赤岳  2899m 長野・山梨県    百名山  
 

2017年7月7日(金)

 梅雨の晴れ間を狙い、二週間ぶりの山歩き。トレーニングと体力測定がてら、久しぶりに南八ヶ岳を散策してみることにした。計画したのは、登り真教寺尾根、下り県界尾根の赤岳周回コース。思い起こせば、真教寺尾根は学生時代に一度歩いたことがある。しかし何しろ半世紀近い大昔のこと。県界尾根も下山に使うのは初めてと言うことで、私にとっては殆ど初物尽くしに等しいコースとなった。

 夜明けとともに美し森ロッジの駐車場に車をとめる。登山者用駐車場前には、キャンプファイアのため使用不可との立て看板。ちょっと気が引けたが、宿泊者用のスペースを借りることにした。


 早速身支度を整え、午前4時25分に出発。地図に依ればロッジ内を横切って真教寺尾根へと繋がる道が記されている。しかし、GPS片手にロッジ内をうろうろ彷徨ったが、そんな抜け道はどこにも見当たらなかった。結局、駐車場へと舞戻り、羽衣池経由で出直しする羽目になった。のっけから15分のロスは痛い。


あちこち水溜りだらけ


 今度は迷う余地の無い立派な遊歩道だ。しかし、羽衣池を過ぎると、道は次第に両側から生い茂った笹に占領されるようになってきた。しかも前日の雨でたっぷりと水滴を蓄えている。10mと進まないうちに、早くも太腿以下はずぶ濡れ状態。念入りに防水処理をしたはずの登山靴にも浸水する有様だ。雨具を身に着けておくべきだったと後悔するが、後の祭り。


登山道を覆い隠す笹


 忌まわしき笹原を過ぎると周囲の展望が開けてきた。振り返れば南アルプスの峰々が朝日を浴びている。苔むした岩を縫うように登って行くと最初のマイルストーン、牛首山に着いた。樹木に覆われ視界は無いが、僅かに開けた樹間から権現岳と思しき、ごつごつした山容が垣間見えている。


南アルプスの山並み



牛首山から権現岳を望む


 この先は暫く緩い起伏の道が続く。標高2300mを過ぎると愈々最後の急登が始まる。辛い登りを癒してくれるのは足元の高山植物たちだ。中でも濃いピンク色をした可憐なイワカガミが至る所に咲き誇っていたのがとても印象的だった。


ガスがかかってきた



癒しの空間



癒しのお花


 やがて斜度が一段と増し、鎖場が連続するようになる。手元、足元に集中して登っている内にいつの間にか天気は下り坂。周囲はすっかりガスに包まれてしまった。キレット小屋との分岐まで来ると赤岳山頂は指呼の距離のはずだが、残念ながらその姿を拝むことは出来ない。




そろそろ森林限界



鎖場を登る



キレット小屋への分岐点


 左側からは文三郎尾根ルートが合流してきた。カラフルなウエアを纏った大勢のハイカーが続々と登って来ており、これまでの静寂が嘘のようだ。


文三郎尾根ルートと合流


 山頂到着は9時5分。展望はゼロ、加えて雨がぱらつき、とても山頂で寛ぐ気にはならない。カロリーと水分補給だけにしてそそくさと下山を開始する。頂上小屋前の分岐から県界尾根へと向かう。


ガスに包まれた赤岳山頂


 かなりの急斜面でガレて足場の悪い鎖場が連続する。前回ここを登った際余り意識しなかった浮石が実に多いことに驚く。また真教寺尾根とは異なり、ホールドやスタンスが細かく、濡れた岩場もあるので中々難儀だ。手さばき、足さばきを慎重に鎖をフル活用して下って行く。


急勾配の鎖場が連続


 大天狗から先は緩やかな下りで気楽な尾根歩き。小天狗から再び激下りとなる。ここも真教寺尾根同様、笹が生い茂っているが、幸い雨露は乾いており濡れることは無かった。


癒しの空間 その二


 30分ほどでこの急坂は一段落、大門川の沢沿いに出た。この先は堰堤を幾つも越えながらの単調な沢下りとなる。舗装道路に出た後は、清里スキー場を回り込んで12時35分、美し森ロッジへと帰着した。


単調な大門沢沿いの下り


 大勢のハイカーで賑わう山頂付近とは裏腹に、アプローチでは、登路、下山路合わせて出会ったのは3人だけと静かな山歩きが楽しめた。

 残念だったのは体力測定の結果。今回、登頂に要した時間は、のっけのロスタイムを除いても4時間25分。3年前に県界尾根から登った時よりも1時間以上余計にかかっている。老化の進行は不可避とは言え、これほどの劣化は想定外。山歩きの頻度も含め、今少しトレーニングに力を入れようと思うが、この期に及んで無駄な抵抗だろうか。。。


行動時間  8時間10分


見かけたお花たち







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