天城山  静岡県 1405m   百名山
   
  
 

2010513

 
百名山は深田久弥氏個人の嗜好で選ばれたもので、もとより誰もが納得できるわけではない。季節や天候などによってもイメージや評価が大きく左右されることもある。とは言え、どんな山でもそれなりに見るべき所はあるもので、過去訪れた35座を名山として推せるかと言われれば答えはイエスだ。しかし、今回の天城山に限っては素直にそう言えそうにない。新緑と石楠花などの花、それに天候の好条件が揃えば全然違った見方になったかも知れないが、残念ながら今回はその全てが期待に応えてくれなかった。しかし山は「外れ」でも、新調したばかりの登山靴の調子を確かめることができたので、全くの無駄足という訳では無かった。
 

東名高速の深夜割引の時間帯に間に合うよう、例によって早出する。伊豆スカイラインのトールゲートも係員がおらず素通りすることができた。早起きは〆て千円程度の得になった。そこかしこに鹿が群れる別荘地の山道を抜けて午前5時過ぎに天城高原ゴルフ場に到着した。ゴルフ場の脇にある広いハイカー専用駐車場にあるのは、先着の2台だけで閑散としている。ここに至るまでコンビニや自販機が見当たらず、朝食を買いそびれたので非常食のカロリーメートを食す。飲み物も買えなかったため、空いたペットボトルに水を詰めた。スタートは540分。ハイキングコースに入ると道はしばらく緩く下って四辻で周回コースの戻り道と合流する。杉の樹林帯のなか、小鳥の囀りを聞きながら少しずつ高度を上げていく。



新緑にはちょっと早かった




ハイキングコースだけあって100mおきと言っても大袈裟ではないぐらいに道標が整備されている。最初のピークは万二郎岳、ここからは樹木に遮られて展望は無いが、やや下ったビューポイントから馬の背のピークの後ろに万三郎岳が控えているのが辛うじて見える。

万三郎を望む(晴れ間が見えたのはこのときだけ)




 一旦かなり下ってから登り返す。期待していた花は山つつじが数えるほどあるのみ。残念ながらアセビは花期が終わってしまい、石楠花は逆に早すぎたようで完全に空振りとなってしまった。せっかくのアセビのトンネルも葉っぱのみでは冴えない。余談になるが、アセビの葉には毒があるのでそれ以外の植物が草食獣の犠牲になるらしい。つまり、アセビが異常に群生しているということは獣による食害が多いことの証明だそうだ。天城山にはそれだけ鹿が多いということだろうか。

 2
時間ほどで万三郎山に着く。樹林に囲まれていることに加えてガスで眺望はゼロ。長居をすることなく早々に立ち去る。しばらく下ると天城縦走路との分岐に着いた。八丁池をピストンすることも考えたが、冴えない天気と平凡な景色は少しも背中を押してくれないので、あっさり諦めた。周回コースを選んで山腹を巻くように付けられた道を淡々と下る。ヒメシャラの裸の幹に囲まれると間もなく万二郎岳への分岐となり、ちょっとフラスト気味の周遊が終わった。




ガスで冴えない万三郎岳の頂上




ヒメシャラの林




行動時間 3時間30
実歩行時間 3時間
参考コースタイム 4時間10


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