がりは一気に吹き飛んでしまった。とんでもない女性がいるものだ。トレランでもやっているのかしらん。ちょっと意地になってしばらく彼女の後を追ったが、すぐに息があがり登りと同じくらいに大汗をかいてしまった。荒菅沢と前後する辺りで多くの登山者とすれ違うようになったが、そのうち何人からか雪渓で迷ったとの話を聞く。マーキングがあと二、三箇所あれば防げるかも知れないなと思う。同じ道のピストンなので写真を取ることもせず、せっせと歩き続け、9時35分に登山口に帰着した。着替えを済ませて気合をこめて車のキーを回すと、かかった!これで帰れる。山間から北アが顔を覗かす素晴らしい景色を楽しみながらゆっくり車を流す。小谷村では「おたり名産館」に立ち寄り手打ちそばと山菜の天ぷらを注文。これが最高に美味しかった。148号線沿いの後立山連峰の大パノラマも見送ってくれて今回も大満足の山旅だった。




行動時間                     4時間50
歩行時間
                     4時間
標準コースタイム
        6時間30





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